フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

代官山の邸宅レストラン「ASO」、創業26年目のリニューアルイベント

代官山のリストランテASOのテーブルセッティングの様子

100年前の昭和初期の洋館をレストランにしたASO。

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 食限定の取材歴20年、フードライターの浅野陽子です。

 都内有数のおしゃれな街・代官山で、特にシンボル的な存在感の「リストランテASO」。

 創業26年目でリニューアルされ、イベントを行ったのでその様子をご紹介します。

クラシックな雰囲気、店構えはそのまま

代官山のリストランテASOの外観

旧山手通りから見えるASOの看板は代官山のシンボル的存在。

 代官山駅から徒歩5分。旧山手通りを車で走ると必ず目に留まるASOの看板。

代官山のリストランテASOの内観

1階のガーデンチャペル。

代官山のリストランテASOの内観

80席ある1階のサロン(大広間)。

 創業は1997年。2000年頃から始まったレストランウェディングのブームも先取りし、当時から「代官山の格式あるレストランの代名詞」のような存在感を放っていましたね。

 建物の老朽化などもあり今年、創業26年目に4カ月間休業し改装。9月にリニューアルオープンされました。この日は店内をガイド付きで内覧。

青いフレスコ画やクラシックな店内も綿々と歴史をつむぐ

代官山のリストランテASOの内観

ASOと言えば、この天井の青いフレスコ画
代官山のリストランテASOの内観
代官山のリストランテASOのテーブルセッティングの様子
館内のウェイティングスペース(左)と、青いフレスコ画はテーブルチャジャーとして客席にセット(右)

 リニューアル、と言っても建物内部の強化がメインだそうで、全体の雰囲気は改装前とほぼ同じでした。

 ASOと言えば、ウェイティングスペースの天井にあるこの青いフレスコ画でしたが、これもそのまま。

代官山のリストランテASOの内観
代官山のリストランテASOの内観
3室ある個室。ウェディングの時には新郎新婦や親族の控え室に。

代官山のリストランテASOの内観

椅子や調度品すべてに重厚感を感じる店内。

 2000年前後の開業当時、20代で若かった私は出版社で平成のモーレツ社員をしていて(笑)。仕事のパーティーやプライベート、そして結婚式でも何度も伺わせていただきました。懐かしいなあ。
 コースの序盤で出る、ASOのふわっと香りが立つきのこのスープが好きでした。

 椅子やインテリア一つ一つに、当時から続く重厚感を感じます。中庭のシンボルツリーは江戸時代から根を張り、樹齢300年だそうで。建物全体が文化財のようなレストランですね。

美食を提供しながらSDGsと環境配慮

代官山のリストランテASOの内観

店内で割れた陶器は植物の肥料として活用(ニッコー株式会社製の特別な陶器)。

 一方、創業当時と違うのはこうした持続可能な取り組みも行なっているそうで。

 店内で割れた食器やワインのボトルを抜いた後のコルクは、捨てずに再活用されています。食器は植物の肥料に、コルクはおもちゃや生活用品に生まれ変わるそうです。

代官山のリストランテASOの内観

店内で抜栓したワインのコルクも再活用(東京コルクプロジェクト)。

 私も2016年からサステナブルフードの取材執筆を行なっていますが、今や「美食と環境配慮の両立」は大手のレストラン企業でも、単独の高級店でもどこでも当たり前になっていますね。

 ミシュランガイドにも2021年からグリーンスター(環境配慮に取り組む店の認証)が登場しています。

ASOのカフェでワインとアンティパストを

カフェ・ミケランジェロの料理の画像

カフェ・ミケランジェロの新しさと伝統を取り入れたアンティパスト。

カフェ・ミケランジェロの店内の画像

ASOよりややカジュアルながら、本物感は同様の「カフェ・ミケランジェロ」の店内。

 そしてASOと言えば、店舗の旧山手通り側、お店の前部分が「カフェ・ミケランジェロ」というオールデーカフェになっているのが特徴。

カフェ・ミケランジェロの料理の画像

(手前右から時計回りに)ゼッポリーニ、ピンサ、小海老とブロッコリーのアリオリオマリネ、カポナータ、キャロットラペ、田舎風パテ、ズッキーニのフリット、中央は鶏白レバーペースト ※メニュー表記ママ

 この日はカフェ・ミケランジェロの料理を試食。

 野菜や魚介がたっぷり使われた、伝統的なアンティパスト(イタリアの前菜)です。

カフェ・ミケランジェロの料理の画像

イタリア本国で最近ブームの小麦粉を使わないピザ「ピンサ・ロマーナ」。

 ここ2年くらい、出すイタリアンが増えてきました「ピンサ・ロマーナ」。大豆粉や米粉など、代替原料で作るピザ。

 ピザのようにもちっとしていながら、食べ応えや食後感が重くないのが特徴。ワインにも合うし、夜に食べても罪悪感がなさそうでいいですね。

カフェ・ミケランジェロの店内の画像

ヨーロッパのカフェに来たかのような気分に。

 クラシカルで重厚感あふれるASO、ポップだけどヨーロッパの雰囲気そのままのカフェ・ミケランジェロ

 今回のリニューアルイベントで久々に訪れ、いろいろな記憶が蘇ってきました。近いうちにまた来たいです。

 この文化財のような建物とこの貴重な空間での美食体験。若い世代にもぜひ味わっていただきたいですね。

リストランテASO

所在地 東京都渋谷区猿楽町 29-3
電話番号 03-3770-3690
営業時間 12:00~15:30(L.O.13:30)、18:00~22:30(L.O.20:00)
定休日 水曜(祝日の場合翌日振替)
料理 コースのみ8,701円〜(ランチ)、19,888円〜(ディナー)※税サ込
https://www.hiramatsurestaurant.jp/aso/
[2023年9月訪問]

それでは、今日も最高においしい1日を!

 

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