フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

“我慢せず快楽的に”ナチュラルに【京都】「GOOD NATURE STATION」の食体験

京都の商業施設「GOOD NATURE STATION」の外観の画像

(c)asanoyoko.com

\新刊『フードライターになろう!』全国書店で絶賛発売中です!/

Amazonのリンクは▶︎▶︎こちら

ストイックな我慢はせず、本能的・快楽的なナチュラル志向を

食限定の取材歴20年、フードライターの浅野陽子です。昨年末、一人で京都に行ってきました。前回の記事では泊まったホテル(GOOD NATURE HOTEL KYOTO)について紹介しました。今回はホテルが入る商業施設「GOOD NATURE STATION(グッドネイチャーステーション)」全体をリポートします。

ホテルも含め、サステナブルをストイックに突き詰めるのではなく、人も地球も我慢せず楽しく元気する「次世代型ナチュラル志向」がコンセプト。

去年の秋に東京で行われたメディア向け発表会に参加し、現地に足を運んで、その意味がわかりました。

自然を意識した発酵食品や地元食材が買える「ゆるおしゃれ」マーケット

京都のホテル「GOOD NATURE STATION」の館内の画像

1階から3階がショップやレストラン、4階以上がホテル。(c)asanoyoko.com

京都のホテル「GOOD NATURE STATION」の館内の画像

GOOD NATURE MARKETオリジナルのポン酢やドレッシングなど。(c)asanoyoko.com

京都の商業施設「GOOD NATURE STATION」の館内の画像

梅干しや自分で作る醤油キットも人気。(c)asanoyoko.com

関西の鉄道企業、京阪グループの(株)ビオスタイルが2019年冬にオープンした複合商業施設で、1階から3階がカフェやレストラン、ショップ、4階から9階がホテルになっています。ホテルの宿泊客でなくても誰でも利用可能です。

1階の「GOOD NATURE MARKET」には野菜、醤油や味噌、ポン酢などの調味料(自分で手作りできるキットも)、梅干し、GOOD NATUREブランドのレトルトカレー、チョコレート……と、あらゆる食材がぎっしり。

他のメーカーの商品や海外から輸入したおしゃれなパッケージのお菓子、スパイス、缶詰なども並んでいて、食が好きな人は飽きずにずーっと見て、いろいろ買ってしまいそう。

ナチュラル版”成城石井やカルディ、無印良品(の食品売り場)、といえば伝わりやすいでしょうか?しかし厳格さや押しつけ感がなく「みんなで楽しみながら自然志向でやっていこう」というゆるやかな空気が流れています。

京都の商業施設「GOOD NATURE STATION」の内観の画像

ナチュラルワインや日本酒も京都産中心に充実。(c)asanoyoko.com

京都の商業施設「GOOD NATURE STATION」の館内の画像

量り売りのセルフワインバーまで完備!(c)asanoyoko.com

京都の商業施設「GOOD NATURE STATION」の館内の画像

ホテルの宿泊客だけでなく誰でも利用可能。仕事帰り、バー代わりにここで飲むのが定番の地元のリピーターもいるそう。(c)asanoyoko.com

1階では食品だけでなく、ワインやお酒も販売。持ち帰り用に購入できるだけでなく、量り売りのワインバーもあり、マーケットの横にはイートインスペースまで完備!(親切すぎるーー)

イートインスペースは20時まで利用可能。仕事終わりに、マーケット内で買ったチーズやナッツをおつまみに、ここで飲む人も多いとか。

1階のさらに奥にはオールデーダイニング「ERUTAN」(ホテル記事参照)と、パティスリー「RAU Patisserie & Chocolate」があります。アート作品のような、美しいケーキが並んでいました。

