フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

いろんな種類と形がある「フードプロセッサー」の使い方②(クイジナートとキッチンエイド編)

前回に続き、フードプロセッサーの話。食の世界ではバーミックスと同じくらい認知度が高い「クイジナート」編です。あと「キッチンエイド」についても少し書きます。アメリカの高級ブランドのFPです。

前回の記事はこちらを。

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大小サイズ選びに非常に悩むクイジナート

クイジナート

もうクイジナートは私にとっては救世主…料理人生で「クイジナート以前」と「以後」は別の時代。そのくらいできることが広がりました。

「だったらFP初心者はクイジナート一台でいいんじゃないの?」と思うでしょうが、スープやジュースはバーミックスの方が圧倒的に早い。あとクイジナートはサイズのバリエーションが豊富で、一台めにどの大きさを買うか、すっごく悩むのです。

小さいクイジナート「ミニプレッププロセッサー」の衝撃

私のFP歴で、一番最初に買ったのが前回書いたバーミックスですが、得意な作業が限定されるので、総合的にいろいろできそうなクイジナートがほしくなってきました。

しかしクイジナートは大中小いろんなサイズがあり、値段もちがいます。買った人はネットでそれぞれ「いい!」とコメントしてるのでまた悩み…しかしラッキーなことに、ある結婚式の引き出物(カタログギフト)にミニプレップを発見!一台めはこれだ!と決めました。

クイジナートミニプレッププロセッサー

ついにやってきた初クイジナート!使ってみて、玉ねぎやにんにくのみじん切り、タルタルソースのまぜ作業、トマト缶をペースト状にするなど、あまりにも簡単に、秒速でできてびーっくり!!

シフォンケーキ

さらに感動したのは、苦手だったお菓子作りが急激にレベルアップしたことです。シフォンケーキは毎回完璧にできるようになりました。

「フードプロセッサーでなんでシフォンケーキが作れるの?」とよく聞かれるので、以下にくわしく書きますと…

メレンゲの泡立て

シフォンのふわふわの生地には、卵白の泡立て作業(メレンゲ作り)が必須で、それは電動ミキサーでしかできないので従来通りやります。こういうやつ↓FPは「刃」しかないので、メレンゲは難しいんですね。 ドリテック ハンドミキサー スピード5段階切替 / 電源コード、ビーターが収納できるケース付き ホワイト HM-703WT

しかしメレンゲとは別に作っておく「卵黄を混ぜて作る生地」は、電動ミキサーでもクイジナートでもできる。

ハンドミキサー

この卵黄まぜ作業は手動でできますが(泡立て器を手でひたすらシャカシャカする)結構大変。上のように↑電動ミキサーでやると早いけど、卵黄の後、ミキサーを洗って完璧にふいて卵白を泡立てて、と手際よくやる自信がなく(卵白はミキサーが汚れたり、水気があるとうまく泡立たない)…毎回迷いつつも、手動でやって疲れ果てていました。

でも卵黄生地はクイジナートでさーっと仕上げ、メレンゲは電動ミキサーで作り…と分業できるようになって、ラクで。

またクイジナートの高速の刃で、バターが冷たいまま素早く作業しなきゃいけない、パイ生地もすごくうまく作れるのです。お菓子に自信が出て、持ち寄りパーティーやおみやげで持っていくレシピも増えて、私には革命でした!

この本に、FPでお菓子の生地を仕上げる方法がくわしく書いてあります。本の中で使っているFPはクイジナートではないけれど、かなり参考になります。

そしてクイジナート(大)がどうしても欲しくなり…

と、クイジナートのミニプレップに心酔していたのですが、ミニプレップはモーターが弱く、容量も小さいので、パンやピザ生地を強くこねるとか、餃子パーティー用にキャベツを大量にきざむという大作業ができません。

クイジナート

考えに考え、2年後に当時の最大容量の「クイジナートDLC8PLUS2」(2.3L)を4万円ちょっとでネットで買いました。クイジナートの大きいタイプは、1L〜1.9Lなど容量別にいろいろ種類があり、かなり迷いましたが「大は小を兼ねるだろう」と決定。

キッチンのスペースがない人にはこれより小さめでもいいと思いますが、これは容量もパワーも完璧。

ミニプレップとはできることの範囲が格段に違うので、大きいクイジナートがない生活ももう考えられないです。作れるお菓子もさらに幅が広がり、大量にも作れるようになりました。

