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沖縄・那覇空港から1時間で行ける離島リゾート「瀬良垣島」取材の裏話
食限定の取材歴20年、仕事で沖縄に行ってきたフードライターの浅野陽子です。
那覇空港から車で1時間で行ける沖縄の離島、「瀬良垣島(せらかきじま)」。前篇に続き、昨年末の瀬良垣島取材の裏話です。今回のメインは「琉球王朝時代のの宮廷グルメ」を食べて取材すること。
後篇ではこのグルメ取材での裏話をご紹介します!
ちなみに取材後、メディアに執筆したのはこちらの日経の記事▼▼
[コラム連載]『NIKKEI STYLE』(日経電子版)で記事「高級珍味ウミヘビに驚くも、堪能 琉球王朝の宮廷料理」を書きました
器や彩り鮮やかな“現代流”琉球宮廷料理に舌鼓、そしてイラブーに仰天
前篇で書いた通り、瀬良垣島にあるのはホテル(ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄)1棟だけ。島に到着後、館内をひと通り取材しました。琉球舞踊を鑑賞した後(前篇を参照)、取材チームみんなでレストランフロアへ。
今回の仕事のメイン。食事として楽しみつつも撮影漏れがないよう、頭は完全に仕事モードをキープです。
取材チームでホテル内の「スペシャリティレストラン シラカチ」へ移動。「シラカチ=(琉球語で)瀬良垣」の意味です。入り口を進むと広いフロアの中、エリアごとに日本料理や炉端焼き、すしなど異なる料理を提供する複合型レストランなのです。
「シラカチ」の統括料理長は、沖縄県認定の「琉球料理伝承人」。今回私たちが取材したのは、日本料理エリアで提供する、料理長考案の「沖縄の伝統食と琉球王朝時代の宮廷料理を現代風に再現した琉球和会席(「URIUN(うりずん) 」20,000円)」です。
前菜からお椀、お造り、焼き物、酢の物、蒸し物、沖縄そばのシメ、甘味で8品の日本料理のコースです。沖縄産の車エビ・マグロ・黒毛和牛・白身魚(赤仁ミーバイ)・すっぽん(沖縄は養殖がさかん)、島らっきょうや、県内の農園で育った野菜・ハーブを使用。
「ミヌダル(豚肩ロース肉に黒ごまペーストをのせて蒸した宮廷料理)」「クーブマチ(沖縄産マグロの昆布巻き)」「中身汁風(豚の内臓の吸い物の白子のせ)」「シシかまぼこ」(魚のすり身と豚の背ロース肉を巻いた料理)など、沖縄の伝統料理が各所にちりばめられています。
まさに和会席の沖縄風アレンジ版。どれも上品だけれど食べやすく、しみじみ優しい味でした。
日経の記事にも書きましたが、コースの目玉は「てびちのイラブの玉地蒸し イラブシンジ餡かけ」。日経では文字数の関係で書ききれず、このブログでたっぷりご紹介します。イラブ、ご存知でしょうか?まずは料理が出てきた状態を見てください。
コースの後半、6皿目で登場。茶碗蒸しをもっと繊細にしたような、上品なだしのきいたふるふるの卵の地の蒸し物。具材は生ウニ、芽ねぎ、青パパイヤ、てびち(豚足)。中央に少しだけ見える、黒いものがイラブです。
イラブは沖縄の高級珍味。「イラブー汁」は伝統料理で、沖縄を訪れる観光客の名物にもなっています。イラブをスプーンで持ち上げてみると……!!
ひゃああああ!でしょうか?「イラブ」はウミヘビのこと。乾燥した状態で仕入れ、アク抜きや仕込みで7時間煮込み、てびちと一緒に2時間炊き上げ、と膨大な手間と時間がかかるそうです。
身の部分よりも、煮込んで最初に出るだし(イラブシンジ)に最も栄養(滋養強壮や免疫効果など)があります。
料理長いわく、沖縄県内では観光客相手に「イラブー汁」を出す専門店もありますが、高級食材な上に手間が大変で、家庭で出すケースは今、ほとんどないのではと。
琉球王朝時代から保護されてきた希少食材。沖縄の無形資産として私たちが次世代につないでいきたい、とコースに取り入れたとのお話でした。
「すっぽん沖縄そば」と食後の「甘味」にタームディンガク(沖縄産の芋を栗きんとんのように練り上げたもの)や石垣島産バニラビーンズを使ったアイスを堪能し、コースは終了。
イラブに元気をたっぷりもらい、部屋に帰ってぐっすり眠りました。
そして翌朝、ホテル内のオールデーダイニング「セラーレ」で朝食を。オープンキッチンとテラスがある開放的なレストランです。朝食が人気で7時台でも行列ができていました。
オムレツやハッシュドポテト、グラノーラの定番朝食メニューのほか、骨付きポークやフーチャンプルー、沖縄そばなど地元の伝統おかずもたくさん。
名物の「瀬良垣フレンチトースト」は特に人気で17枚食べたお客さんもいた、とはホテルの広報の方の話。
朝食を終えてまだ出発まで時間があり、最後に館内のプールでひと泳ぎ。貸切状態だったので1時間ほど夢中で泳ぎました。少々はカロリー消費できたかも。
そして正午に出発、東京に戻りました。わずか1泊、しかもほとんどホテル内で過ごしたながら本当に異次元体験をして帰ってきた、不思議な気分。食べて動いて、心も体も一新しました。
私は体験せずでしたが、モーニングヨガやシュノーケリング、海でパドルボートに乗る「SUP(サップ)」などのアクティビティーや、子ども向けのキャンププログラムもあります。夏は屋外のプールで泳いだり、プールサイドのバーでお酒を飲んだりも。
またふらりと戻ってきたくなる、贅沢で心安らぐ空間でした。
帰りの飛行機では晴天の昼間のフライトだったので、こんな景色が見られてラッキー!
記事とともに、沖縄好きの方、日本で体験できる海外のようなリゾート地を探している方、ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄、チェックしてみてください。
それでは、今日も最高においしい1日を!
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