食の取材歴19年のフードライター。レストランとレシピ研究に人生賭けてます。イタリアンと魚が特に好き。

知らないと怖い!海外旅行中の病気やケガにかかるお金と海外旅行保険の選び方

海外旅行が好きな人、特にシニアは、旅先で「万が一」が起きた場合の備えはできていますか?

先日、わたしの父(70代)が、タイ旅行中に突然、脳卒中で倒れました。幸い軽症で済みましたが、それでも家族としてタイまで行って2週間父に付き添い、帰国してからも予想以上に大変なことの連続でした。

その体験を旅好きシニア必読!もしも海外旅行中に病気になったら絶対やるべきこと4つ」としてまとめましたが、続編として、前回書ききれなかった旅先の病気やケガでかかるお金事情と、予防策(海外旅行保険の選び方)を紹介します。

先に知っていれば、万が一のときも落ち着いて対応できます!



海外旅行中にかかる医療費は日本とケタ違い

 

今回タイで父が2週間、入院治療してかかった医療費は、約100万円でした。高額ですが、タイ国内で一番大きなバンコク病院にいたので、このくらいで済んだのはラッキーだったのかもしれません。

また父は脳卒中でも軽症で、手術をしないで大丈夫だったのも幸いしました。手術をすると、入院日数も長くなります。バンコク病院専属の日本人通訳の方に「手術をしていたら、1,000万円は軽く超えましたね」とあとで聞いて身震いが…。

さらにアジアでなく、医療費の高いアメリカやヨーロッパに旅行していた場合はもっと恐ろしいです。

もしハワイで 父と同じことが起きていたら2,400万円、さらに手術をしていたら5,100万円!と出ている例もあって、怖すぎる…家一軒買えちゃう?!(参考:AIG損保ウェブサイト「海外旅行で身近に起きるトラブル」)

海外旅行保険は「万が一」の場合に強烈な威力を発揮する

海外旅行

この「万が一」の場合の巨大な費用を考えると、健康でも高齢者(65歳以上)は、海外旅行保険の加入は必須だと痛感しました父も若い頃から病気や入院とは無縁でしたが、70半ばを迎え、もしものことがよりによって海外旅行中に起きてしまったのです。

そして海外旅行保険は、この万が一の場合に、強烈な威力を発揮してくれます。

死亡したり後遺症が残るような重度のケースを補償(3000〜5000万円)するほか、現地での入院&治療費、そして今回のわたしたちのように、家族が日本から駆けつけた場合の「救援費」(航空券&ホテル代&現地での食事代・雑費)まで広くカバーしてくれます。

海外旅行

この場合の「救援者」=血縁者に限らず、友達や会社の同僚も保険の適用対象になります。

ちなみに救援費は「無制限」や「最大500万円まで」など結構な補償金額。日本から駆けつける場合は「無制限なら飛行機はビジネスやファーストクラスでもいいのでは?!」と期待してしまいますが、救援者は原則エコノミーです。

患者本人については「エコノミーでの搭乗は症状的に難しい」と医師が判断した場合のみ、補償されます。

そのほか、海外旅行保険では、病気以外に起きるアクシデントも補償されます。
たとえば、
・旅行中の盗難やロストバゲッジが起きた場合
・賠償責任を問われた場合(例:ホテルの備品を壊してしまった、不注意で床を浸水させてしまったなど)
・飛行機が遅れて深夜で電車がなくなり、空港からタクシーで帰宅したときのタクシー代
まで、広く補償されます。

保険がおりればキャッシュレスで退院できる

現金とパスポート

保険に入ったら、旅行中は保険証券をパスポートと一緒に持ち歩くのが鉄則です。

そしてもし病気になって治療や入院をしたら、すぐ保険会社に連絡を取ります(世界の各現地オフィスの日本語連絡先が書いてある)。

すると、保険会社と病院間で連絡を取ってくれて、大きい病院ではキャッシュレス(退院時に患者が自分で立て替えせず、保険会社が病院に直接払ってくれる)で精算が済むこともあり、便利です。

「持病持ち」「かかりつけの病院で薬をもらっている」人は、入る保険に注意

血圧計

万が一のときに強力な海外旅行保険ですが、特にシニアが絶対に知っておくべきポイントがあります。

「持病(旅行前に日本の病院で治療を受けたことがある病気)の悪化もカバーする特約付き海外旅行保険」を選ぶことです。

まったく異常がない人はOKですが、65歳以上なら「血圧が高くて薬を飲んでいる」「◯◯値を注意されて診てもらっている」など、なんらかの治療を受けているシニアが多いのではないでしょうか。

一般的な海外旅行保険は、実は「旅行先で持病が悪化して治療・入院した場合」は保険がおりません←ここ注意!

