食限定の取材歴20年、フードライターの浅野陽子です。夏休みに川崎市高津区で開催された小学生向けのイベントで講師として登壇しました。そのレポートです。
食とおカネ、仕事について学ぶ小学生向け夏休みイベント
2024年7月29日に川崎市高津区役所の大会議室で開催された「次世代キッズアカデミー〜美味しすぎる!実践学習 ジュース作りで学ぶ価値作り」というイベントです。
川崎市高津区役所と地元企業・ふたこカンパニーによる共同開催。
小学校3年〜6年生の子どもたち39名とその保護者(きょうだいも)が参加。応募者多数になり、抽選で選ばれたそうです。
この日のテーマは、生の果物や野菜を使ったジュース作りを通して、楽しく学びながら食とおカネの価値やチームでの連携、仕事について学ぶという内容でした。
最初におカネを稼ぐこと、世の中のビジネスの仕組みなどについて、ふたこカンパニーの代表・喜多健太郎氏がわかりやすく解説。
フードライターの仕事、さらに日本の農業に関する課題、未来の食糧問題、それを解決する次世代型植物工場の野菜(この日、ジュースの材料として使用したもの)についてお話をしました(ここ数日ずっと書いてきた、RYODENさんに野菜のご協賛をいただきました)。
チームに分かれてジュース作り。これがなかなか盛り上がりました!
さてここからが実践。約40人が6つのチームに分かれ、チーム内で相談して使う素材・「どんなジュースを作りたいか(おいしいもの、ものすごく酸っぱいもの、苦いもの)」などを決めて協力してジュース作りを行いました。
ジュースの材料として用意されたのはリンゴ、キウイ、バナナ、レモンとフルーツ4種、にんじんとケールの野菜2種。
さらに調整豆乳や水、梅昆布茶、きな粉、缶詰のフルーツなど。
1回目はフルーツ3種(レモンは必須)・野菜は1種にベースは調製豆乳、というゆるいルールを決めて、何を選ぶかは自由。
見ているとなかなか意見がまとまらないグループ、ささっと順調に進めるグループ、逆にミキサーの扱いに四苦八苦して、大量にこぼしてしまうグループなどいろいろ。
でも笑い声や「おいしーい!」という声もあちこちで上がっていて。私にまで「先生、どうぞ!」と試飲用に分けてくださる生徒さんもいて感動。
このジュースのレシピは、私もいろいろ意見を伝えて監修しました。
過去のスムージー作りの経験から、「レモンとリンゴ(かにんじん)、調整豆乳が入っていれば、何を選んでもおいしい」という自信があったけれど、子どもたちにも喜んでもらえてよかった。
いろいろ材料を変えて、全3回ジュース作りを行い、飲んでみた感想を文字にして、チームごとに食レポをまとめます。「おいしさ(まずさも)をどう表現するか」がこの日の課題。最後に各班で前に出て、発表します。
最後の食レポ発表タイムも大盛り上がり
それぞれ、自分の言葉で食レポを発表してもらい、私はそれを総評して、フードライターとして言葉で味を表現する楽しさ、コツなどについてもお伝えしました。
「ケールは苦いと思っていたけど、りんごやバナナとまぜたらおいしくなった!」
「きな粉を入れたら味がまとまった」
「きな粉を入れたらまずくなった」などいろいろな真逆の感想も出て面白かった。約40人が全員、ひと言ずつ話したので盛り上がって、2時間の予定が30分延長されたほど。
参加者アンケートでは、80%の方が「とても良かった」、20%が「良かった」と答えてくださったようで、ひと安心でした。
しかし、小学生の子どもたちがまあ、みなさんしっかりしていて。きちんと自分の意見も言えるし、こちらが話した内容もちゃんと理解してくれているんだなあととも逐一感じれました。子どもではあるけれど、もう小学校高学年になると、大人なんですね。
私はこの日「講師」ではあったけれど、未来の日本を支える子どもたちと一緒に学んだ気分で、楽しかった。可能性を感じた日でもありました。
今回は「ジュース」だったけれど、サンドイッチやおにぎりなど簡単な料理を作ったり、魚や他の材料を使ったり、別の食レポ授業をまたやってみたいですね。
ふたこカンパニーの喜多代表は、元は私の著書『フードライターになろう!』を愛読してくださったことから、今回のお声がけをいただきました。
ご参加者の方、川崎市高津区の方々、喜多さん、RYODENさま、本当にありがとうございました。
それでは、今日も最高においしい1日を!
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