食限定の取材歴20年、フードライターの浅野陽子です。
毎年3月に行われる食の大きなイベント「FOODEX(フーデックス) JAPAN」に今年も行ってきました!今回はそのレポートをお届けします。
半世紀続くアジア最大級の食のイベント
FOODEX(フーデックス)は毎年3月第一週に東京で行われる、食のイベントです(日本能率協会主催)。
最初の開催は1976年だそう。
今年の来場者は4日間で76,000人、出展者は86カ国の国と地域からで(公式ウェブサイトより)、アジア最大級の食の展示会です。
ずっと幕張メッセで開催されてきましたが、ここ最近はビックサイトに変わっています。
本当は食の業界関係者限定の、ビジネスイベントなんですよね。
しかし食の展示会なので、フード・ドリンク(お酒含む)ともに、めちゃくちゃ試食が多い。華やかで楽しい。
なので以前は試食目的の一般の人もまぎれ込んでいましたが(笑)、年々ものすごく入場時のチェックが厳しくなっています。我々マスコミ関係者も、とても細かく聞かれるようになりました。
海外ブースと国内ブースに分かれる
FOODEXでは今までは、大きく分けて海外パビリオンと国内パビリオン、そしてその年のテーマもの、というエリア構成でしたが、今年は圧倒的に海外のものが多かったですね。
わたしが最初にFOODEXを訪れたのは1999年(!)、まだ出版社で会社員をやっていた20代の頃。
会場全体からわき上がる、「ザ・海外」の空気感と、海外の空港に降り立ったようなにおいに、「わあー、この会場で歩きながら世界一周できる!」と感激したものです。
FOODEXの海外パビリオンは、その前年に起きた日本の社会現象を如実に反映してて、面白いのです。
スタバやタリーズが「サードプレイス(家でも職場でもない、第3の居場所)」とトレンドになった年は、コーヒー豆の産地のブラジルや南米勢がパビリオンを広げ、韓流ドラマが人気の年は韓国がド派手に出展し、コロナ前は台湾がすごかった(志村けんがPRしてた頃)。
流行りがこんなに食に現れるのは、日本という国の特徴なのかなー。お祭り大好き、という日本人の国民性もありますよね。
会場を歩くとこんな雰囲気です。
海外パビリオンでの試食
海外パビリオンで食べたものも紹介します。個人的にイタリアが大好きなので、どうしてもイタリア多めですが……
イタリア産のイタリア品種のお米で作ったリゾットや(実はイタリアはお米の名産地)、パブリカのこんなおいしいおつまみを試食したり、長く食の取材をしてきた身ですが、まだ発見があります。
わたしは小・中学時代を海外で過ごしたのですが、子どもの頃、オーストラリアでさんざん食べたミートパイの試食もあり、嬉しかった!
お母さんの味もそうですが、食べ物っていろいろな記憶を呼び起こしますよね。
日本パビリオンへ
そして海外パビリオンを抜けて、今度は日本エリアへ。
以前は日本パビリオンは、たんに名産品を紹介する「おらが村PR」的な見せ方でしたが、今年はどこもイン&アウトバウンドを意識したプレゼンをされてました。
そりゃそうですよね、今売らんでどうする!というご時世。
日本の食材や料理が、おいしくて品質はいいのは世界の人々に伝わっているので、それをどうやって、おいしい状態で海外まで届けるか、ということが課題になってました。
国内マーケット向けには冷凍一強
そして国内のマーケット向けには、冷凍食品にどこも力を入れていましたね。
みんな忙しくて疲れて夕飯やお弁当を作る体力がない、でもおいしくて体にいいものを食べたいし、家族にも食べさせたい。
そういう日本の社会全体のニーズに応えるのは、もう冷凍食品しか勝たん!というアピールを感じました。
冷凍技術も上がって、レンジでいろいろ考えずにチンしても、とてもおいしいものがいつでも食べられる。
もう自炊という習慣自体、とても贅沢で過去のものになりつつあるのかもしれない。
いろんなことを感じましたね。
今回は長めに書いてしまいました。
それでは、今日も最高においしい1日を!
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