フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

食はエンタメ!ミシュラン星付きでも肩ひじ張らずに「鮨 由(ゆ)う」(六本木)

ミシュラン一つ星・極上のネタと空間、でも笑って楽しめる

鮨 由(ゆ)うのすしの画像

(c)asanoyoko.com

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 食限定の取材歴20年、フードライターの浅野陽子です。3月に一人でミシュランのすしを食べてきました。六本木の「鮨 由(ゆ)う」です。

「女性一人でカウンターのおすし食べるって、ハードル高すぎじゃない?」と思う方。一部そういうお店もありますが(笑)ここは問題なしです。

 とにかく大将が気さくで明るい!緊張する必要ナシ。でも極上のネタを、極上のすてきな空間でいただけます。今回はその様子をご紹介!

六本木・ミッドタウンの裏手にある隠れ家

鮨 由(ゆ)うの外観の画像

3段目に店名発見!高級店の雰囲気を醸し出すシンプルな外観にドキドキ。(c)asanoyoko.com

 ネット(一休)で予約を取り、時間少し前に六本木のミッドタウン裏手にある同店へ到着。高級店にありがちな、シンプルな外観にドキドキします。

鮨 由(ゆ)うの外観の画像
鮨 由(ゆ)うの外観の画像
地下にあるため、さらに緊張しながら降りていくと……(c)asanoyoko.com

 営業開始少し前、でもドアは空いています。さらに緊張しながら一人で降りていくと……

鮨 由(ゆ)うの大将の画像

上質な空間で、ラフすぎる大将の尾崎淳さん(笑)。(c)asanoyoko.com

 ……え?

 入店後にこうして迎えられたのではなく「おすしの写真を撮ってもいいですか?」と聞いたら返ってきたポーズです。一気に肩の力が抜けますよね(笑)。

 「ジョブチューン」や朝のワイドショーなどテレビ出演も多く、根っからのエンターテイナーな大将の尾崎淳さん。「お客さまにとことん楽しんでいただく」をモットーに2016年開業。初年度から5年連続でミシュランガイド東京の一つ星を獲得しています。

まさにエンタメ感抜群の高級すし

鮨 由(ゆ)うのテーブルセッティングの画像

昼も夜もおまかせコース一本のみ。(c)asanoyoko.com

 以下、この日食べたものを紹介します。ある年のミシュランの評価は

つまみと握りを織り交ぜたおまかせは、多種多彩な内容が魅力。<中略>発想が新しい一方、握りのネタには古典的な仕事を見せる。

ミシュランガイド 東京2021』より引用

とあり、まさにエンタメ感抜群のラインナップでした。

鮨 由(ゆ)うの前菜の画像

生クリームと牛乳を吉野葛でまとめた「胡麻豆腐」(左)/沖縄県産のもずく(右)(c)asanoyoko.com
鮨 由(ゆ)うの前菜の画像
わかめを自家製ポン酢で(左)/御造りは青森産ヒラメと愛媛産シマアジを炒り酒で(c)asanoyoko.com
鮨 由(ゆ)うの前菜の画像
「ハマグリの茶碗蒸し」に聖護院カブのすり流しがかかり、とろけるような口当たりでした。(c)asanoyoko.com

 最初の前菜4品は手がかかっていながらも、体に良さそうなものばかりで、内臓がほっと癒されながらのスタートに。

鮨 由(ゆ)うの前菜の画像

焼き物「太刀魚のねぎま」。(c)asanoyoko.com

 そして香ばしい焼き物をつまんだあとは、怒涛の尾崎劇場が繰り広げる、エンタメすしのコースが開演!

鮨 由(ゆ)うのすしの画像

名物で商標も取得した「プリン巻き」。あん肝とキュウリ、奈良漬を巻いたもの。(c)asanoyoko.com

鮨 由(ゆ)うのすしの画像

北海道産毛蟹、バフンウニ、静岡産キャビアと贅沢素材を集めた「港区巻き」(商標取得)。(c)asanoyoko.com
鮨 由(ゆ)うのすしの画像
鮨 由(ゆ)うの大将の尾崎淳氏の画像
演出やネタ使いはまさに劇場。「好き嫌いは分かれますが、食は楽しんでいただきたい」と。(c)asanoyoko.com

 あん肝と奈良漬を巻き、プリン体が上がりそうな名物の「プリン巻き」に、北海道毛蟹にバフンウニ、キャビアを巻いた「港区巻き」など派手な巻物が登場。

「ジョブチューン」の番組出演時と同じ、合格札を上げながら出してくださり、エンタメ感がすごいです(笑)。味は見た目通り、ザ・贅沢をそのまま頬張れて最高です。

「このスタイルを大好きと言ってくださる人と全くダメな方、評価は真っ二つです。でもやっぱり食は楽しんでいただきたい、という思いが僕にはあって……」と笑う尾崎さん。カウンターに並んだお客さん同士は大盛り上がりで、一体感も生まれていました。

