フードライター浅野陽子の美食手帖

“食べることがもっと楽しくなる”をお届けします(火木土に更新)。 食の取材歴25年のフードライター浅野陽子がレシピから名店レストラン、旅グルメや取材の裏話までつづるブログ。 著書『フードライターになろう!』発売中

【青山一丁目】東京にいながらシチリア旅行に行けるイタリアン「ドンチッチョ」 と、感じた平成と令和の違い

食限定の取材歴25年、フードライターの浅野陽子です。

今日は青山一丁目にあるイタリア(シチリア)料理店「トラットリアシチリアーナ  ドン・チッチョ」を紹介します。

2000年代初頭から大人気のイタリアンの名店。 2023年に表参道から青山一丁目に移転され、だいぶ遅くなりましたがやっと行けました!

ただあらためて、平成と令和の違いも感じましたねー。そんな話を書きます。

東京にいながらにしてここはイタリア、というかシチリア

入り口が奥まっていてちょっと見つけづらいけど駅近

銀座線青山一丁目駅の真裏、ちょっと入り口がわかりづらいけど一歩入るとまさにイタリア、というか南イタリアのシチリアの空気感そのもの。

オーナーシェフの石川勉さんはシチリア料理を日本で広めた先駆者

ワイワイにぎわってお客さんはみんな楽しそうにしていて。ファインダイニングなんだけど誰もかしこまっておらず、大きな声でしゃべって飲んで食べて、空気感はゆるゆる。でもおしゃれな雰囲気で、いわゆる「洗練」とは違うけどなんかセンスがいい。

1990年末〜2000年代のイタリア現地もまさにこんな感じでした。

柑橘類、ナッツ、アンチョビなどたっぷり、多様な文化が混じっているシチリア料理

燻製ニシンのサラダ、ブラッドオレンジソースとういきょう

南イタリアの料理って本当におおらかなのですよね。そして味は抜群。

生ハムとブラータチーズの盛り合わせ、いちご添え

一人分ずつ均等に取り分けてくれます

シチリア白。フルーティーですっきり、まさに「淡麗」なドン・カルロいただきました

イタリアは全20州ある島国で、元は日本のように別々の国。でも日本の46都道府県以上に、それぞれのお国柄や郷土料理ではっきりとした違いがあります。

メイン「カジキマグロのパレルモ風溶岩焼き」

シチリアはブーツの形の先端にある島で、その一つの島が一つの州。場所柄中東や他のヨーロッパの影響もあって魚介の発酵食品にナッツ、フルーツを多用するユニークな食文化です。

白金豚ラグーとカチョカヴァロチーズのフジッリ

岩手短角牛サーロインのタリアータ

ショートパスタはあっさりだけどあと引くうま味たっぷり、お腹に全然もたれない。

タリアータは「切り分ける」と意味。表面に味を付けてグリルした牛肉を薄く切り分けていただくイタリア版ステーキです。炭火の香りとやわらかい半生の牛肉が本当に美味。

令和の今も大人気、でも値段は高騰。この味と食文化継承、これからも続いてほしい……

ドルチェ(デザート)の「レモンのプリン」と「ゴルゴンゾーラチーズケーキ」

と、もちろん店の雰囲気も楽しさも料理もワインも最高で文句のつけようはもちろんないです。が、料理の値段がそれぞれ私がこの仕事を始めた頃の1.5〜2倍弱くらいになっている。

私たちの隣のテーブルでは、20-30代くらいの5-6人のグループ客が上品だけどめいっぱい楽しんでいて。

ワインのボトルを何本もポンポン抜いて、料理のあとデザートも全員がしこたま頼み、食後酒のグラッパやリモンチェッロまでがっつり。シェフも知り合いなのか、客席まで来て一緒に乾杯したりしてて。

若い人があんなに堪能して、見ていて嬉しくなったのですが、会計一人20,000円は余裕で超えているんじゃないかな?

いや、嬉しいですよ。私はおいしいものなら喜んでお金を払いたいタイプ。そしてそのおかげで、食の経験値も積めた。

ただいくらおいしくてすてきなレストランでも、そんな食にお金をかけるの難しい、という人も少なくない。そしてこの店が一人で高騰しているんじゃ決してなくて、為替や世の中の状況でどこもこうなっている。

その中、こういう本場の味にあんなめいっぱい楽しんで出費できて、日本の外食文化ずっと継承が続くといいな、と切に感じた夜だったのでした。

ぜひイタリアン好きの方、行ってみていただきたいです(飲み過ぎなければ一人1万円台でちゃんとおさまります!)

トラットリアシチリアーナ  ドン・チッチョ(公式インスタグラム)※予約は電話のみ受付
https://www.instagram.com/donciccio_tokyo/

それでは、今日も最高においしい1日を!

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