フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

【西日暮里】老舗スペイン料理店「アルハンブラ」のフラメンコ鑑賞と、エンタメと食について思ったこと

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食限定の取材歴20年、フードライターの浅野陽子です。

都内のスペイン料理店で、友人が踊るフラメンコを鑑賞してきました。そのレポートです。

フラメンコで心を揺さぶられつ……「エンタメと食」って?

熱く踊る友人に心揺さぶられつつ、「食べる」ことについて新たな発想が……。

フラメンコって観たことありますか?私は今回で3回目。仲良しの女性編集者が踊る姿を見に行きました。

陽気だったり、ちょっと物悲しかったり。情緒的なギターと歌、手拍子に合わせて踊るのがフラメンコです。元はジプシーがスペインに渡り、迫害を受けた嘆きやメッセージに踊りをつけたのがルーツ。

友人の踊りから「私の今までの生き様を見て!」というメッセージが全身から伝わり、心揺さぶられました。

ただ今回、フラメンコ鑑賞でも初めてのパターンで。いつもちょっと違う、別の発見がありました。

それは鑑賞中の「食」について。

ショーを「飲みながら食べながら観る」快適さ

今回は「飲みながら食べながら観る」スタイルだったのです。これが新鮮でした。

開演の少し早めに席に付き、同じテーブルの人とワインで乾杯したり、パエリアなどを注文して食べます。普通のレストランと同じ。

しばらくすると会場が暗転し、フラメンコショーがスタート。この間はお客さんも手を止めます。お酒はそのまま、静かに飲んでいます。

踊り手のパートが終わると、会場が明転。一斉にカチャカチャ、カトラリーを動かします。

次の踊り手のパートが始まると再び暗転。お客は手を止め、お酒は飲み続け……の繰り返し。暗い中、静かに食べ続ける人もいました。

要は観客が常識の範囲で、食べたり飲んだりしながら楽しくエンタメ鑑賞をするのです。

これ、すごくいいなと思いました。

まずお客として気持ちがラク

固定席に直立不動、頭を動かしてはいけない、後ろの人の迷惑にならないよう、咳やくしゃみなど生理現象はなるべくガマン。給水はペットボトルから必要最小限のみ、食べ物のにおいをさせないように……。

映画館やミュージカルにありがちですよね。でも今回は一切ないのです。

がんじがらめにされない分、かえってショーに集中して、入り込むことができました。それでも音を立てたり、周りに迷惑をかける人なんていないです。出演者も目の前の観客が飲み食いしようが、演技にのめり込んでいる。

これって理想的だよな、と思いました。

なんで観客の飲食はダメなんだろう。歌舞伎の幕内弁当とか、相撲の枡席のお弁当とか、日本の伝統的舞台でもこの形は一般的なのに。ライブ式のエンタメが全部「食OK」なったら、もっとリラックスして楽しめるのに。

魚介のパエリヤ(3人分)。

スペイン風オムレツ。

フラメンコ開演前はみなさん、普通に楽しく食事。

暗転したら全員一気に手を止め、ショーに集中。

ミュージカルは数時間かかるのが普通。直立不動スタイルをやめて、こうやって自由な飲食を全部のエンターテインメントで解禁にしてほしいよなー。

そうしたら劇場だって飲食分の売り上げも立つし、みんないいことばっかりなのかなーと。

みなさんはどう思いますか?

普通にこちら、おいしいスペイン料理が楽しめるお店でもありました。よかったら行ってみてください。

それでは、今日も最高においしい1日を!

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