食限定の取材歴20年、フードライターの浅野陽子です。
西麻布にある「鮨 やま田(だ)」で贅沢な時間を堪能してきました。
西麻布で大阪出身の若い大将がつけ場に立つ
お店は西麻布の交差点からすぐ、広尾まで続く外苑西通り沿いにあります。
最近やたらと注目される?エリア「港区」ですが、東京で生まれ育ったわたしにとっては、港区ではこの西麻布が最も都会的で、大人の遊び場という印象。
電車のアクセスが不便で、ここに来るならバスか、どの駅からもちょっと歩きます。より隠れ家感を出しているんですよね。いいお店も多いです。
階段を降りて地下の店内へ。
全8席(個室もあり)、地下ですが明るい雰囲気です。
つけ場と客席がつながっている、一枚杉の広いカウンターが印象的。
大将は金光将暉(かねみつ・まさき)さん。大阪出身、ご実家も飲食店を営まれていたことから16歳で料理の道へ。大阪の日本料理店と北新地のすし店で修業された後、現職に。31歳のお若い大将です。
18時〜と20時〜の2部制で、18時の回は満席でした。
わたしは20年ほどお世話になっている、仲良しの女性編集者と二人で伺いましたが、わたしたち以外は全員カップルでした。若干目のやり場に困ったり(笑)。
赤酢主体の小ぶりのシャリが上品な握りと、旬のつまみ20品
シャンパーニュ(ジョセフ・ペリエ)で乾杯してから、一斉スタート。おまかせコース(税込27,500円)のみです。
大将がご自身の日本料理店での経験を生かし、握りと旬のつまみを交互に出すのが特徴のコースです。
あおりいかが印象に残りました。 一見、細かく包丁を入れた普通のいかの握りですが、口に入れるとタルタルソースのようにほろっと崩れて、口どけ抜群。
定番の握りの合間に、春を感じるキンメダイの焼き物にふき味噌を添えたおつまみなどがテンポ良くはさまれます。
この間に、身ハマグリの握りもあってさらに春っぽかったのですが、写真を撮り忘れてしまい。
コハダはきりっと美しく、桜蒸しはシャキシャキのうるいも入って、桜の葉の香りがすばらしく、春の王道のお椀という感じ。
ほたてフライの上に乗っているのはオクラと山いもで、山形の「だし」をイメージしたそうです。これもおおーと、印象深かった。
そして、ふわふわの甘辛いアナゴ握りや巻物を楽しみ、最後はさつまいものあんが入った揚げ饅頭の甘味で終わり。
この日飲んだお酒(ワインと日本酒)
この日わたしが飲んだお酒です。
最初の乾杯シャンパーニュの後は、京都の「日日(にちにち)」という日本酒でしばらく通し、その後は白ワインを2種(カリフォルニアとブルゴーニュ)楽しみました。
お酒のセレクションは、魚や料理に合わせ、大将自ら厳選したそう。
一つ一つの仕事が光る、上品で食べ疲れない握り
ウェブの説明では「塩気を控えた、関西風のあっさりとした甘めのしゃりで、最後まで食べ疲れない鮨をご提供」とあり、その通りでした。
シャリは碁石のように小さく握ってあり、これだけ食べてもするっとお腹におさまり、ほどよい満足感で満たされます。
本当においしいものってお腹にドシンと溜まらないんですよねー。
ネタのそれぞれの仕事も光ってました。最初のアオリイカのインパクトから始まり、貝類やアジ、こはだも美しかったです。
だんだん料理人が自分よりひと世代、ふた世代下の方になってきて、ああ、若い感性で握るとこうなるんだー、と感銘を受けた日でもありました。
お若い大将のご活躍も楽しみです。また伺いたい!
所在地 東京都港区西麻布4-2-6 L1stビル 地下1階
電話番号 03-6805-1578
営業時間 18:00~20:00(L.O.19:30)、20:30~22:30(L.O.22:00)の2部制
定休日 月・日曜
予算 おまかせコース27,500円(税込)
鮨 やま田Instagram
[2024年3月訪問]
それでは、今日も最高においしい1日を!
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