京都の商業施設「GOOD NATURE STATION」の館内の画像

アート作品のような美しい手作りケーキが並ぶ「RAU Patisserie & Chocolate」。(c)asanoyoko.com

ガストロノミーフロアでは、3店舗がミシュラン獲得

京都のミシュランビブグルマン獲得店「ROKU」の外観の画像

ミシュラン・ビブグルマン獲得の「ROKU」。(c)asanoyoko.com

2階はテナントのレストランが入る「ガストロノミーフロア」。鉄板焼きやイノーベティブやモダンチャイニーズ、中華そば専門店などが5店舗。

京都のミシュラン星付き店「VELROSIER」の外観の画像

ミシュラン2つ星「VELROSIER」(完全予約制)(c)asanoyoko.com

京都のミシュラン星付き店「TAKAYAMA」の外観の画像

ミシュラン1つ星「TAKAYAMA」(完全予約制)(c)asanoyoko.com

レストランフロア5店のうち、3店舗がミシュランガイド 京都・大阪2023で、星やビブグルマンを獲得されています。

  • 「VELROSIER」2つ星(チャイニーズガストロノミー、完全予約制)
  • 「TAKAYAMA」1つ星(クリエイティブダイニング、完全予約制)
  • 「鴨だし中華そば ROKU」ビブグルマン

完全予約制の店が多く、スケジュールとの兼ね合いで今回の京都旅では訪問できなかったので、次回はぜひ行ってみたい!

カカオ豆も最後までムダなく、オーガニックコスメも

京都のホテル「GOOD NATURE HOTEL」内のカフェの画像

ずらっと並んだスイーツが目を引く「RAU」。(c)asanoyoko.com

京都の商業施設「GOOD NATURE STATION」の館内の画像

直置きのディスプレイが斬新で美しい。(公式写真より)

3階はGOOD NATURE STATIONが運営するショップとカフェ「RAU」のフロア。洗練されたディスプレイに目が引き付けられます。ここで使うチョコレートには、パティシエがコスタリカまで足を運び、選んだ良質で生産現場で働く人にも配慮されたフェアトレードのカカオ豆を使用。

さらに加工の際に出る「カカオハスク(カカオ豆の皮。食べられるのに廃棄されてきた)」を館内では、お茶や食品に二次加工しています。私も食べましたがほんのりコーヒー風味の、カリカリのナッツのような食感と味です。

京都「GOOD NATURE MARKET」のカカオ豆の皮を加工した商品の写真

カカオハスクを活用したトッピング。ほんのりコーヒー風味。サラダやカレーにかけると美味なのです。(c)asanoyoko.com

非常に手間ひまがかかるサステナブルアクション。ただ買い手側には負担なく、まさに楽しく無理なく環境によいことができます。

京都の商業施設「GOOD NATURE STATION」の館内の画像

オーガニックコットンのタオルや食器など日本国産の生活小物を扱うセレクトショップ。(c)asanoyoko.com

京都の商業施設「GOOD NATURE STATION」の館内の画像

“根も葉も大事に使う”コスメブランド「NEMOHAMO」(c)asanoyoko.com

京都の商業施設「GOOD NATURE STATION」の館内の画像

使用済みボトルを回収し、ポイント還元しリサイクル。(c)asanoyoko.com

同じフロアには京都や日本国内で作られる、環境に配慮されたライフスタイルグッズや食器、またオリジナルブランドのオーガニックコスメのショップもありました。使用済みボトルはリサイクル用に回収し(ボトルを返却したらポイントで購入時に反映)、このコスメの製造工程で出た原料も堆肥にするという徹底ぶり。

京都の商業施設「GOOD NATURE STATION」の館内、高島屋と直結している渡り廊下のの画像。

四条河原町の中心部にあり館内で高島屋に直結、アクセス抜群。(c)asanoyoko.com

京都の商業施設「GOOD NATURE STATION」の外観の画像

入り口でおこなわれていた「サステナバッグ」のイベント。平日午前中からこのにぎわい。(c)asanoyoko.com

ナチュラルや環境配慮、というとストイックな雰囲気が漂いがちですが、最初に聞いたコンセプト通りに「我慢せず、楽しく快楽的なサステナブル」を館内全体でおこなっているのを感じられました。館内を訪れた人たちも、にぎやかに買い物やグルメを楽しんでいる様子でした。

京都の四条河原町にあり、高島屋の隣で館内で直結しているという便利な立地。ホテルも最高によかったですが、その下のGOOD NATURE STATIONも、京都一人旅の際に女性がふらっと立ち寄るのにおすすめです!

GOOD NATURE STATION

それでは、今日も最高においしい1日を!

<こちらもどうぞ(過去記事)>

asanoyoko.com

asanoyoko.com

asanoyoko.com