フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

無料ブログ(ココログ)からWordPressへ引っ越して丸1年、運用結果と収支、使用感をまとめます(まずはやってみた編)

2006年から10年間書いてきたココログから、WordPressに引っ越して丸1年たちました。20年間出版業界どっぷり、パソコンは使い慣れているけれど構造がわかっていない私には、つらいときもありましたが…やっぱりWordPressはやってみた方がいい。これから挑戦したい人に向けて書きます。

「お膳立てはすべて自分」のWordPress

私のやってきたココログや、ライブドアブログ、芸能人のブログで有名なアメブロなどは無料ブログ。WordPressとの違いは、「無料でブログのいろいろなサービスが使えるかどうか」です。「ライブドアブログで今日からブログを書き始めたい!」と思ったら、アカウントを作れば、あとはブログのタイトルを決めるだけですぐ1記事めを書けます。お金も無料。

でもWordPressは、一番最初の設定で ・アカウントを作る ・有料でサーバーを借りる(ブログの膨大なデータをさばいてくれる巨大な場所。「巨大なマンションの1部屋を借りる」に近い) ・有料でドメインを申請して取る(「https://asanoyoko.com/」のようなブログのURLのこと)

という実作業が発生します。

またサーバー屋さん、ドメイン屋さんもいろんな会社がいろんな値段でやっていて、「どこのサーバーが使いやすい」とネットで意見が飛びかってます。この時点でパソコンの構造について、うとくても劇速ブラインドタッチだけでやってこれた人(私ですが)は、卒倒しそうになってきます。

最初のコストが5万円なら安い

最初っから全部外注する、のもありですが、システム業界は、私の感覚ではいま一番「高給業界」なんじゃないかと。個人のシステムエンジニアに頼むと「1時間あたり1時間×最低2時間から」が良心的で安い、という感覚なのです。

でも最初の設定を終えて、さらに1記事目を書き始めるまでにはたぶん丸1日はかかる。サーバーを借りるお金も含めて、よくわかってない人がプロに教わりながら、初期費用5〜6万円でスタートできたら安い方なんじゃないかな…

ここまで書くと、「ぜーったい、私は WordPressなんかムリ!無料ブログで十分だよ、わかりやすいし」という人が多いと思いますが、私個人としては、WordPressに挑戦してよかった。昔から困難なことや厳しいことが好きな、M体質というのもありますがヽ(*´∀`)ノ

紙出身のライターも、いま原稿は「クラウド納品」の時代

ライティング

なぜ頑張って挑戦してよかったか、メリットはいろいろあります。

一番はやっぱり「取材して、文章を書いて、提出する」という形で働くライターは、ややもすれば「いやー、私どうもパソコンとか最近のSNS?とかに弱くって…」と言い続けて、現在の流れに無関心でいることもできます。

いままでは「Wordなどのテキストファイルに原稿を書いてメール納品」が主流だったのですが、私の取引先はどんどんクラウド納品に変わっていって、「IDとパスワードをもらって、直接書き込んで納品」が多い。このとき、WordPressを自分のブログで使い慣れてることで、すごく楽でした。

「オウンドメディア(Web上の自社媒体)」はさまざまな業種で急激に広がっている

モール

そして、我々のような旧来のメディアだけでなく、食品メーカーやアパレルブランドなど、いろんな「非メディア」業界でも自分でサイトを作って、社員が順繰り記事を投稿し、ライターや記者のような仕事をされている企業も増えています。

そのときにすでにWordPressに慣れていて、チームにアドバイスできる立場だったら、より面白い責任ある仕事も回ってくるし、好循環が生まれるのではと思います。

「ネットでどんなフォーマットがウケるか」はすべての人が理解する必要がある

なので「いまはWordPressぐらい使えないとだめ」とまで言い切れるかも、と半年前くらいに感じました。

さらに、「今後もプロの書き手でい続けたいなら『ネットでどんなフォーマットがウケるか』を理解し、アップデートし続けないとだめなのだ」と痛感しました。

紙の原稿に書いている限りは、文章がよどみなく流れること、ナキワカレしない(「評判のレ【改行】ストラン」など、きりの悪いところで改行されないように調整する)など、定番注意ポイントだけを気をつければよかったのです。

しかし、ネットで読んでもらうことを前提にすると、何行で改行すると見やすいか、見出しの文字サイズをいくつに設定するか、どこで画像を入れ込むか、リンクの貼り方などいろいろ、最後まで読んでもらうためのフォーマットを細かく工夫する必要があります

難しいのは、紙原稿と違ってその読みやすさの基準もどんどん変化していることです(かつては「Webの原稿は文字数が短い方がよい」とされていたのに、最近では「1000文字以上しっかり書く方がいい記事として読まれる」に変わっているなど)

いつの時代も、どんな仕事にも「正解はない」んですが…Webについては特にわかりづらく、また劇的に基準が変化していくので本当に難しい。

でもひとつ言えるのは、「いやー、ネットやITみたいなのは苦手で」と逃げて、同じ土俵にも上がらない人が一番ダメということ。

すっごい長くなってしまった…2回に分けて、次は私の具体的な運用結果(WordPressを始めるために払ったお金と稼いだお金)について書きます。

*現代人はもう誰もWebの大潮流から逃げられない*

去年までここに書いてあることがなーんにもわかってなかった私が、よく書けるよね、と自分に突っ込み、心にパンチしまくりながら書いた記事でした(^^; 

でも本当に、いま社会人の人は誰もWebから、正確には「Webをちゃんと理解する」ことから逃げられなくなっているのを、いろんな人と話して日々実感します。

逃げてもいいんだけど、どんどん機会損失し、お金に換算するとすごい価値を失っています。そして取り損ねた分は、一部のITが得意な人たちがうすら笑いしながら、持ってっちゃってるわけで…ヤバい!早く取り戻しましょう!