こんにちは、フードライターの浅野陽子です。
今回の記事では、食の世界では定番セオリーとなっている「青い皿は食欲を減退させる」説が本当かを、検証してみます。
最近取材した、人気店の画像や、自分で料理に使ったブルーの食器などもじっくり見返してみました。
「安くて早くてうまい」が売りの店はビビッドな暖色系
一見関係がないようですが、「色と食欲」はつながっています。
独立してまもない頃、「フードコーディネーター検定」というものを取って勉強していたとき、目からウロコが落ちました。
ハンバーガーや牛丼チェーン、ファミレスなど、「安くて早くておいしい」を売りにしていている店のロゴを思い浮かべてください。
赤、オレンジ、黄色などを多用していると思いませんか?
ああいった暖色系のビビットな色使いは、幅広いお客さんを引きつけます。
さらに「人間はビビッドな色使いだと腰が落ちつかず、食べたらすぐ帰りたい気持ちになるのでお客さんがどんどん回転する」と教わり、なるほどー、と思ったものです。
「青いお皿=食欲なくす」からNG
一方で、「寒色系は食欲をなくす」というセオリーもあります。
会社員だった20代半ば、主婦向けのレシピメディアの編集担当をしていた時代がありましたが、料理ページで青やグリーンのものを使うのはNGでした。
最初の頃、まちがえてブルーの皿に料理をのせて撮影してしまい、上司に大目玉をくらったことも……
しかし最近はむしろ青がトレンド?
若いときに「料理に青はダメ」とすり込まれたので、ずーっとそう思ってきたのですが……
しかし飲食店で、最近青いお皿ってどんどん増えている気がするんですよねー。
たとえば去年2020年から今年前半にかけて取材した店でも、ざっと見返しただけでこんなにありました。
高円寺の人気カレー店「negonbo (ネゴンボ)33」
目黒・松見坂のベトナム料理店「Sugahara ho(スガハラフォー)」(女性に大人気!)
原宿ジングウマエコミチに入る大人向け海鮮居酒屋「パーラー じゃりンこ」
同じくジングウマエコミチにあるフレンチ「シンシア ブルー」(ミシュラン星つき店「シンシア」のセカンドライン)
日比谷OKUROJI(オクロジ)にあるデザート専門店「パティスリーパロラ」
これ、レモンが一個置いてあるだけに見えるのですが、
実は外がチョコレート、中がレモンのムースになっていて丸ごと食べられるお菓子なのです!
と、アジア、和食、フレンチ、スイーツとジャンル問わず、青いお皿ってこんなに使われているのです!
しかも青いお皿がバックにあるからと言って食べる気が失せるわけではまったくない。
むしろカッコよくておしゃれな感じがする。
青いお皿は逆に、飲食業界の最近のトレンドになっているのでは。
自分の持っている青いお皿でもやってみた
さらに、自分の家の青いお皿でもやってみました。
どれも青いお皿にのせても、おいしそうじゃないですか?
カレーだってこんな。
人間の視覚は20年やそこらで簡単に変化しないと思うのですが……
「『青い皿は食欲を減退させる』が本当か?フードライターが検証してみた」結果、食欲をなくすどころか、おいしそうに見せるのでまちがいでした。
青色=料理にNGという食の王道セオリー自体が、今の時代もうオワコンなのでは、という話でした。
<こちらもどうぞ(過去記事)>
自分の料理をのせた青いお皿はここで買いました↓↓
ジングウマエコミチや日比谷オクロジの記事はこちらに書きました。
ネゴンボ33など、カレーの特集はこちらの記事に書きました。
こうやって振り返るとめっちゃ仕事してるな……(^^;