いただきもので、柿の高級品種「富有柿」を初めて食べました。
柿って大人になったいまは好きだけど、子供の頃は強弱のない甘さが苦手で、嫌いな食べ物でした。しかしうちの3歳児は大好きです。
それは「強制スタート」ではなく、「甘ちゃんスタート」だったからではと思っていて…そんな好き嫌いの話と、柿を簡単なデザートにするレシピも書きます。
パッケージも大きさもゴージャスな「富有柿」
いつもお世話になっている取引先のMさんから、「味のわかる人に食べてもらいたいから!」と、見るからにお高そうなこんな柿をいただいてしまいました。
「富有柿(ふゆうがき)」。11月が最旬の、岐阜県の原産品種だそうです(岐阜県庁のウェブサイトより)
ちなみに、こうした食材を調べるときに、この本↓があると、とても便利です。グルメ番組やメディアはもちろん、食品メーカーさんなど、食に関わるお仕事の人は必須でないかと思います。
前に、お仕事をした某大手外食企業のマーケティングチームに紹介したら、3部作(海外食材編・国内の地方食材編もある)を一気に購入されてました。私の著書じゃないけれど…(笑)
話はもどって富有柿です。この柿、すごく大ぶりで、みかんとくらべるとこんな。2.5倍くらい。大ぶりのりんごと同じサイズ?
味わいもリッチ
そして、皮をむいて食べたらまた、味わいもリッチ。いままで食べてきた柿とはちがう、たとえるなら栗や洋梨に近い、むちっと詰まった不思議な食感で、上品な甘さでした。
柿が水っぽいときは「ごまだれ」で
この富有柿は、柿そのものだけで十分おいしいので、もったいないですが、柿が水っぽくて物たりないときにはぜひ。
柿のごまだれ
すりごま・グラニュー糖……各大さじ2 水……大さじ1 よくまぜて、むいた柿にかける。
大人なら、ブランデー小さじ1をまぜてもいい。「柿がはどうも苦手」という人にもぜひためしてもらいたいなー。
Mさん、おいしくて貴重な柿、本当にありがとうございました。
内緒にしてきた苦悩…
ところでフードライターながら、私は物心ついたときから決定的に嫌いな食材(野菜)が1個だけ、あるのです……「口にねじ込む」という形なら食べられるけど、「そのおいしさや味の深さを表現する」はきっとできない(依頼されたら死ぬ気でやるけど)。
「これを食べられないなんて、人生損してる!」と言われ続け、自分の子供がそうなるのは避けたいと思い……
まず、自分が受けてきた「嫌いなものを残すのは許さん!」方式はやめたのですが、そうすると、子供は食べにくいものは全部食べないんですよねー。うちの親がスパルタで食べようとしたのもわかる気もする。
区の保健指導でも「食べないというわがままを聞くのはいけません」と言われ(しかしそのための解決策は教えてくれない)、なので「子供が好きなものとセット」にしました。嫌いなもの(特に野菜)は、てりやき味の甘いたれやマヨネーズと一緒に出し、そしてこの柿もごまだれをかけて出し。
普通のごはんを食べだした頃からやっていたら、柿もふくめ、たれなしでもなぜか食べるようになった。食べ物に関しては「体にいい」「残すのはいけないこと」という理屈から入るとどうにもうまくいきません。
*食べ物の好き嫌いは、太陽戦略で*
なので「北風と太陽」の太陽、甘ちゃん戦略からすすめるといいというのが最近の気づき。
「わざわざ甘いものと一緒に出すなんて!」「素材そのものを楽しむことができなくなる」など、批判するキーワードはたくさん出てくるだろうけど、そういうこと言う人には、心の壁が高くなりすぎた大人の私が、どうやって解決できるのか、具体的な方法を教えてほしい。
食べ物って「おいしい」という側面だけ話題になりがちだけど、嫌いな食べ物の克服法ってあまり話題にならないなーと思い、書きました。