5、6年前から少しずつ浸透している「干し野菜」って知っていますか?
野菜も積極的に摂れそうだし試してみたい。でもどうやったらいいのかわからない、という人は多いのでは?
実はキャベツやニンジンなどごく普通の野菜と、庭やベランダなど太陽が当たる場所さえ確保できれば、誰でも簡単に作れます。晴天続きの真夏の今は、特に始め時!
私がいつもやっている作り方と、干し野菜を使ったレシピ(食べ方)、干し野菜用の便利なグッズを解説します。
干し野菜とは
文字通り「自家製の干した野菜」です。
市販の干し野菜には、煮物に使う切り干し大根や乾燥シイタケ、イタリアンのドライトマト、乾燥ポルチーニなどがありますが、自家製との最大の違いは「自分好みの乾燥度合いにできること」。
市販品は、長持ちさせるためカッチンコッチンになるまで干して水分を抜きますが、自分で作るならすぐ使うのを前提に、適度に水分を残して仕上げられます。
この「半生」というか水分が抜け切っていない、でもほどよく乾き食感もムチっとして、味も少し濃くなったように思う独特の状態が、いつもの野菜と違っておいしいのです。
そしてひなたに数時間干すだけなので年中作れますが、やっぱり陽光たっぷりの夏が一番作りやすいです。
干し野菜の作り方
干し野菜の作り方、さっそく紹介します。
ニンジン、キャベツ(写真は紫キャベツ)、タマネギ、キュウリ、セロリなどを洗って薄切りにして、バットや平皿に重ならないように並べ、ベランダなど外に出して3〜4時間太陽に当てるだけ。
すっごい簡単!最初はしっとり、水気を含んでいた切り野菜が……
朝9時から干して、正午にはこんなシワシワに。これ、このまま食べてもドライフルーツのようで結構おいしい。
野菜ってこんな楽しみ方ができるんだ!と最初作ったときはとても感動しました。
レシピは後述しますが、すぐ使わない場合はラップに包んで冷蔵庫に保存します。冷蔵庫に入れても、シナシナ感は2〜3日はキープされます。
でも干した当日中に、何かの料理にした方がやっぱりおいしいです。
どんな野菜でも作れるが、最初におすすめなのはキャベツ
エリンギやキュウリ、葉ものなどいろいろな野菜で試しましたが、一番簡単でおすすめなのはキャベツ。
特に紫キャベツは一度買うと量が多く、色もインパクト大で丸ごと一個使い切れないので、最初はサラダなど生で楽しんで、後半はこうして干し野菜にするとなかなかおいしく最後まで楽しめます。
ちなみにトマトは、半分に切って種(真ん中のゼリー部)を取り、少し空洞状態にしてまず種部分を下に向けて干し、3時間後に裏返しにしてまた3時間干し、両面をきちんと陽に当てるとうまく仕上がります。
干し野菜を作るのにあると便利な道具
ザルでも平皿でも、切った野菜がまんべんなく陽に当たればよいので、道具は特に問いません。が、やっぱりバットがあると便利ですね。私は角バット(25cm×20cm)に角ザルをかませています。
愛用しているのは富士ホーロー 角バットMと、ラバーゼのステンレス角バット 21cm。角ザルもラバーゼ(ステンレス角ざる 21cm)です。
あとどうしても気になるのが鳥の害。
最初は写真の通りベランダに椅子を出して、バットのまま数時間出しっぱなしにしていたのですが、「いつかカラスに狙われるのでは……」とハラハラして何度も見に行ってしまいました。
Amazonでかなり調べて、うちの角バットにサイズも合うと思ったのがこの干しアミ(パール金属 ひもの 干し網 3段 300×200mm H-45)。800円ちょっとなので値段も手頃で。
魚の干物を作る時の道具のようですが、これがバッチリでした。すごい使いやすいです。洗濯物の竿にかけてます。これでもう安心。
ちなみにこれと同じもの、新橋の居酒屋さんで後日見ました。営業前の軒先にぶら下がっていました(笑)
干し野菜を使った簡単レシピ
干した野菜は、ただオリーブオイルと塩をかけるだけでもおいしいですし、いつも通りのレシピで炒め物などにどうぞ。
ただ水分が抜けているので、本当にさっと短時間炒めるだけでOK。
私が一番好きなのは、干した紫キャベツ・タマネギ・ニンジン(それぞれ1/2個・1/2本くらい)を、ニンニクとオリーブオイルでさっと炒めて、ペペロンチーノ風で食べる超シンプルなレシピ。
冷たいフライパンにオリーブオイル大さじ2〜3、つぶしたニンニク1片と赤唐辛子を入れて香りが出るまで炒め、すべての干し野菜を入れてさっと混ぜ、味をみて塩コショウするだけ。
これめちゃくちゃおいしい。保存容器に入れておつまみにしたり、
本当にアーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ(ニンニクと唐辛子のパスタ)のオイルソースを作る途中で干し野菜も入れて炒めて、パスタを合わせても最高!量は全部適当で大丈夫。
野菜だけのスパゲッティーが、こんなに味わい深いとは……とビックリです。
干し野菜の作り方、いかがでしたか?夏も後半ですがまだちょっと残っています。
天気のいい真夏日に、ぜひ一度試してみてくださいね。