ちょっと前のことになってしまいましたが、
先日、ブルゴーニュワインの業界向けテイスティング会に招待していただきました。
主催はイギリスのベリーブラザーズ・ラッド社。
英国王室御用達のワイン&スピリッツ商社の日本支社です。
今回は上の写真の右の方、イギリスからBBR社のマスター・オブ・ワイン、アラン・グリフィスさんが
来日するにあたっての会でした。
マスター・オブ・ワインとは、日本ではあまり知られていないけど
世界で通用するワインの特級資格のようなものです。イギリスの資格。
ワインは「フランス」のイメージがありますが、
世界で一番ワインを飲み慣れているのは、実は古くからヨーロッパのワインを輸入してきたイギリス人なのです。
「英検1級」が英語における日本での最高資格だとしたら、
マスター・オブ・ワインはワインにおける「国連英検1級」のようなもの?
(業界の人は「MW」と略してよく言ってます)
持っている人は世界でも少なく、日本人ではまだ一人も取った人がいないそうで。
そのグリフィスさんが選ぶ、将来有望な若手醸造家による、ブルゴーニュワインの試飲会でした。
飲んだワインは
2007 Savigny-Beaune Blac 4,160円
2006 Meursault 5,080円
2006 Clos Blanc de Vougeot 1er Cru 8,505円
2007 Vosnee-Romanee 6,300円
2007 Berry's Beaune 1er Cru, 5,800円
2006 Gevrey-Chambertin 4,830円
ワインのクラス感に合わせ、試飲グラスも大きい、顔が入りそうなブルゴーニュグラスです。
私は白は2番目のムルソー、赤は5番目のボーヌ・プルミエクリュが好きでした。
ワインの試飲会はときどき呼んでいただいていろいろ伺ってますが、
ここのBBR社の会は特にハイクラスなワインが多く、いつも楽しみに伺っています。
ブルゴーニュワインは本当に繊細。
「神の雫」のようなコメントは恥ずかしいのでなるべく避けたいのですが、
優しくて、軽やかで、食べ物で言うならお菓子のシフォンケーキのような、
消えて無くなりそうな舌触りのものが多いです。
「高いワインは家飲みして賢くコストを使おう!」といつも「ワインは家飲み派」を主張していますが、
さすがにこのクラスのワインは、ビストロ風メニューを手づくりするよりも
高級フレンチで、きちんとお金を払い、同じ格の料理と合わせて楽しむべきものだなぁと思います。
ここでもうやうやしく、ボーイさんが注いでくれます。
ワインの値段は不動産と似てる。
不動産というのは駅から近い、新築、広い、周りにいろいろ商業施設があって便利、など
それ相応の「いい条件」があると、正確に、値段は必ず上がっていくものですが、
ワインも同じ。
この産地、この味で、この激安価格?というものはありません。
あったら、何かしらの「欠陥条件」が含まれているもので(不動産なら、「目の前がお墓」とか?笑)。
おいしいワインは、やっぱり高い。その条件ごと、楽しむための値段が含まれているのでしょう。
ところで外に出ると、昼間の丸の内のビジネス街は暖かな光が降り注ぎ、
素敵な風景でした。
ちょっとNYっぽい??
ワインを堪能した秋の一日でした。