食限定の取材歴25年、フードライターの浅野陽子です。
今日は渋谷区にあるカウンターイタリアン「オルケストラ」の訪問レポートです。
2023年9月にオープン。シェフはイタリアの二つ星店でスーシェフ、都内のイタリアンでもシェフを務めた小川慎二氏です。
「劇場型レストラン」と書いているメディアもありますが、まさにオーケストラのようにシェフの美食を目の前で楽しめる魅惑のイタリアンでした。
まるで音楽鑑賞のように美食を楽しむカウンターイタリアン
なかなかファインダイニングの訪問レポートを上げられていませんでした。ちょっと前ですが2月に行ってきました。
2024年ミシュランガイド東京でニューセレクション掲載。
厨房を囲むように置かれたカウンターで8席のみ。
オルケストラという店名通り、音楽鑑賞をしているように、シェフの手元とそこから次々と生み出される美食を目の前で楽しめます。
シェフのおまかせコース1本(ディナー)のみ、一斉スタート
ディナーのみでおまかせコース1本のみ。17:30・19:30・20:30、いずれかの一斉スタートです。
この日食べたものを順番にご紹介。
先にプレゼンされた、いろいろなうまみが凝縮したスープに浮かんだ鶏肉入りトルテッリ。スープがすばらしかった。
「え、箱?」と思ったら、ピアノの鍵盤を模した食器にアミューズが入っていたのです。
甘海老のタルタル、炒めた玉ねぎが乗ったれんこんチップス、カブのムースとからすみ、国産の生ハムを使ったものなど4種。左半分4皿が一人分。
白いホワイトアスパラのソースと緑のゆずのソース。能登むすめ(ピンクの大根)と。
カキのフライをマッシュポテトと九条ネギのオイルで。
パスタ1つめ。エビのだしを含めた上品なタリオリーニ。キャビアのスパゲッテイーとどちらか選びます。パスタ好きのわたしは夢中でいただきました。
パスタ2つめ。これに悶絶。
シチリア産のトリュフが目の前でたっぷり削られ、香りだけでうっとりした後に……。
チーズたっぷりの下から濃厚な卵黄が現れ、パスタにからめていただきます。至福…。
魚料理は薪焼きで。絶妙な火入れ、皮がパリパリに焼かれた石鯛。しっとりした身にしゃくしゃくの菊芋が合ってて。
口直し。バジルのさっぱりしたシャーベットで。
メインディッシュはヤギの薪焼き。ラデッィキオと。鹿のジュと赤ワインのソースでい。あか牛のフィレとどちらを選びます。
デザートは福岡のあまおうとマスカルポーネのムース。
コーヒーをいただきました。チョコレートケーキと。
この日飲んだワイン
以下、飲んだワインを順番に紹介します。
ペアリングでお願いしました。最後だけ食後酒を追加。
ギリシャの白。香草のような香りで変わってたけど料理にぴったり。
最後、追加で食後酒を。あんずのリキュール。これが美味でした。
イタリアンというとカジュアルな感じがしますが、ひと皿ごとのポーションは少なめ、日本各地のすばらしい食材を集め、シェフの感性で仕立てたコースで。フレンチのようでした。
厨房を目の前に、まさに音楽鑑賞する気分でライブ感を楽しむイタリアン。本当に満たされました。
小川シェフの料理もすばらしかったし、ソムリエの矢島さんのワインセレクトと、また落ち着いた接客が本当に心地よかった。
カウンターで他のお客さんとの距離が近いのですが、客層もほぼ同世代、全員日本人。美食好きな大人が集まっててそれも居心地良くて。
誘ってくれたTちゃん、いつもありがとう!
予約はまだ取れるので、美食好きな方と少人数で、ぜひ行ってみてください。
それでは、今日も最高においしい1日を!
<こちらもどうぞ(過去記事)>