「自分の人生に影響を与えた本」、今回は「大学卒業後から20代」編。シリーズで書いてきましたが、今回で最後にしようと思います。30代以降も本を読み続けてはいたんですが、心が少し大人になって、昔ほど「本で心を揺さぶられる」経験が少なくなっちゃったんですよね…それを考えると、やっぱり若いうちにいい本をたくさん読まないともったいない。(他の記事はこちらを→人生に影響を与えた本「小学校〜中学時代」編、「高校〜大学時代」編)。
20代読書のわたしのトップ3作家
20代はとにかく女性好みの「独身妙齢女性が好きな作品」を読み倒していました。わたしの大好きな作家トップ3はこの方々(全員直木賞作家です)。それぞれの作家さんが出している作品はほぼすべて読みつくしました。いま現在20代後半で、これからの自分の人生や仕事、結婚などに悩んでいる女性は、ぜひ読んでいただきたいなあ。
山本文緒さん/『恋愛中毒』『あなたには帰る家がある』『群青の夜の羽毛布』など
山本文緒さんの、疲れていてもつい読見込んでしまう軽快な文体や、ストーリーの作り方、人物描写が大好きです。この3作品はまず読んでいただきたいけれど、ほかにも好きだった作品群は、『ブルーもしくはブルー』『絶対泣かない』など。山本作品は、一冊読んで好きだったら全作品読んでほしい。
そしてこの『日々是作文』。これは小説でなくエッセイなんですが、ああ、もう文章のリズムが素晴らしいのです。プロのライターになってからもなんども読み込みました。ふざけているようで、ちゃんとプロの文章の流れになっていて、読み手を飽きさせない。
林真理子さん/『聖家族のランチ』『ミスキャスト』『葡萄物語』『満ちたりぬ月』など
わたしの「第二次林真理子ハマり時期」、このときに来ました!『不機嫌な果実』や『anego』『コスメティック』『下流の宴』など2000年代にもドラマ化された作品群もすべておもしろいです。
そしてこれは本当に怖いです…霊とかは出てこないけれど、ホラー作品だと思って読んでね(笑)
唯川恵さん/『一瞬でいい』『永遠の途中』『肩ごしの恋人』
唯川さんの初期の作品は、ちょっとライトノベルっぽくてあまり好みではありませんでした(ごめんなさい)。しかしどんどん筆力を上げられ、『一瞬でいい』と『永遠の途中』はもう、心を揺さぶられまくり!本当に、20代(30代前半でも)女性で特に働いている人には、ぜひ読んでほしい!!
こちらも直木賞受賞の名作です。米倉涼子と高岡早紀でドラマ化。もちろん素晴らしい作品なんですが、やっぱり唯川さんでおすすめしたい順番は、わたし個人としては上の二つからだなー。
奥田英朗さんも好き。『最悪』『ガール』など
奥田さんもヒット連発の小説家ですよね。映画になった『空中ブランコ』や広末涼子主演でドラマ化された『ナオミとカナコ』などおもしろい作品はいっぱいありますが、わたしが最初に読んで衝撃を受けたのはこの『最悪』。『ガール』はもうちょっと軽く読めて、でもおもしろくて途中でやめられなかったです。
人生初のイタリア出張取材とかぶりまくった『冷静と情熱のあいだ』 辻仁成著
竹野内豊とケリー・チャンのこの映画がヒットしていた頃、初めて仕事でイタリアに行きました。海外の記者たちと一緒に毎日ワイン飲んで、生ハム食べて、合間に(?)取材して、イタリアの街のどこを見ても美しくて、そりゃあ楽しくって…滞在1週間くらいだったのですが、帰国してから半年くらい放心してました(笑)
たしか行きの飛行機で「赤」を読み、帰りで「青」を読んだような。物語も素敵すぎて、イタリア出張とかぶりまくり、放心状態からなかなか現実に戻れなかったのは、この小説も原因になっていたからだと思う(^^; そのくらい「旅」と「読書」って、シンクロしちゃうんですよねー。これからイタリア行く人はぜひ飛行機の中で読んでください!
本当に素晴らしい作品『私という運命について』 白石一文著
この本は本当に本当にすばらしいです!!永作博美と江口洋介でWOWOWでドラマ化されると聞き、それが見たいためだけにWOWOWに加入(笑)でもドラマは、やっぱり決められた時間内に収めなきゃいけないから、先に小説を読むとちょっと駆け足すぎて「えー、飛ばしすぎ!」となんども叫ぶことに。
仕事がうまくいかなくなったり、失恋したり、親が病気になったり、大人になってつらいことがあったとき、とにかくこの本を読んでほしいです。
やっぱり、本は若いうち(20代まで)に読んで!
いろいろ自分が過去に読んで記憶に残っている本を思い出してみましたが…やっぱり物心ついてからは、1歳でも若いうちに小説は読んだ方がいいですねー。感動が違うの。 結婚して、30代以降になってからも角田光代さんの『八日目の蝉』など感動した本はありますが、やっぱりやっぱり、若い方が心の感度が高い。心が豊かになります。 このシリーズ、今回で終わります。みなさん、スマホを見る手を少し休めて、若いうちにたくさんいい作品に出会ってください!