もし渡航前に、日本で「高血圧」や「不整脈」と医師から診断されて薬を飲んでいたら、旅先で脳卒中や心筋梗塞を急に発症しても、「(旅とは無関係の)持病の悪化」とみなされ、手術代や入院費はすべて自費負担なのです!

普通の海外旅行保険のほか、クレジットカードに自動付帯される海外旅行保険も、この「持病の悪化分」はカバーされません。

少しでも健康状態に不安がある人は、持病の悪化分をカバーする「特約付き」保険に入らないと100%は安心できません。この条件が意外とトリッキーなので、旅に出るシニアご本人、そして家族もぜひ注意し、チェックしてあげてください。

「特約付き」海外保険は2つしかない

海外旅行保険

そしてこの、持病特約がついている海外旅行保険は、2社だけです。

東京海上日動

AIG損保 (※AIGのみ、69歳以下の人はウェブサイトから申し込み可能)
(AIGのリンクはこちらから↓)


たとえば一番高いプランで、アジアに一週間滞在の場合、保険料は1回1万円くらいで死亡・傷害補償最大3000万円まで、救援者費用は無制限、治療費は300万円まで。

ただし、特約付きは治療費の補償が少ないです(通常の海外旅行保険は、治療費は数千万から無制限が普通)。

少し割高になり、1万円の保険料をどう考えるかですが、持病持ちのシニアには、お守り代わりですよね。

1回の海外旅行で入る保険は1つでいい(2つ以上は意味がない)

保険選び

ちなみにもし複数の海外旅行保険に入っていたら、病気・ケガが起きた場合、それぞれの保険が全部おりるのか?

また、クレジットカードはみんな数枚持っているので、そのクレジットカード付帯の海外旅行保険分も全部出るのか?

この答えは「おりるがあまり意味がない」

一番補償してほしいのは「病気やケガの治療費」と「救援者費用」ですが、海外旅行保険は「治療費と救援者費用は上限無制限(または数千万円)」という商品が多くあります。

今回の件で初めて知りましたが、海外旅行中の保険適用のルールは「複数の海外旅行保険に入っていて、申請した1社の保険で補償費が足りなかった場合、それ以外の保険も支払われる」です。

つまり最初に申請したA社の海外旅行保険が「治療費の補償は無制限」が条件なら、治療費が足りないということは発生しません。よって、次のB社以降の保険会社は動きようがないのです。

日本で手術や入院をしたら、自分が入っている医療保険が適用され、A社・B社・C社全部から支払われますが、海外旅行保険ではそうなりません。

ただし「携行品損害は30万円まで」と、治療費と比べると補償金が低めなので、盗難やロストバゲッジが怖い、という人は複数の保険に入ってもよいかも…しかし海外旅行にわざわざ高級品を持っていく人も少ないので、考えにくいパターンですが。



帰国後に、普通の医療保険も申請できる

そして帰国したら、自分が普段から入っている医療保険(「入院日額◯万円」などケガ・病気の治療や入院をした際支払われる保険)の申請をします。

前回の「旅好きシニア必読!もしも海外旅行中に病気になったら絶対やるべきこと4つ」に詳しく書きましたが、海外旅行中に支払った領収書が申請に必要になるので、失くさず大事に取っておきます。

こちらは、だいたいどの保険会社も「発症から2年以内に請求すればOK」と長めに申請期限を設定しているので、帰国して日本での入院や治療も終えて、ゆっくり落ち着いてからやっても十分間に合います。

国保や健保が払い戻ししてくれる「海外療養保険」もある

そしてこれも前回書きましたが、現地で払った医療費を、日本の医療費基準で計算した額で帰国後に戻してくれる制度(海外療養費制度)があります。

これは国保など、各健康保険組合が行なっている制度。申請には病院が書く「診療内容明細書(=診断書のようなもの)」が必要なので、自分が入っている健保がどんな証明書が必要か、できるだけ滞在中に調べましょう。(参考:全国健康保険協会ウェブサイト「海外療養費とは」)

日本のシニア層はたいてい「国民保険」に入っているので、その場合、居住区のウェブサイトに詳細が書いてあります(例:「世田谷区 海外療養費」で検索すると出てくる)

海外の大きな病院では、退院時に診療内容明細書を自動で作成してくれます。

海外旅行保険で補償される金額に比べるとかなり少額ですが、保険に入っていなかった人、保険がおりなかった人には多少なりとも足しになります。
* * *
今回は「海外旅行中の病気やケガにかかるお金と海外旅行保険の選び方」についてご紹介しました。一番重要なお金の話を知っておき、さらに出発前に海外旅行保険に加入すれば、怖がらず
落ち着いて対応できます!ぜひ参考にしてみてくださいね。

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