早いもので食の業界を取材して約20年。 毎年のように「食の世界にこんなムーブメントが新登場!」とメディアであおっていますが、今年取材していて、特に感じるのがこのキーワードです。
もはや同一線上にあり、切りはなして考えられなくなっているのが
「グルメ・美食」を楽しみながら同時に「健康」も追求
10年前だって、20年前だって「食と健康」は切り離せない関係にありました。でもかつては「食べて体にいい」を追求するのは、ある一定のマニアか高齢者層でした。
30〜50代の現役世代は「健康に気をつけなきゃ」「長生きしたい」と言いながらも「とりあえずいまはいろいろ考えないで、こってりして、糖分の高いものをおいしく楽しめばいいじゃん、どうにかなるよ」と勢いで飲み食いして、メディアもそれを追いかけていたように思います。
…しかし、今年はレストランや食品メーカーさんが打ち出すいろんな新商品に、「健康」メッセージがまあ、強く出ていること!
「中性脂肪」「高血圧」など、30代以降が健康診断前に気になるキーワード満載
ニッスイさんと大塚製薬さんからいただいた新商品サンプル(少し前ですが、今年)。
三重の総合食品メーカー・ヤマモリさんからの新商品。8/21発売。
血圧を下げる機能があることが報告されている「 GABA」入り(同社HPより)。しょうゆでは日本初の機能性表示商品だそう。「健康」をうたっているけど、味もしっかりしておいしいんですよね!
ヨーロッパ発の、こんな新製品のPRにも招待いただきました。ギリシャのヒオス島のみで採れる天然の樹脂「ヒオス島産マスティハ」。胃腸の不調改善、消化促進、血中コレステロール・血糖値の低下作用、抗菌作用(ピロリ菌など)などの健康効果が期待できるそうで、
すでにヨーロッパでは、パンやクッキー、ガムの原料、またハイエンドのレストランでもピンチョスやサラダなどの前菜、ソースの材料に、カクテルにも重用されているそうです。日本のメディアも注目し、記者会見では昔から顔なじみの専門誌記者さんたちにたくさん会いました。
ミスドも健康をアピールする時代
そしてミスドの前を通って見つけたのがこれ。ミスタードーナッツがタニタと組んじゃう時代ですよ。チェーン店のドーナッツ、安くておいしいのでたまーに食べるけれど、「健康」を意識しながら食べるものではなかったはず…びっくり。
☆日本人は「一億総グルメ時代」から「一億総健康マニア時代」に転換している
バブルの頃「イタ飯」が大ブームになったり(イタリアンね)、ボージョレ・ヌーボー解禁時刻に合わせて成田空港までワイン飲みにいったりする「一億総合グルメ時代」を経て、日本人はみんな健康マニアになっちゃったんですね。でも健康的で、なおかつ味もおいしいのが基本。
今年はまず導入で、来年2018年、東京オリンピックに向けて各社いろいろなことをアピールしているなか、その傾向はさらに強くなると思われます。
「おいしいものは体に悪いけど仕方ない」のが定石でしたが、大きな転換期を迎えています。有名シェフの話からも同じムーブメントを最近よく感じることがあり、また書きます。。
【こちらの記事もどうぞ。「グルメと健康」の最新トレンドについても少し書きました↓↓】
https://asanoyoko.com/restaurant/bar/akasaka-baru-yokocho