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「人も地球も“我慢せず”楽しく元気にする」次世代型ホテル
食限定の取材歴20年、フードライターの浅野陽子です。昨年末、一人で京都に行ってきました。このときは幸いまだ海外観光客の方々が多くなく、トレンチコートでも快適なほど暖かい時期でした。今回から京都の旅の話を紹介します。この記事では泊まったホテルについて。
京都駅からバスで13分、「四条河原町」で降りてほぼ目の前。京都高島屋にも直結で便利なアクセス。バスを降りると大通りに面して建つ「GOOD NATURE STATION(グッドネイチャーステーション)」の建物が見えます。
関西の鉄道企業、京阪グループの(株)ビオスタイルが2019年冬にオープンした複合商業施設で、建物の4階から9階が「GOOD NATURE HOTEL KYOTO」になっています。
「サステナブル体感型ホテル」ですが、ストイックに突き詰めるのではなく、人も地球も我慢せず楽しく元気する「次世代型ナチュラル志向」がコンセプト。
正面左横のエレベーターでメインロビー階(4階)へ。室内にいながら、森のテラスに来たような中庭に惹きつけられます。東京でこの説明を読んだときはイメージが湧かなかったものの、現地を見て納得しました。
4階から9階まで吹き抜けになった中庭には大きなツリーが立ち、暖炉の炎も暖かそう。まさに都会の中の森という雰囲気。
アメニティは最低限のもののみ導入、エレベーターホールには古材を使用するなど、環境に配慮。しかしどれもカッコいい。「エコだけどモダンでセンス良く」「都会的なのにゆるっと癒される」不思議な空気感が、どんどん居心地良くなってきます。
「都会の森」が楽しめる客室で心身ともにリラックス
客室は、中庭の景色が見えるガーデンビューテラス(33〜36平米)、室内のグリーンが楽しめるボタニカルルーム、広いスイートルーム(50〜90平米)など全141室。
ホテルの洋室ですが、旅館のように客室の入り口で靴を脱いで過ごすスタイル。日本らしさ・京都らしさを表現したというインテリアやしつらいはとても居心地がよかったです。
ベッドとクローク、テーブルやミニキッチンも完備。動線がとても使いやすく、今回は私一人で宿泊しましたが、絶妙なスペース感でした。カップルや小さな子連れのファミリー三人でステイしてもよさそうです。
ところで、最も感激したのはバスルーム!一見普通に見えますが、このバスタブがとにかく最高で(使用前の中の状態を撮り忘れた……)。
お湯をためて体を沈めたときのひじの置き場がちょうどよく、また広い面からしゅわーっと勢いよくお湯が出るシャワーも、本当に気持ちよかったです。
最新のホテルは大体きれいで居心地よいものですが、「こんなに入り心地のよいホテルのお風呂は初めて!」と感動しました。
もう一点、印象的だったのは客室内のホテル専用タブレット。iPadのように普通に検索やYouTubeなども見られますが、コントローラーになっていて、照明やエアコンをベストの状態に操作できるのです。
旧来の電話や枕元のスイッチも便利ですが、なるほど、最新のITツールを活用することで削ぎ落とされてシンプルになり、逆にナチュラル感や非日常感が高まるのだと納得しました。
野菜たっぷり・地元食材を活用、循環型ガストロノミーを堪能
荷物をほどいた後はホテル内のレストランを散策。4階のレストラン&バー「Hyssop」でお茶を。4階はメインロビーのため、オーダーしたものを開放的なロビーのソファ席や、外のテラスで食べることもできます。
ビーガンメニュー中心ながら、ノンビーガン向けの料理(「鶏粥」や「和牛ロースト」など)、スイーツ、お酒もあります。
「いちごのパブロバ」にコーヒーをつけて、カフェタイムを。外がサクサク、中がもちっと焼き上げてある甘いメレンゲに、なめらかな豆乳ヨーグルトとサワークリームとシロップ漬けのいちごなどがセットになったスイーツ。甘酸っぱくていちご感も楽しめます。定番で人気とのこと。
この日は京都に到着後、パワーランチを食べたのでディナーは控えました。
翌朝の朝食は1階のレストラン「ERUTAN」で。季節の野菜や地元食材たっぷりの、華やかで体によさそうなブッフェ料理にワクワクします。有機野菜は農家から直送しているものも。
そして「人も地球も元気にするホテル」をコンセプトに、レストランでは食材のロスもうまく循環させています。ホテルや施設内の飲食店から出た、野菜の皮などの端材を館内のコンポストで堆肥化。それで作った農家のお米や、京豆腐のおからを生地に練り込んだピザも提供。
和食メニューも充実しており、その循環こだわり農法で作られた「えんこう米」(滋賀・近江田園ふぁーむ)、みずみずしくておいしく、おかわりしてしまいました。
また京都の美山牛乳と、美山牛乳のラッテコッタ(パンナコッタの牛乳版)も濃厚、プルプルの口あたりがたまりません。やっぱり旅先では、豪華な朝食ブッフェを存分に楽しむためにディナーは軽めが賢明ですね。
朝食のあいだ、たまたま隣に座られた0歳と3歳の女の子2人連れのファミリーとお話ししました。ここは今回の私のような女性一人旅やカップルなど、大人に快適なサービスが充実していますが、実は小さな子連れ客にも「おすすめホテル」と注目されているとのこと。
レストランでは体にいいものを使っているので安心なことや、客室で靴を脱いで過ごすスタイルも赤ちゃんや子連れにはぴったりと聞き、さらに奥様がエコやリサイクルにも関心があって、インスタを見て横浜から家族で来て、宿泊されたそう。
ゆっくり11時にチェックアウトし、とても癒され、リラックスできた2日間でした。とても便利な立地なので、日中から夜まで京都の街を堪能できて、ホテルに戻ると緑や自然の癒し空間が迎えてくれる、というのも最高でした。
客層を見ていたら、子連れファミリーからカップル(若い世代もシニアも)、私のような女性ひとり客といろいろな方がいて、ゆったり自由に楽しんでいる姿も印象的でした。また京都滞在の時は戻ってきたい、そんなふうに思ったホテルです。
GOOD NATURE HOTEL KYOTO
それでは、今日も最高においしい1日を!
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