「すべての人にやさしい社会の実現を」シェフのチャリティーランチ
食限定の取材歴20年、フードライターの浅野陽子です。
「すべての人にとって、やさしい社会を実現させたい」をテーマに3月21日(日・祝)、青山一丁目の話題のレストラン「The Burn(ザ・バーン)」でチャリティーランチイベントが開催され、行ってきました。
開催日の3月21日は「世界ダウン症デー」。NPO法人・PURPLE HEART PROJECTSの岡田典子代表と米澤文雄シェフ、中島弓子さん(フィロセラピー・プロデューサー/難病の家族を支援)が、トークショーとランチイベントを行いました。
イベントのテーマは「すべての人にやさしい社会の実現」。岡田代表が支援するダウン症ランナー(2024年開催のホノルルマラソン出場決定)の、田口海(たぐち・かい)さんの資金準備のためのチャリティーです。
ランチ代は一人税込10,000円。主旨に賛同したゲスト60名が集まりました。この売上から実経費を抜いた分が、田口さんに寄付されます。
米澤シェフは22歳で単身渡米し、ニューヨークで12年ミシュラン連続三つ星獲得のモダンフレンチで日本人初のスーシェフ(副料理長)就任。
帰国後もさまざまな名店でエグゼクティブを務め、『ミシュランガイド東京』では4年連続一つ星、越後妻有「大地の芸術祭」のオフィシャルシェフでもあり、大活躍です。
メディアでは料理人としての華やかな経歴が多く取り上げられていますが、ダウン症の実弟がいることで、障がい児の家族への食事提供や小学校での食育、海洋資源の保護活動など、食を通じたボランティア活動にもに多く携われてきました。
ランチ前のトークショーでは、だいぶヤンチャだった?という学生時代のエピソードと合わせて弟さんの話もされ、会場から笑いが起きる場面も。とてもフランクなお人柄が伝わってきました。
ランナーの田口さんと、元巨人軍選手のアレックス・ラミレスさん、ダウン症患者として2020年に世界初のアイアンマンレースを完走したクリス・ニキッチさんもビデオで出演。
ラミレスさんはご長男がダウン症で、難病児への活動支援団体を立ち上げられています。その後、小児科の竹田周吾医学博士が最新のダウン症研究についてのお話をされました。
トークセッション後はビーガンランチを堪能
トークセッションの後は、ビーガンメニューのランチが提供されました。前菜が野菜だけと思えないうま味と食べ応えたっぷりで、さすが米澤シェフ。2品目のリゾットも、味わい深かったです。
健常な自分の日常が当たり前だと思い、忘れがちな社会全体への配慮。シェフのおいしい料理をきっかけに、いろいろなことに気づけた貴重な機会でした。
そして「著名シェフの料理」という要素が一つ加わることで、チャリティーイベントの存在感も際立ちます。ヨーロッパではシェフが社会的な活動や発信をされることも多く、日本でもこうした動きが広がればいいな、とも感じました。
「まずは、こういう取り組みが行われていることを世の人に知ってほしい」と言われていた主催者の思いを伝えるべく、今回の記事をまとめました。
障がい者のスポーツ競技参加支援「EAT SWEAT HAPPY」やシングルマザーの独立支援、殺処分になる犬の保護活動などを行う。
https://purple-heart-projects.com/
それでは、今日も最高においしい1日を!
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