フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

ひさびさ、遺伝子組み換え作物について考える-日経本紙朝刊1月12日コラムより

■ちょっと時間が開いてしまいましたが…先日の日経新聞日曜版に、こんなコラムがありました(画像クリックすると拡大します)。
「夢」と「安心」てんびんに 実は身近な組み換え作物(日経新聞朝刊2014年1月12日記事)

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■「夢と安心てんびんに」??
タイトルは「夢と現実てんびんに」の方がよいのではと勝手に思いましたが、要は日本人は「安心安全キーワード」に敏感、たいていの消費者が遺伝子組み換え食品については否定的で、自分では買うときに選んでいないと思っているものの、表示義務のない肉や魚の飼料(=エサ)までは売り場では選びきれず、結局は間接的にほぼ100%遺伝子組み換え食品を誰もが日常的に口にしている、ということを書いたもの。

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■そう、わたしのこのブログでも何度か書いてますが、「納豆」や「豆腐」など「遺伝子組み換え大豆を使用していません」と明記できる食品と、そうでない(表示義務化されていない)食品が日本では両方存在し、その肉が元は何を食べて育ったか、というエサについては、特に売るときに製造者は書かなくてよいのです(あえて書く、というのは自由)。

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■なんでエサをわざわざ遺伝子組み換えのものにするの?!ちゃんと非遺伝子組み換えやオーガニックにしてよ!と言いたいところですが、そうすると牛や豚を育てるための経費が法外に高くなり、とてもいまあるような値段では売れない、買えないという現実があるから。
さらに新興国人口爆発で、日本の中だけにいると「食べ物は足りない」という認識はとても持てないですが、世界全体では今後一層「食べ物を必要とする人」がいまより増え、それら食品を作るエサも必要になり、生産効率がよい遺伝子組み換えのエサが増えることが予想されます。

■この世界の流れはしょうがないこと。
世界の他の国の人たちも、みんな日本やその他の先進国のように豊かになりたいし、おいしい食べ物、肉や魚を食べたい。だから、日本でするべきは「表示義務をもっときちんと正しく精密に制度化」し、「非遺伝子組み換えで値段の高いもの」と「遺伝子組み換えで値段が安いもの」を、自由に、クリアに消費者が選べるようにすればよいとわたしは思います。
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先日買ったフィールドコープの卵のパックには、こう明記されていました。
◆私たちの手づくり 非遺伝子組換トウモロコシ、大豆粕など厳選素材を吟味した自家配合
ナチュラルハウスで買うヨーグルトにも、エサについて同様の表記が書いてあります。あえてこう書かれているものを見ると、やっぱりのこの日経の記事の通り、認識することはないけどほとんどの卵や肉、乳製品などは遺伝子組み換えのエサで育ったものなのだなと思います。
フィールドコープの卵は6個入りで税込260円商品サイト)。普段わたしがスーパーで買う卵は10個で210円ほど。プレミアのものは、プレミア価格を出して、買わなきゃいけないわけです。

■遺伝子組み換え食品は1960年代から研究され、現段階での科学的な安全性は、公的には証明されていますが(だから輸入が認可されている)、100年後、1000年後のヒトへの影響は誰にも予測できません。単純にいい、悪いの議論は誰にもできず、嫌いな人は値段で選べばよいのですが、それもごちゃごちゃになって自由に選択もできていない状況が、この遺伝子組み換えテーマの最大の問題点だとわたしは思っています。
(もっと知りたい方は過去記事もどうぞ→
「遺伝子組み換え食品の生産現場へ」
「『遺伝子組み換え作物、アメリカで普及進む』_今日の日経新聞本紙より」

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