前回に続きまたカメラ話で恐縮です。「神対応」って言葉が変な造語の代表格みたいで苦手だったのですが、その言葉を体感するカメラまわりの事件が2つも起きたときの話です。
知名度は低めだが評価は高い
一眼レフカメラはボディ(本体)とレンズを別々に買います。「ボディ+標準レンズ」にするのが王道ですが、私は撮るのが料理写真中心なので、最初は「ボディ+単焦点レンズ」を書いました(詳しくは前回の「美しい料理写真は誰でも撮れる。『グーッと寄って、にっぱち、自然光』、そしてグラビアカメラマンになりきる」を)
しかしやっぱりズームの効かない単焦点は限界がきて、その後標準レンズを買い直しました。ボディはキヤノンですが、レンズに選んだのは「シグマ」という神奈川県にある国産のメーカー。家電店で相談したら店員さんが「レンズだけならシグマがいいですよ」と推していたのです。
シグマレンズはキヤノンより安い。よく知らなかったので、いろいろ調べました。すると「故障した時の対応がシグマは神」と結構出てくる。へえ、と軽い気持ちでシグマに決定。私が買った時は3万円台後半でした。
買ったのはこれです。最初は家電店で見たけど、断然安かったのでAmazonで購入。教えてもらったのにすみません。
そして事件!
シグマレンズ購入後、1回だけ仕事で使い、父や妹一家との旅行に「子どもたちをスマホじゃなく一眼レフでかわいく撮ってあげよう」と旅先まで一眼レフを持参。しかし小さい子ども連れの旅行はすべてがはちゃめちゃになりがちで、分厚い頑丈な布カバーをつけたまま、一度コツッとカメラを落としてしまいました。
落としたときの衝撃音が軽かったのと、急いでいたので「まあ大丈夫でしょ」と放置。翌日「あ、あの子たち撮ろう」と、カメラを取り出したら、
キラキラキラ〜と山の風景に美しくクリスタルパウダーが舞い…
って、買って一回しか使ってないレンズ、粉っごなヽ(`Д´)ノ
頭ボー然。よく見ると粉々なのはレンズフィルターの破片(レンズにはめておく透明な「ガラス製のカバー」)。でもレンズ本体は砕けてないけど、レンズの外ぶたとレンズ本体の間で、この粉々が散乱していたので、レンズ本体に傷がついてないわけがない…ずどーん。
とりあえずそのまま戻し、気持ちヨレヨレのまま東京に帰ったのち、「まずは修理に出してみよう」と手続きしました。シグマは修理の申し込みがとてもわかりやすいのです(こちらのサイト)。
ちなみに「レンズフィルター」はこれ↑↑レンズと一緒に買って、使う前にすぐはめるのが基本。指紋やひっかき傷がついても、こっちを替えればいいだけなので痛手が少ない。値段はレンズの1/10くらい。どのメーカーもあまり差はないです。でも単焦点は6年使って一回も無傷。
粉々が無傷かつ無償
修理に出して翌営業日にすぐ「修理、承りました!レンズを拝見し、追って修理担当者からご状況を説明します!」と連絡が来て、その翌日には修理担当窓口から電話。結果は
「調べましたが、特に異常がないので細かい破片のみ掃除し、レンズ表面の塗装を施して送料当社負担ですぐ発送します」←神対応w(゚o゚)w
びっくり。感動(T_T) 買ったばかりですぐ傷つけちゃったものがどうなるか、取材も近々あるので結果だけ知っておきたい。連絡の敏速さも素晴らしいし、さらに「点検して掃除して再塗装して送料無料で即配達」って、製品に問題があるんじゃなく自己都合の事故なのに、送料込み全額メーカー負担って、泣けます(>_<)
電話の翌日、丁寧に梱包されたレンズが速攻送られてくる。
開封して涙ですよ(T_T) 一連の作業に、実コストいくらかけているのだシグマさん…これからずっと愛します。
個人のシグマユーザーのブログを見ると、結構そんなエピソードが書いてある。海外出張前に私のようにやらかしちゃって、レンズに故障が起きたのに、直接持ち込んだら緊急対応で1日で完治させたとか。すごいなあ。
