フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

[レシピ]フードライターが「ワンパターン学童弁当」を1週間作ってみた結果

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毎日のお弁当作り、本当に大変ですよね。

4月から私も、給食開始までの期間限定ですが、子どもの学童弁当生活がありました。

ただでさえ慌ただしい生活。

しかし食を仕事にしている身として、やっぱり「毎日お昼の時間が楽しみになるお弁当」は作ってあげたい。

弁当生活開始前に研究し、忙しい(または料理が得意じゃない)お母さんでも、ラクに見栄えがするお弁当を作る方法を思いつきました。

その答えは……いろいろ考えず「ワンパターン弁当」に徹すること。

今回は、料理好きフードライターが作ったワンパータン弁当一週間分を紹介します。

「ワンパターン弁当」とは?

藤井弁当 お弁当はワンパターンでいい!

「ワンパターン弁当」とは、料理研究家の藤井恵さんのベストセラー料理書『藤井弁当 お弁当はワンパターンでいい!』にのっとり、

おかずを

  1. ゆで野菜(青味)
  2. 玉子焼き
  3. メインおかず(肉または魚)

3アイテムも完全にしぼり、白いご飯を盛り付ける

とルールを固定して作る弁当のことです。

 

ウルシヤマ 卵焼き フライパン 日本製 18cm 匠枝 プロスタイル ガス火専用 シルバー

 

さらに、弁当のおかずを作る調理器具も「玉子焼き用角フライパン(私はこれを使用→ウルシヤマ 卵焼き フライパンー)」1台に固定。

他の道具は使いません(洗い物を極力減らすため)。

詳しくはこちらの『ESSE』オンラインの記事に画像付きで紹介されています。

ご参照ください。

esse-online.jp

浅野ルールは「玉子焼きは同じだが、おにぎりは毎回変化」

そして今回、藤井さんの「おかず3つのワンパターンルール」は踏襲したものの、

私がアレンジしたマイオリジナルルールは

  • 玉子焼きは毎回同じ味(オーソドックスな、甘いだし巻き卵)
  • ごはんは「日の丸スタイル」ではなくアレンジおにぎり

です。

藤井さんは玉子焼きも、ある日は油でなくバターで焼いて洋風にしたり、キムチを入れた具ありにしたりとアレンジを加えていましたが、

私は「定番の甘いだし巻き卵一択」で一本。

毎日同じ味の玉子焼きを入れ続けたわけですが、それでも「給食開始までの一週間」など、時限弁当なら子どもも飽きずに食べてくれます。

全6日間の弁当&レシピをご紹介!

今回のすべての弁当に共通する「玉子焼き」のレシピは(卵1個・市販の粉末和風だしひとつまみ・水と砂糖各大さじ1/2・薄口しょうゆ小さじ1/2)をよくまぜて焼くです。

では、全6日間の弁当&レシピを紹介します!(レシピはオリジナルです)。

1日目「てりやきチキン弁当」

ワンパターン弁当

起床後すぐに鶏もも肉1/2枚を冷蔵庫から出してなるべく常温に戻す。
動物おにぎり作る。
小さい玉子焼き用フライパンでオクラゆでる

湯捨てて卵焼き作る

洗わず油引いて3センチ角に切った鶏もも肉を皮目から焼いて塩コショウ

砂糖・酒・しょうゆ(すべて大1弱)の順に入れて照りよくからめる。

 

*おにぎりはこちらの型を使用

 2日目「甘酢肉だんご弁当」

●前夜の下準備
アスパラの下処理(根本1cmを落とし、1/3長さ分の外皮をむく)と肉だんごのタネだけ準備。
豚ひき肉150gにしょうがすりおろし、ネギみじん切り、片栗粉各少々、塩コショウをまぜて丸める。
●当日朝
顔おにぎり作る

玉子焼きフライパンでアスパラ塩ゆで

その間に甘酢だれ混ぜる。しょうゆと砂糖、水各大1、酢と片栗粉ごく少々

フライパンの湯捨てて玉子焼き焼く
↓↓
フライパン洗わずに肉だんご焼く。時々ひっくり返して4〜5分、ふたをしながら全面こんがり焼き、最後に甘酢だれをよくらからめる。

おにぎりはこちらの型を使用

 

 3日目「辛くないエビチリ弁当」

●前夜の下処理(下準備後、冷蔵庫に入れておく)

