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ストイックな我慢はせず、本能的・快楽的なナチュラル志向を
食限定の取材歴20年、フードライターの浅野陽子です。昨年末、一人で京都に行ってきました。前回の記事では泊まったホテル(GOOD NATURE HOTEL KYOTO)について紹介しました。今回はホテルが入る商業施設「GOOD NATURE STATION(グッドネイチャーステーション)」全体をリポートします。
ホテルも含め、サステナブルをストイックに突き詰めるのではなく、人も地球も我慢せず楽しく元気する「次世代型ナチュラル志向」がコンセプト。
去年の秋に東京で行われたメディア向け発表会に参加し、現地に足を運んで、その意味がわかりました。
自然を意識した発酵食品や地元食材が買える「ゆるおしゃれ」マーケット
関西の鉄道企業、京阪グループの(株)ビオスタイルが2019年冬にオープンした複合商業施設で、1階から3階がカフェやレストラン、ショップ、4階から9階がホテルになっています。ホテルの宿泊客でなくても誰でも利用可能です。
1階の「GOOD NATURE MARKET」には野菜、醤油や味噌、ポン酢などの調味料(自分で手作りできるキットも)、梅干し、GOOD NATUREブランドのレトルトカレー、チョコレート……と、あらゆる食材がぎっしり。
他のメーカーの商品や海外から輸入したおしゃれなパッケージのお菓子、スパイス、缶詰なども並んでいて、食が好きな人は飽きずにずーっと見て、いろいろ買ってしまいそう。
“ナチュラル版”成城石井やカルディ、無印良品(の食品売り場)、といえば伝わりやすいでしょうか?しかし厳格さや押しつけ感がなく「みんなで楽しみながら自然志向でやっていこう」というゆるやかな空気が流れています。
1階では食品だけでなく、ワインやお酒も販売。持ち帰り用に購入できるだけでなく、量り売りのワインバーもあり、マーケットの横にはイートインスペースまで完備!(親切すぎるーー)
イートインスペースは20時まで利用可能。仕事終わりに、マーケット内で買ったチーズやナッツをおつまみに、ここで飲む人も多いとか。
1階のさらに奥にはオールデーダイニング「ERUTAN」(ホテル記事参照)と、パティスリー「RAU Patisserie & Chocolate」があります。アート作品のような、美しいケーキが並んでいました。
ガストロノミーフロアでは、3店舗がミシュラン獲得
2階はテナントのレストランが入る「ガストロノミーフロア」。鉄板焼きやイノーベティブやモダンチャイニーズ、中華そば専門店などが5店舗。
レストランフロア5店のうち、3店舗がミシュランガイド 京都・大阪2023で、星やビブグルマンを獲得されています。
- 「VELROSIER」2つ星(チャイニーズガストロノミー、完全予約制)
- 「TAKAYAMA」1つ星(クリエイティブダイニング、完全予約制)
- 「鴨だし中華そば ROKU」ビブグルマン
完全予約制の店が多く、スケジュールとの兼ね合いで今回の京都旅では訪問できなかったので、次回はぜひ行ってみたい!
カカオ豆も最後までムダなく、オーガニックコスメも
3階はGOOD NATURE STATIONが運営するショップとカフェ「RAU」のフロア。洗練されたディスプレイに目が引き付けられます。ここで使うチョコレートには、パティシエがコスタリカまで足を運び、選んだ良質で生産現場で働く人にも配慮されたフェアトレードのカカオ豆を使用。
さらに加工の際に出る「カカオハスク(カカオ豆の皮。食べられるのに廃棄されてきた)」を館内では、お茶や食品に二次加工しています。私も食べましたがほんのりコーヒー風味の、カリカリのナッツのような食感と味です。
非常に手間ひまがかかるサステナブルアクション。ただ買い手側には負担なく、まさに楽しく無理なく環境によいことができます。
同じフロアには京都や日本国内で作られる、環境に配慮されたライフスタイルグッズや食器、またオリジナルブランドのオーガニックコスメのショップもありました。使用済みボトルはリサイクル用に回収し(ボトルを返却したらポイントで購入時に反映)、このコスメの製造工程で出た原料も堆肥にするという徹底ぶり。
ナチュラルや環境配慮、というとストイックな雰囲気が漂いがちですが、最初に聞いたコンセプト通りに「我慢せず、楽しく快楽的なサステナブル」を館内全体でおこなっているのを感じられました。館内を訪れた人たちも、にぎやかに買い物やグルメを楽しんでいる様子でした。
京都の四条河原町にあり、高島屋の隣で館内で直結しているという便利な立地。ホテルも最高によかったですが、その下のGOOD NATURE STATIONも、京都一人旅の際に女性がふらっと立ち寄るのにおすすめです!
GOOD NATURE STATION
それでは、今日も最高においしい1日を!
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