フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

のりの佃煮で思い出す、2000年前後のバブル

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■わたしはいまから15年くらい前、出版社で会社員をしていました。当時の上司で、いまでも家族ぐるみのお付き合いがあるSさんに、最近これいただきました。すっごくおいしいのりの佃煮。「浅野ならこのよさがわかるはず!」とまで言っていただき。そして食べたら、ほんとに!

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■のりの佃煮って甘みと塩気の加減がとてもおいしいですが、わりと甘みが強い調味料なので少量ですぐ飽きやすい。でもこれは全然飽きないのです。「口どけがいい」っていう言葉、あまりに使われすぎて個人的にあまり好きな表現ではないのですが、これはまさに。
すっきり、白いごはんと一緒に多めに食べてしまってもしつこさを感じず喉を通る。さすがグルメなSさん!と感激しました。ありがとうございました<(_ _)›
(サイトはこれです→「磯一番 海苔佃煮」 Amazon楽天では取り扱いがないみたい)。

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■Sさんと言えば、奥様が料理研究家でいらっしゃるということもあり人一倍、食へのこだわりが強く、接待や社内チームの慰労会で選ぶ店も味・雰囲気・店のトータルなセンスすべてに妥協しない人でした。
部下として働いていた20代の数年間、食の審美眼についてどれほど鍛えられたことか…(^-^; 20代そこそこでSさんセッティングのビジネスディナーで味わった東麻布の名店、「イル・ピノーロ」のサラダの味。ぱりっと清潔に乾いた葉っぱ1枚1枚に、美しく繊細にドレッシングが“まとわれて”いたのが、一生忘れられないほど衝撃的でした。
ああ、「料理上手な家庭のおかず」とはまったく違う、別次元の「高級店のプロの味」というものがあるのだ、と理解したのでした。
(イル・ピノーロはシェフも代わり、店も別の場所に移動して、かつての姿は現在はないです)

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■わたしが会社員をしていた2000年前後、とっくにバブルは終わっていました。バブルは正式には、1986年12月~1991年2月までの4年3ヶ月だそうです(日経新聞2014年3月16日コラム「バブルの焼け跡」より)
でも当時はまだまだ社内のムードはバブルで、いろいろゆるくて、接待の場なども「取引先が満足すればケチケチせずともそれでよし」というような雰囲気でした。
屋形船にワインを持ち込んで天ぷらを食べたり、ビジネスランチに会社から近かったホテルオークラの高級店をバンバン利用したり、いろいろ体験させてもらったな…

■あの20代で、いろいろな食シーンの感動や衝撃を味わえたことは、いまのわたしに取ってかけがえのない財産になっていて。20代の経験値の利息でフードライターとしての30代を走れてきたような気がします。
バブルの肯定はできないけれど、いま10代、20代の若い人たちは、少々の借金や無理をしてでもたくさんの経験をした方が、その後使える人生の利息も増えていく気がします。
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