・エビ5-6尾の尾から一節残して殻とワタを取り、水洗いしてキッチンペーパーに包む。

ブロッコリーは小房に分ける。

・ネギ、ショウガ、ニンニクみじん切り各少々をごま油大1に浸しておく。

・ボウルかグラスにしょうゆ小1、酒小2、ケチャップ大1、水大3、砂糖と粉末鶏ガラスープ各ひとつまみ、塩コショウをよくまぜておく。

●当日朝

玉子焼き用フライパンに湯を目一杯沸かしてブロッコリーをゆでる(湯が沸くまでパプリカ少々を角切りにする)

ゆでる間、ボウルなどで水溶き片栗粉少々を作る

湯を捨ててそのまま玉子焼きを作る

フライパンを洗わずに、昨晩のネギショウガを油ごとフライパンに入れて炒め、香りが立ったらエビとパプリカをさっと炒め、合わせた調味液も入れる。

煮立ったら水溶き片栗粉を入れてとろみが出るまで混ぜる。

変顔おにぎりを作る。

おにぎりにはこちらのグッズを使用

 

 4日目「魚フライ弁当」

●前夜
市販の冷凍魚フライを、弁当に詰める分だけ冷蔵庫に入れてライト解凍しておく。
いんげんのヘタと筋をとる。
●当日朝
玉子焼来て用角フライパンに湯を沸かし、塩少々を入れていんげんをゆでる

湯を捨てて玉子焼きを焼く

フライパンを洗わずに油大1-2を温め、ふたをしながらほぼ解凍された白身魚フライをこんがり焼き付ける。表裏計2分弱ほど。

おにぎりを作り、チーズソーセージと共に盛る。

おにぎりはこちらの型を使用(この型が一番難しかった)

 

 5日目「プチトマト肉巻き弁当」


玉子焼き用角フライパンに湯を沸かして、いんげんを塩ゆでする

湯を捨てて玉子焼き作る

同じフライパンを洗わずに、プチトマトの肉巻きを作る。
豚ロース肉薄切りをタテ半分に切り、プチトマトに巻き付けたものを5-6個作る。少し強めに塩コショウする。

油少々を角フライパンに熱して肉巻きを入れ、フタをしつつ時々開けて転がして、こんがり焼き目が付くまで4分ほど焼く。最後にポン酢しょうゆ大1を入れてからめる。

うさぎひよこおにぎり作る
ロースハムやスライスチーズで飾り付けする

おにぎりはこちらの型を使用(これも耳やくちばしが難易度高し)

1日だけ「例外」を作った「数字サンド弁当」

そして全6日間のうち、「さすがに一回変えてみようかな」と1日だけパンの弁当にしました。

この数字をサンドイッチにする、というの娘の熱烈な希望です。


お魚ウィンナーを作る (できるだけ曲がってないウィンナー2本の背に格子模様、両端に口としっぽの切り込みを包丁で入れる→こんがり焼く)

数字サンドを作る。 薄切りまたはサンドイッチ用パン3枚を半分に切って重ねたものを3組作る。

クッキー型などで上に来る方の3枚を抜く

有塩バターを30秒ほどレンジ加熱して溶かし、すべてのパンの片面にぬる ↓ 1番に抜いたパンの内側には、さらにツナ缶とマヨネーズ各少量、塩コショウをまぜたものをぬり、タテ半分に切ったプチトマトをはさむ。

2番、3番に抜いた2組には、ピーナッツクリーム(砂糖入り)を内側にぬり、薄切りした黄桃缶とキウイをはさむ。

*中にはさむものはジャムでも生のいちごでもなんでもOK。時短のために市販のピーナッツクリームを使いましたが、泡立てたホイップクリームでも。

結論:弁当作りはワンパターンでも壮大な労働

このように計6日間、毎日同じルールにのっとって「ワンパターン弁当」を作り続けました。

結果、娘は毎日大喜びで、保護者としての充足感は満たされましたが……

毎朝、尋常じゃなく疲れました。

そして弁当生活開始2日目に、

「これは、給食がない子供(or 社食がない夫)を持つ妻や母としてやって当然の作業」ではなく、

立派な、壮大な「一つの仕事」であることを日本社会全体が認識すべき

とも思いました。

日本の女性は世界一マジメなので

「お弁当を作れない(またはお弁当一つでアワアワしてしまう)自分」を

なぜか責めてしまう傾向にありますが、

それはまちがっていると本当に、心底思いました。

 

いかがでしたか?

毎日お弁当作りで大変な思いをしている日本女性に、少しでもラクな気持ちになっていただければと思います。

レシピとともに、参考にしていただければ幸いです。