フードライター浅野陽子の美食の便利帖

食の取材歴20年のフードライター。読書と食べることが好きで仕事になりました。取材やプライベートで訪れてよかった店(合わなかった店は書きません)、気に入った食材、私のレシピ、フードライターの日常などを書いています(仕事の実績はプロフィールを)。

青山「書く」院大学(ギャグじゃなく至って真面目な話です)

このタイトル…ほんとに私のダジャレではないです(笑)
昨日、表参道のコピーライター養成学校「宣伝会議」が、わが母校青学大の青山キャンパスで開いた1日限定オープンセミナーの講座名。
事前登録制で、青学生じゃなくても、社会人でも誰でも受講可能でした。

朝10時から4時までどっぷり、なつかしいキャンパスで学生に戻った。 しかし、学生時代と違ったのは、最初から最後まで きっちり授業を聞いたこと! 私は、小学生から大学時代まで、 「授業」という時間はだいたい「考えごと」をしていた。 だってつまらないんだもん。

大人になって、好きな分野で話を聞くことが、 こうも面白いとは。 自分で受けたい講義を自由にリストから選べる。私が聴講したのは 週刊朝日などの週刊誌の編集長の授業と、 川崎徹さんなど一流のCMディレクターの授業。 これがもう、おもしろかったー。

週刊誌は、記事の作り方とか、取材に対する姿勢など ちょっとまじめな話。 週刊誌って本当に大変なんだなとただただ思った。
たしかに、世の中に自分の思うメッセージを訴えて、 ちょっとした「騒ぎ」を作れる面白さはあるかもしれないけど、 常にいろんなところから訴えられて、普通の人だと きっと神経がもたない。 それでも細かい取材をずっと続けて、雑誌ができて、反応があったときは嬉しいんだろうか。

ってなことを質問したかったのに、会場一人だけ受け付けた質問が、 広告ページを作る際にどうのこうの、みたいな どうでもいい内容だったので、聞けなかった。残念。

次はCMディレクターの話。 これは、実は別の講座がいっぱいだったので代わりに取ったのだが 本当に面白くて、笑って、泣けて、感動した。
講師は「元気が出るテレビ」に出てた川崎徹さん、「24時間戦えますか」や「資生堂ツバキ」のCMを作った黒田秀樹さん、 「カップヌードル『hungry?』」でカンヌ広告祭グランプリを取った中島信也さん。 これは苦労話ではなく、三人がお笑い芸人のようなムードで 自分たちのCMに対するこだわりを話し(会場は何度も爆笑)、80年~2005年までの間に手がけたCMを全部つないで流し、解説した。 これが感動…!

hungry?や「ペプシマーン!」みたいな明るいテンポから、 「ジャンジャカジャーン JRダイヤ改正」 「燃焼系♪燃焼系♪アーミノしき」、そしてタリラリラーン…と厳粛ななピアノの 「伊右衛門」、「よーこーそー日本へー」の「ツバキ」まで通すと 豪華な映画を見ているようで、その瞬間瞬間に こめた作り手の熱い思いが伝わってきて、ただのCMなのに…涙が出た。

仕事は自分の芸術作品じゃない。 でもやっぱりその瞬間の自分の最大の気持ちを込めて、 見ている人を楽しませようとする「魂を削る思い」がないと絶対に いいものはできない。 ものを「創る」って、大変だけど面白い、 苦しいけれど本当に素晴らしい仕事だな、 好きな活字の世界でほそぼそとでも仕事をいただけているのは 幸せだなと、心底思った一日だった。
ああ、こんな熱い思いを、18歳にここで勉強していたときに持っていればねぇ。 第一線の先生方に2-3ミリは近づけていたんでしょうか…いいや、いまからでも遅くはない?!