そして、もう一つの事故と神対応(今度はパナソニックの話)
もう一つのカメラまわりの神対応は、SDカードの事故です(どんだけ軽率、、、)。パナソニックの対応に感動しました。
SDカードは何枚も持っていますが、ある取材でカメラに入れていたSDカードが、たまたまちょっと前(使用後5〜6年)くらいのものでした。
SDカードって踏んだりたたいたりしない限り、基本的には壊れない。写真のデータも中にずーっと残ってますが、横の「LOCK」のツメ部分だけ弱くなるのです。長く頻繁に出し入れしていたら、ツメがだんだんゆるくなってくる。
LOCKをかけると、SDカードをカメラやパソコンに入れても中のデータがまったく見えなくなります。で、ある取材後、撮った画像データをパソコンに移そうと入れ替えたら、写真が見えない。「えー!」とSDカードを取り出したらLOCKツメがかかった状態になっているので、「なーんだ、戻そう」とツメを標準に戻したら、LOCKの位置のまま、ツメが…
ぷちっ、ピーン!と部屋の片隅にはじけ飛ぶヽ(`Д´)ノ
いや、もうこのときの私の気持ち…背中に氷水(_) 200枚くらいの写真データが、1枚もPCに移してないのにSDカード入れてもまったく何も見えない!いや、悪いのは私なんだけど、10年以上仕事してそんなこと一回もなかったし…
ほんとにほんとにほんとに焦りました…(゚Д゚;)(゚Д゚;) で、PanasonicのSDカードだったので、Panasonicのウェブサイトに行き、めちゃくちゃ簡素なSDカードの問い合わせページに必死に電話。
気の良さそうなおじちゃん(すみません)みたいな方が「はいはい、担当変わりましたよ」と電話に出て、大阪(だったと思う)のPanasonicの修理センターの連絡先を教わり「とりあえず一度現物送ってください」と言われる。
その伝え方とか対応とか、あんな国際企業なのに全部マンパワー的、というかこの時代に昭和的なのです(*´Д`)心配だったけれど、他にやりようがなく、どうなるか心臓がバクバクしながら宅急便で送る。
送付後の対応は現代的だった…
送って翌々日の朝一番に、同じおじちゃん(ごめんなさい)からまた電話。
「えっとね、たしかにLOCKのツメは壊れちゃってるけど、データは全部見えましたよ。古いSDカードは慎重に破棄して、新品のSDカードにデータ全部移して本日送ります。明日着です」←神対応w(゚o゚)w
送料もPanasonic負担。新品のSDカードに差し替えて、翌日配送で、無料…そりゃ買った直後の新製品ならメーカー側の責任だろうけど、あの数年使い倒した上でこんな…(>_<)
シグマといい、Panasonicといい、緊急時に電話でこの丁寧で迅速な神対応、日本のメーカーってすごいですよね!特にSDカードは廉価品もいっぱい出てるけど、やっぱり万が一のとき、ちゃんと連絡がつく会社の製品が大事なんだなと痛感しました。(そしてSDカードも点検し直し、いくつか買い直す)
*高額なレンズや、取り返しがつかないものは「応対 is the Price」と心得た*
なんでこの話を書いたかというと、以前、我が家で使ってるPC関連の某海外企業の安い製品(でも5000円くらいした)ものでどうしても解決できない問題が起きて、メーカーのサポート連絡先に電話したのです。
そしたら自動アナウンスがしばらく鳴り「現在回線が大変混み合っております。長時間お待たせし、お客様にご迷惑がかかるため、勝手ながら切らせていただきます。ガチャ、ツーツー…」という対応にあ然とし「もう、絶対日本のメーカーじゃ!」と思ったことがあり…逆に素晴らしい対応をリアルに体感したので、やっぱり私の考えはまちがってなかった!
*追記(10/14):×「キャノン」、◯「キヤノン」だ、という指摘をいただき、訂正しました。「キユーピー」と一緒なのです。大変失礼しました<( )> 友人のTちゃん、ありがとう!