鮨 由(ゆ)うの前菜の画像
「ごま油で焼いた青海苔入り卵焼き」/揚げたての高糖度の芋(べにはるか)。(c)asanoyoko.com

 その後は少し甘口の箸休めをはさみ、いよいよ握りへ。

鮨 由(ゆ)うのすしの画像

名物の身を湯引きした春子鯛(かすこだい)。(c)asanoyoko.com
鮨 由(ゆ)うの握りの画像
鮨 由(ゆ)うの握りの画像
コリコリの食感が楽しい「シロイカ」と、半生に煮たホタテをほぐし炙った「煮ホタテ」。(c)asanoyoko.com

 握りの前座として名物の春子鯛やシロイカを楽しみ、マグロ尽くしへ。

鮨 由(ゆ)うの握りの画像
鮨 由(ゆ)うの握りの画像
メジマグロに刻んだ大葉とごまを和えた軍艦と、本マグロの赤身。((c)asanoyoko.com

鮨 由(ゆ)うの握りの画像

中トロ。(c)asanoyoko.com

  同店のシャリは山形県の「つや姫」を赤酢と塩だけで仕立てたもの。少し茶色がかった、酸味を感じるシャリが、シンプルなネタと重なるといい具合です。

鮨 由(ゆ)うの握りの画像
鮨 由(ゆ)うの握りの画像
「フグの白子」と「ウニの軍艦」。(c)asanoyoko.com

 握りを次々と堪能している間に、追加で選べるオプションについて聞かれ、「フグの白子」と「ウニの軍艦」をお願いしました。

鮨 由(ゆ)うのすしの画像

(c)asanoyoko.com

 トラフグの白子に醤油をぬって香ばしく仕上げた下に、シャリが少しだけ隠れていました。スプーンでリゾットのようにまぜて食べるこれが、おいしくて!

 ウニ軍艦は年に一回だけとれるという、宮城産のムラサキウニミョウバンを使っていないので、臭みゼロの濃厚な口当たりは最高。

鮨 由(ゆ)うの赤だしの画像

赤だし。(c)asanoyoko.com
鮨 由(ゆ)うのすしの画像
鮨 由(ゆ)うのすしの画像
コハダとマグロのいろいろな部位を合わせた巻物。(c)asanoyoko.com
鮨 由(ゆ)うの卵焼きの画像
鮨 由(ゆ)うの卵焼きの画像
卵焼きは芝エビのすり身入り。(c)asanoyoko.com

 そしてコハダにマグロの巻物、最後は芝エビのすり身入り、というケーキのような上品な卵焼きで終わり。

この日飲んだお酒

 この日飲んだお酒を紹介します。「酸味が高めの日本酒が好き」と私の好みを伝え、尾崎さんにセレクトしてもらったもの。

 3つめのワインだけは限定品で、マグロの握りと合わせてみては、と勧めてもらいました。

鮨 由(ゆ)うの日本酒のボトルとグラスの画像

秋田・刈穂酒造の「刈穂 春 kawasemi」。(c)asanoyoko.com

鮨 由(ゆ)うの日本酒のボトルとグラスの画像

秋田・新政酒造の「陽乃鳥」。(c)asanoyoko.com

鮨 由(ゆ)うのワインのボトルとグラスの画像

マグロの握りと合わせた限定のルイ・ヴィトンの赤。(c)asanoyoko.com

 お腹いっぱい、上質な空間でしたが気を使わず楽しく、心から満足した女一人ずしでした。

 実は昼のコースは3月中まで22,000円で提供し、値上がり前に駆け込みで予約が取れてラッキーでした。若いカップルが2組もいてびっくり。

 一人すしに挑戦したい、店主のうんちくよりもまずは楽しんでおすしを楽しみたい、という方、一度訪れてみては。

鮨 由(ゆ)う

所在地 東京都港区六本木 4-5-11 ランド六本木ビル B1
電話番号 03-3404-1134
営業時間 17:30~23:00(金・土のみランチ12:00~14:00も不定期開催、要確認)
定休日 日・月曜を中心に月8回休み(要確認)
予算 コース(27,500円・税込)のみ

https://www.instagram.com/sushi__yuu/

[2023年3月訪問]
一休でこのお店の予約・情報を見てみる

それでは、今日も最高においしい1日を!

 

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