フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

フードライターが岡山出張で食べ歩いた、おいしいお店(割烹ランチ編)

前回の「岡山おいしいもの(夜編)」に続き、今回はランチ編です(岡山での観光話も少し)。岡山は名物料理に「デミカツ丼」(カツを卵と玉ねぎでとじるカツ丼でなく、どろっと甘辛いソースで食べる)があり、フードライターとしてはそちらも岡山で食べてみたくて、ものすごく迷いましたが…今回、延泊しても私のランチ回数猶予は1回のみ。あー。

迷った結果、前からどうしても行きたかった「柳川はむら」さんに決定。ちょっと贅沢な割烹ランチです。

贈り物でいただいた、おいしいお茶に惹かれること数ヶ月。

悩んだ結果、「柳川はむらに行こう!」と決めたのは、岡山へ出発する前。東京からすでに電話でランチの予約を入れていました。

そこまで興味を持ったのは、このお茶からです↓↓

岡山 柳川はむら

岡山 柳川はむら

岡山行きが決定するずっと前に、贈り物でいただいていた「柳川はむら」オリジナルの抹茶入り玄米茶。

上品でさっぱりして「なんておいしい日本茶!岡山の割烹のお茶なんだ、めずらしい」と思い、飲み終わったあとネットでまた買おうと調べたら、お店の情報は出てくるものの、遠方からお茶を買う方法は、どんなに検索してもまったく出てこない。

そんな折、出張で岡山にいけることになり、わー、お茶ももう一回買いたいし、ここで料理も食べてみたい!と、熱が止まらなくなり…ついに、行けることになったのです。

ついに岡山のお店へ!

岡山 柳川はむら

そしてついにその日が。柳川はむらさんの店舗へ到着!いやー、ドキドキしますねー。

カウンターに通され、ランチ開始。ランチメニューは3000〜5000円まで3種あり、今回は3000円(税・サ別)の「はむら膳」をオーダーしました。一番リーズナブルだけど、盛りだくさんでした。以下、順に。

岡山 柳川はむら

岡山 柳川はむら

「焼きなすと万願寺唐辛子の茶碗蒸し」

岡山 柳川はむら

太秋柿のごまクリームがけ 栗のせんべい」

岡山 柳川はむら

「帆立しんじょにきのこあん」 汁物?きのこあんしか見えない、と思ったら

岡山 柳川はむら

しんじょいました!やわらかくて、とろみがあるあんと、ちょっとだけ硬さを足した(でもやわらかい)帆立しんじょの、体が温まる料理。

岡山 柳川はむら

「鯛の黄身醤油」 昆布じめにした鯛に、卵の黄身の旨味がさらに重なり…最高です。

岡山 柳川はむら

岡山 柳川はむら

「はも入り丹波蒸し」。これもおいしかったー。

岡山 柳川はむら

「かぼちゃとズワイガニのコロッケ ココナッツクリーム カレー風味」

ここまでの品をよく見ると「味の優しいもの/少し強めのもの」「やわらかいもの/カリッとした食感のもの」が交互に出てきているのです。

食べて同じ印象を感じる料理が続かないので、途中で飽きず、さらにお腹も変にいっぱいになりすぎないで「次は何かなー」と楽しみに待てる。プロの技です。

岡山 柳川はむら

なるほど、とうなっていたときに、最後のごはんと汁物が来ました。 「かますのごはん なめこの赤だし 自家製の漬物」

岡山 柳川はむら

そして、結構食べているのに、このごはんが本当においしくて!かますの味わいと山椒をピリッと強めにきかせたごはんが合って、おいしい。少しだけおかわりをいただきました。すると、

岡山 柳川はむら

「お漬物も、おかわりお持ちしちゃいました」とさりげなく出してくださり…そして、最初のものと微妙に種類を変えてる!いや感動です(T_T) 

岡山 柳川はむら

「わらびもち 自家製の抹茶アイス あんこ」 デザートです。年柄、あまり甘いものも入らなくなっては来てますが、これは量がちょうどよくてするっと。しかしここでも…

ようじの入れ物まで美しく演出。なんという丁寧さ…しかも2本も入っていて。日本は心づかいの国なんだよね、どこまでも、、、

味や構成と、さらに見えないサービスにもひとしきり感動したのでした。

ここは家族の集まりとか接待とか、ちょっと贅沢なランチとか、大事な場面で行きたいお店です。海外ゲストの接待には特におすすめです。

「柳川はむら」 岡山駅徒歩7分 http://www.hinaichi.info/restaurant/yanagawa.html

帰りの新幹線まで少しだけ岡山観光(超メジャーなコース)

路面電車

ランチのあと、帰りの新幹線まで時間があったので、少しだけ岡山観光。岡山駅前には路面電車がたくさん走ってます。はむらから徒歩1分の「柳川駅」から一駅だけ乗って、

路面電車

城下駅」で下車。

岡山城

徒歩10分弱くらいで岡山城へ。

岡山城

岡山城は空襲でほとんど焼け落ちて、いまある姿は、戦後に復元したもの。だから近づいてみると結構新しい。聞いたら地元の人たちにはあまり思い入れがなく、倉敷などの方がおすすめだそうだけど、私は行ってよかった。

岡山城

一番上の天守閣から見る風景。現代人から見ると「ふーん」という高さでしかないけれど、いまから500年前に見たお城の偉い人たちは、この街が一望できる場所に立って、どんなに感動したんだろうと。

あと500年後の2517年、スカイツリーに登って「こんなので高いと思ってたんだ」、スマホを見て「こんなので便利だと思ってたんだ」と笑う、未来の日本人がいっぱいいるんだろうな…どこまでも妄想できて、すごく楽しい。

美しい庭園

後楽園

岡山城を観光するもう一つのメリットは、岡山市内で人気ナンバー1の観光地「後楽園」が近いこと。セットで効率よく回れます(入場券もセットで買うと割引になる)

後楽園

岡山城を見たあと、お城を背にして目の前の川を渡ると、

後楽園

後楽園にすぐ着きます。

後楽園

後楽園は、ただひたすら美しい、広いお庭。日本三大庭園の一つです。

後楽園

季節柄、紅葉を楽しむ人も多かった。広大で、極限まで手入れされた美しい風景に癒されます。

*岡山、楽しかった!*

後楽園を後にして、駅に向かったとき「あー、岡山楽しかったー!」と一人でつぶやいてしまいました。観光は、こういう超メジャーな場所だけでも、ちょっと時間があまったら足を運んだ方がいいです。気分が変わるから。

慣れた場所でいつもの生活をしていると、だんだん視野がせまくなって、物事をあまり大きくとらえられなくなってくる。めんどくさがらず旅に出て、現地に行ってもまためんどくさがらず何かを見て回ると、自分の身の周りについても、新しいことを感じます。

岡山旅前編はこちらを。

[blogcard url="https://asanoyoko.com/travel/okayama-gourmet"]