伊豆高原にある創業50年の老舗高級旅館、「坐漁荘(ざぎょそう)」さんでの“ティーペアリング”というイベントにご招待いただきました。 昨今の健康志向やノンアルドリンクを好むお客さんが増えて、ワインでなく「お茶」と料理をマリアージュさせるのが、飲食業界の新トレンドだそうです。お酒じゃないと物足りないんじゃ・・・と思ったものの、意外とそうでもなかったんです!
東京から特急・踊り子に2時間乗ると「伊豆高原」駅
特急で2時間ゴトゴト揺られると、そこはリゾート地であった! この日は日帰りだったので、一眼レフだけ抱えてあとは軽装で来ちゃいましたが、東京から来ると別世界!
ここが「ABBA RESORTS IZUー坐漁荘」の本館。 ・・・なんですが、旅館全体のくわしい説明は後ほど別の記事で\(^0^)/
坐漁荘のフレンチダイニング「やまもも」
坐漁荘の本館正面からくるっと後ろを向くと、またもリゾート気分になる建物が。 今日のティーペアリングの会場となるホテルのフレンチレストラン「やまもも」だそうです。 一般参加のお客さま(満員御礼)に混じり、われわれメディアチームも着席。 客席の横には茶室もあります。海外のお客さまに特に好評だとか。 会場正面にずらりと並んだワイングラス… でも今日はワインじゃなくてお茶!(冷茶) シンプルな煎茶もあるし、ほうじ茶をスパイスと一緒に抽出して風味を付けたものなど、さまざまな“変わり茶”も。一体どんなマリアージュになるんだろう?!
ティーペアリング開始!
「はじまりの一服」 一杯目はほんのり温かい薄茶。新しい場所と人で、まだ緊張している体にじわっとしみます。 以下、いただいた順に。
「碾茶(てんちゃ)でマリネした富士山サーモンと西伊豆産鰹の塩辛クッキー」×「ほうじ茶+葡萄酢のスパークリング」 サーモンは見た目どおりの味とむっちりした食感でとてもおいしかったのですが、 このぶどうの香りがついた、ほうじ茶がサーモンに合うし、とてもおいしくてびっくり。
「とうもろこしのブルーテと黒アワビ コンソメジュレ」×「抹茶玄米+トンカ豆」
「ブルーテ」とはピュレよりやわらかく、ソースよりは固めに仕上げたもの。
また二品めも、おもしろい器におもしろい料理をサーブしてくださってます。スコップ状のスプーンで、やわらかいピュレ状のとうもろこしをすくい上げながらいただきます。でもその上にはカリカリした緑色のフレークが散っていて「ほうれん草のクッキーです」と!おいしくて楽しい!
ペアリングしたお茶は、この「トンカ豆」という杏仁豆腐のようなフレーバーがする豆で香りをつけたもの。色も味も、料理にぴったり。
「新ごぼうとサマートリュフのフラン」×「煎茶」 フランと合わせたのは2017年の新茶。シンプルでおいしかった。 と、ここでパンとバターがでてきたのですが、
なんとバターにも抹茶が練りこんであるそうで! 「夏のウリと穴子のスモーク」×「ほうじ茶+バラ+ハイビスカス」 ほんのりバラの香りがする(でも香水のようなしつこさはない)、赤いお茶。
「青鯛の雲丹焼きとたたきオクラ」×「冠茶(かぶせちゃ)+レモングラス」 「富士金華豚の低温ロースト」×「ほうじ茶+マローブラック+ピーチメルバ」 結構食べているのに肉がするっと収まるのが不思議。このメインは女性に人気でしたねー。
そしてふたつ前の、魚と合わせたほうじ茶よりも一段パワフルに仕上げてあり、ワインで言うとミディアムボディ→フルボディに上げたようで、またびっくりでした!
最後は「チョコレートと柑橘を使ったデザート ローズマリーとパッションフルーツのソルベ」 これは普通にコーヒーまたは紅茶で。こってり濃厚な甘さとキーンと酸味の効いたシャーベットの組み合わせが秀逸でした。
ティーペアリングでノンアルドリンカーにも楽しみを
山本晋平シェフよりご挨拶。ティーペアリングは、「日本茶の価値をもっと高めたい」という思いで今年2017年の7月に開始した新サービスだそうです。 ワインや、その他のお酒はいろいろな種類があり、料理とのマリアージュ提案も細かくされているけれど、「ソフトドリンク」というとオレンジジュース、ウーロン茶、コーラ、などお決まりの少ないラインナップしかない。それを変えたい、という思いも含まれているとのこと。
お酒じゃなくても十分満足できる(と思った)
部類のワイン好き(しかもなかなか酔わない(^^;)としては、正直「お酒のないフレンチのフルコースに、最後まで耐えられるのだろうか…」という不安が最初ありましたが、最後まで体験すると本当に満足してびっくり。
お茶がバラエティに富んでいて、しかも料理にもそのお茶のエッセンスが少しずつ入っていて、探しながら食べるのが毎回楽しいからでしょうね。まさにマリアージュの本懐。 でもワインのフレーバーや料理とのマリアージュには、伝統的に「合う」と言われてきた定番ルールのようなものがあるけれど、お茶はそれを一から考えるから複雑だし、大変だと思います。一つずれるとめちゃくちゃになったり、頭がこんがらがりそう。整理して最適な組み合わせを提案するのは、すごいと思います。
飲食業界はいま、「健康」が必須のキーワード
あと前回「赤坂バル」に行った記事でも書きましたが、いま飲食業界は「健康」がキーワード。日本人のワインの消費量が右肩上がりで増えているなか、あえて「ノンアル」を提案するのもとても新しいと思いました。伊豆高原だから車で訪問する人も多いし、お酒を飲まず、お茶だけでヘルシーに通す、というのもいいですよね。 ご招待くださった関係者の皆様、ありがとうございました<( )><( )>
ティーペアリングは一般のお客さまでも食べられます。宿泊せず、レストランだけでもOKだそうです。詳しくはホテルにお問い合わせを。
「 ABBA RESORTS IZU-坐漁荘」 http://zagyosoh.com/ ※館内は12歳未満の子供は入館不可。ですが、7-8月、10月、クリスマスシーズンなど一部入館可能になる時期もあります。 詳しくはこちらの「子供は泊まれますか?」をご参照のこと。