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“焼き師”が各部屋に専属し、極上希少部位と近江牛を匠の技で焼き上げる
食限定の取材歴20年、フードライターの浅野陽子です。新宿で焼き肉を食べたリポートです。といっても「いわゆる焼き肉」を逸脱した、異次元の世界でした!
新宿西口のビル11階の「USHIGOR.S(うしごろエス)新宿」。全席完全個室、「焼き師」まで付く最高級業態です。契約牧場(鳥取・田村牧場と滋賀・岡崎牧場)からそれぞれ届く、希少部位と近江牛(日本三大和牛の一つ)を各部屋専属の焼き師が目の前で焼いてくれます。
焼き師による焼き加減はもちろん絶妙。ですがシンプルな焼き肉だけでなく、のり巻きや牛カツサンド、すき焼き風に仕上げて提供するなど、遊び心がありました。「焼き肉のアミューズメントパークや〜!」と叫んじゃうような(笑)しかし肉も料理もすべて上質。
ペアリングも、ワインと日本酒、クラフトレモンサワーも織り交ぜていろいろ出してくださり、素晴らしかったです。
この日体験したのは「Qコース(全14品)」。あらゆる角度から肉の魅力を楽しんで、という思いが伝わってくるコースでした。以下、紹介します。
さっぱりしたゆでタンが、ゆずが香るカブ(聖護院かぶら)のあんに隠れていた柚子釜蒸し。
広げた海苔に黒毛和牛の肉(シンタマ。ウチモモより下にある球状の部位)や子持ち昆布、キャビア、ご飯が乗っていました。海苔も「こんとび」という厳選のもの。
「どうぞ巻いてお召し上がりください」と勧められます。手で食べるのが楽しい!※生の牛肉は正式な許認可を取得すれば提供可能。
牛のたたき(ハラミをたたいて炭火で焼いたもの)、にんじんのナムル、しいたけのグリルなどの野菜たっぷりの前菜が続きます。
「ザ・焼き肉ショー」がスタート。黒毛和牛のタンの一番根元の部分=「タン元(もと)」を分厚くカットしたもので、塩とレモンで食べます。歯応えとうま味たっぷり。ハラミは逆にあっさりで食べやすい。
肉の後はサラダ。むしゃむしゃ食らいついていると、テーブルの上では何か着々と準備が。トリュフも……?
サラダを食べる横で、焼き師が牛カツ(厨房で揚げたもの)、パン、ソースをグリル台で温めてから、ささーっとカツサンドに組み立てて、トリュフをばさばさと。
トリュフって、単体でサンドイッチにするだけで最高なのです(「美味しんぼ」参照)。それにさらにサーロインのカツをプラスして、甘辛いソースで食べる。天国でした。
(『美味しんぼ』92巻 「土に隠れた宝石」にトリュフサンドの解説あり)
その後も焼き肉の豪華変化球。
希少部位の焼き肉で作る「しゃぶしゃぶ」と「すき焼き」。とろけるような舌ざわり、なのに脂がしつこくない。
肉の後に水キムチでリセットし、「御食事」は毛蟹の身と厳選部位(再びザブトン)をたっぷり入れた贅沢土鍋ご飯で〆る。
最後に甘酸っぱいりんごとバニラアイス、カリカリのクランブルの組み合わせ。不思議と入ってしまいます。
全席個室なのでデート、商談、大事な集まりにはぴったりのコース。外国人観光客にもウケそうです。ただ2階以上の空中階にある飲食店は、外国人は見つけにくいので、ちゃんと紹介したいですね。
◆ペアリングしたワイン、日本酒
今回コースのペアリングで飲んだもの。
USHIGOR.S(うしごろエス)[2022年12月訪問]
- 所在地 東京都新宿区新宿3-17-10 HULIC & New SHINJUKU 11F
- 電話番号 03-3341-1129
- 営業時間 月 17:00~23:30、火~金 12:00~15:00、17:00~23:30、土・日・祝日12:00~14:00、16:00~23:30
- 定休日 なし
- 予算 夜24,000円〜
それでは、今日も最高においしい1日を!
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