フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

伝説の「スタミナ苑」詣でへ

Photo■先日とある普通の平日、「スタミナ苑」詣でをしてまいりました。
スタミナ苑!足立区鹿浜にある、超伝説の焼肉店ですよ。
お客から「どこどこの店がいま人気」「行列」と聞くと、同業の飲食店の方々はたいてい「いや、あそこはね、○○はいいけどうちは自信を持ってこれ出しているから」「実は××がだめって聞いたよ」などと、言うものです。
が、前に料理誌の焼肉特集を2回ほど書かせてもらったとき、取材でどの店の焼肉店オーナーに聞いても「いや、スタミナ苑には負けちゃうね・ ・ ・あんな仕入れは絶対できない」と、全員完全白旗、の様だったのです。

■と、前置き長くなりましたが今回やっと実際に足を運べた\(^o^)/
美味しいものに情熱をかける小学校時代の同級生、Iくんがセッティング、同様に飲み・食べ大好きで大食いな大人5人のチームを組んでくれて、行ってきました。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

食べたものはこれ。

・ミックスホルモン塩 1700円
・シビレ塩(牛の胸腺) 900円
・レバ塩 1000円 
・上タン 2000円
・上ロース 2400円
・上ハラミ 1700円
・上カルビ 2400円
・カクテキ 400円
・コムタン 1000円(肉スープのごはん入り)

・生野菜(スタミナ苑特製サラダ) 600円
・杏仁豆腐 350円
・マッコリ 大量に(笑)


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

Photo_16■ちなみに冒頭の写真は「上ロース」、これは焼いたもの。
もうこんなロース、食べたことがない!という、ちっとも固くなく、でもしっかり食べ(噛み)ごたえがあって、濃厚だったぁ・ ・ ・。
どんどん写真出しますが、まず何より遠いの。お店が。

Photo_2■普段行かない王子駅で降り、そこから店までタクシーしか手段がない。20分くらい走って約1600円。本当に普通の住宅街の中にそっとある。

Photo_3■周りも閑散。商店街ではないです。でもタクシーの運転手さんに「スタミナ苑へ」と行っただけで「はいよー」という感じ。

■この日、平日ということもあって19時前のゴールデンタイムに到着したのに、待ち時間ゼロで入れた。しかし「出席者全員そろわないと、いつ如何なる場合でも入店できない」というお店の鉄則で、チーム5人来るまでお店のベンチで待つ。
その間に、先発隊が注文だけしておく。

Photo_4■全員そろったところで入店。じゃんじゃん、肉が出てきます。まずミックスホルモン(塩)と、カクテキ。

Photo_5■ホルモンはいろいろ種類が食べられますが、これを食べただけで「うわ、なるほど」と思いましたね。
ジューシー、肉汁たっぷり、口の中でとろける、肉が甘い、すごいプリプリ感・ ・ ・など「美味しい焼肉を表現するときの定番用語」がなに一つ当てはまらない
いや、素晴らしく美味しいのです。でも、そんなお決まりの単語、どれでも形容できないような、ほんとにここのお店独特の力強い味わい

Photo_6■「ミルクを噛んでいる(?)」ようになめらかなシビレ(胸腺の肉)、

Photo_7■上タン、

Photo_8■いまは禁止だけど絶対に生で食べられそうなつやつやのレバ塩、


Photo_9■そう目論むお客さんに、さらにクギ刺しの警告が!(笑)

Photo_10■カルビ~!!!!!

Photo_11■このカルビも美味しかったよ(。>0<。) サイズも大ぶりだし、1枚ずつがステーキのように、丁重に味わわなくちゃいけない極上感。

Photo_12■ひと通り肉が来てこの後いっとき休憩、となったので、

Photo_13■店内も撮りました。
本当に普通の、無塩ロースターでもなんでもない、大衆的なお店なのです(でもトイレは清潔感あふれピッカピカ)。

Photo_14■シメにコムタン。くずれるほど煮込んだ骨付き肉がごろっと入った玉子雑炊。
注文する前、みんなは「さあ、シメも!」という雰囲気でしたが、私はさすがにもう、という気持ちだったのです。しかしコムタンが来てひと口もらったら、するすると食べられちゃってびっくりしたよw(゚o゚)w
スープの色は一見、とんこつラーメンのように白濁している。なのにすーばらしくあっさり。肉の脂が良質だから?(という言い方が正しいのかわかりませんが)

Photo_15■その流れのまま、ザ・別腹キング杏仁豆腐も行っちゃうしー(笑) これも名物らしいですね。プリンとミルクババロアの間のような、むっちり、さっぱりゼリーでした。

■ということでこのように思いっっきり、伝説の焼肉店、堪能してきちゃったわけです。
途中にも書いたけど、ここは「焼肉店であって焼肉店でない」ような、そんな焼肉としては別次元の美味しさを体験しに、手間と労力と情熱を持って、訪れる店なんだなと強く思ったのです。

■日本でいつでもカニは食べられるけど、大好きな人はわざわざ旬の時期を狙って上海まで食べに行くだろうし、
寿司がこれだけ世界中で一般的になって、東京顔負けの高級寿司店はロスでもパリでもミラノでもあるかもしれないけど、海外から来て日本の超名店で握りを食べたら、のけぞるだろうし。
そうやって「遠くても並んでも本物の美味しいものを絶対に食べたい!」という並みならぬ情熱を持った人が、苦労して来店して、心から満足する店なのでしょう。

■企画してくれたIくん、本当にありがとう!
NY出張帰りだったTさん、Mさん、Mちゃんも一緒に過ごせて楽しかったです。
あ、ちなみに会計は一人10000円でしたよ(マッコリ何本空けたかわからないのに)。お得だと思います(o^-^o)


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
鹿浜 スタミナ苑
(足立区鹿浜・王子駅または王子神谷駅からタクシー10~20分。
王子神谷がより近いけど、王子からの方がタクシーはつかまえやすい)


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