この記事にやり方も一度書きました。

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しかし購入前に収納場所はよく検討すべき

難点は、大きいので収納場所に困ること。スタイリッシュなので最初は出しっぱなしにしてたのですが、そんなに広くないキッチンに、炊飯器ともう一台並べているような場所の取られ具合になり、戸棚にしまうようにしました。

すると、私のは最大サイズで重いので、必要なときに「またアレ出すのか…」とややうんざりします。キャベツを超高速でみじん切りにするラクさと、ずしっと重いFPを「出してまたしまう」大変さと、毎回どっちを取るか考えますね…

 

日本ではクイジナート用のツールがない

ミニプレップも大きいクイジナートも便利な道具ですが、わかったのは日本には「これをよりよく使いこなすためのツールがない」ということです。

餃子のあんやお菓子の生地を作ると、刃やカップの隅に、生地がたまって結構な量がくっつきます。それをこそげて取らないともったいないので、付属のヘラでがんばって取るのですが、弱かったり、ヘラの角度がいまいちで取りにくい。

クイジナート

クイジナート

それをうまく取るためのヘラを、キッチン小物専門店や、合羽橋でもさんざん探したのに見つからず…最終的に「これはぴったり!」というモノに出会えたのは、アメリカの生活用品店でした。

手前がアメリカで買い足したヘラ、奥がクイジナートの付属のヘラ。見た目は似てますが、角度や手に持った時の大きさがアメリカのヘラの方が断然使いよく「やっぱり昔からFPを使いこなしてきた国は、ツールも合わせていろいろ揃えているのかな」と思ったものです。ずいぶん昔に買ったから、だいぶ年季入ってますがこれがないと大変。

アメリカ(ハワイ含む)にはCrate & BarrelとかPottery BarnWilliams Sonomaなど、おしゃれなライフスタイル小物のチェーンや単独店が結構あって、日本にはないいい調理道具が結構見つかります。

家具もめちゃくちゃおしゃれです。20代の独身時代、NYで店舗を見たときはため息が出ました。結婚後、ソファや棚を買うときは何回もこのサイトを見たり、NYに住んでいる友達にカタログをもらったりして、まねしようとしてたなあ…(そもそも家の広さがちがうので、大物家具は参考にならない)

crate&barrel

Crate&Barrel

potterybarn

POTTERY BARN

アメリカのFPと言えばキッチンエイド

キッチンエイド

そしてこれは昨年、日本での新商品発表会で見た「キッチンエイド」。アメリカの老舗高級ブランド・フードプロセッサーです(写真は9KSM3311Xシリーズ、3.3L)。

キッチンエイド

「スタンドミキサー」という名前だけど、アタッチメントを変えると野菜カッター、ジューサー、パスタメーカー、泡立てマシンなどいろんな道具に変わる総合多機能FP。料理研究家マカロン由香さんが、肉を挽いたり手打ちパスタを作ったりプレゼンテーションをされて、

キッチンエイド

キッチンエイド

私たちメディアも野菜をカットしたり、使用体験しました。かわいいいしめちゃくちゃ便利。最強のフープロだと思いました。

キッチンエイドを厨房で使っているシェフやパティシエは多いので、取材で何度も見たことがあり…これが家にあれば、助手一人雇うのと同じだろうなー。しかし定価73,980円(*´Д`)…あと据え置き型なので、出しっぱなしできるスペースが必須です。すごい欲しいけど。

*フープロ、一台持つと料理人生が激変します*

またもすごい長編になってしまいました…しかも2記事(^^; で、どれがおすすめかまとめると、私の個人的意見としては、初心者がおためしで一台めに買うなら「ミニプレップ」です。Amazonなら5000円ちょっとで買えるし。おためしと言える値段じゃないけれど。

Cuisinart ミニプレップ プロセッサー DLC1JW
Cuisinart (クイジナート) 売り上げランキング: 130,034

さらにもっといろいろなことがやってみたい人は、作りたい料理・予算・置き場所(←これ重要)をよく吟味して、自分のキッチンに合うものを一台買い足せばいいんじゃないでしょうか?でもミニプレップ一台あるだけで、本当に料理はラクになりますよ!

前の記事はこちら。

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