フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

調べても情報が少ない!「鯛の浜焼き」の食べ方とリメイクレシピ3つ

「鯛の浜焼き」って食べたこと、ありますか?贈り物でいただいたのですが、魚の姿そのままで届きます。食べ方に迷いましたが、リメイクレシピも考え、3日間かけて骨まで味わいつくしました。

オーブンでおいしく温め直す方法、食べて残った身やあらを、おいしく最後まで食べ切る方法を紹介します。

「鯛の浜焼き」とはこういうもの

「鯛の浜焼き」、届いたときの状態です。ピンポンと玄関のチャイムが鳴り、この箱を受け取りました。クール宅急便ではなく、常温(4月末で)です。

そして、箱を開けたら、薄紙に包まれたこれ一個だけが、そのまま入っていた。

保冷剤もビニールの真空パックもなく、いきなり魚!(汗)しかも「どうやって食べるか」のレシピも何も同梱されてません。

ググったり、「食材図典で調べたら、江戸時代から広島や岡山など、瀬戸内海の塩田で作られて来た「タイの塩蒸し焼き」だそうです。

冷蔵庫もなかった頃からあるから、こんなシンプルな梱包で、常温で届いちゃうのですね。

食材図典 3 地産食材篇
食材図典 3 地産食材篇
posted with amazlet at 18.05.14
小学館 売り上げランキング: 317,504

↑↑「食材図典」はこれ。フードライターのバイブルです。食の取材でわからないことがあったとき、これを見るとたいてい載ってます。

今回はこの「地産食材編」で調べましたが、「食材図典 I(生鮮食材編)」「食材図典 II(洋・中華食材がのっている)」も15年以上愛用してます。私の知り合いの、料理講師やレストランチェーンの本部の方にも活用されています。

食材図典 生鮮食材篇 食材図典〈2〉

おいしく食べる温め方(オーブンで焼き直してみた)

その日の夕飯のおかずにしましたが、電子レンジでチンするにはもったいなくて、オーブンで温め直しました。天板にオーブンシートを敷いてそのままのせて、200度に予熱したオーブンで10分加熱。いい感じになりました。

家族3人で、箸でつついてみると、身がふっくらして、ほどよい塩気があり、おいしい!白いごはんと味噌汁と一緒に、もりもり食べました。

それでも1回の夕飯では食べきれず、だいぶ身がついたまま残ってしまい…同じ家族で食べるのでよしとして、残りは翌日以降に、こんなリメイクレシピにしました!

リメイクレシピ1「きゅうりとみょうが入りのタイのまぜ寿司」

翌日は《きゅうりとみょうが入りの鯛のまぜ寿司》に。

あまったタイの身の部分を骨からはずすと、アジの干物一尾分くらいの量になりました。その日のうちに、身の残り全体に酒少々をふりかけ、レンジ500Wで30秒チン。冷めたら冷蔵庫で保存。

材料(作りやすい分量) ・タイの身の残り ・きゅうりの浅漬け(きゅうり1本に塩少々をまぶして板ずりし、さっと洗って水気をふき、5mm角くらいの角切りに) ・みょうがの粗みじん切り(2本分) ・しそ千切り(適量) ・炒りごま大さじ2 ・酢飯2合分(白飯に市販のすし酢をかける)

作り方

これをすべてまぜる。タイの塩気とすし酢の甘み、ごまの香りが合わさって、とてもおいしいお寿司になりました。味噌汁をつけて、簡単で満足する夕飯に。

リメイクレシピ2「鯛のあらだし」

浜焼きを食べた1日目、タイの身を取っても立派な骨や頭がたっぷり残っていて、捨てる気になれず…スーパーでは「あら」として売っているくらいの量だったので、「スープの素」にしよう!と思い立ちました。

で、作ったのが《鯛のあらから取っただし》です。

作り方

1)タイの骨や頭(あら)をざるにいれ、熱湯を全体にかけたら、水を切る。 2)鍋にかぶるくらいの水と一緒に入れて火にかけ、弱火で煮立てないように1時間静かに煮る。ペーパータオルなどでこす。冷蔵庫で保存。

時間がかかるので、皿洗いや子供の歯みがき、お風呂の支度などをしながらやりました。

リメイクレシピ3「シーフードカレー」

で、この初日に取っておいただしを使って、3日目の夕飯で作ったのがこの《シーフードとなすのカレー》です。

鯛のだしでブイヤベースも作れるので、カレーと迷いましたが、ブイヤベースだと有頭エビや魚の切り身など、豪華なメインの具がないと決まらないので、カレーに決定。

でもカレーは、我が家の場合、3歳の子供に合わせて、辛味抜きバージョンと2種類作らなきゃいけないので手間はかかるのですが…魚介のカレーは、あっさり甘辛い味でまたおいしかったです。

材料(4人分) ・鯛のあらだし1L弱 ・刺身用のいかの胴1ぱい分(食べやすい大きさに切って格子に切り目を入れる) ・えび8尾くらい(殻と背わたをとる) ・なす3〜4本(ひと口大に切る) ・しめじ少々(石づきをとってほぐす) ・にんにく&しょうがのみじん切り各1片分 ・玉ねぎ薄切り1/2個分(油・塩各少々をまぶしてレンジ500Wで2分) ・サラダ油、固形スープの素、カレー粉、ケチャップ、塩、赤唐辛子 (カレールーで代用してもよい)

作り方 1)鍋にサラダ油(大1)とにんにく、しょうが、玉ねぎを入れて熱し、10分くらい炒める。 2)カレー粉(大3)、ケチャップ(大2)、赤唐辛子1本を入れて軽く炒めたら、固形スープの素1個と鯛のだしを入れて塩ひとつまみを入れて15分煮る(市販のカレールー1/2箱でもよい) 3)フライパンにサラダ油(大2)を熱してなすをこんがり焼く(10分くらい気長に)。焼けたら、いかとえび、しめじと一緒に②の鍋に入れて7〜8分煮る。白いごはんにかけて食べる。

*骨の髄まで味わいつくせます*

「鯛の浜焼き」をオーブンでおいしく温め直す方法と、残った身を、最後まで食べ切る方法を紹介しました。同梱されているレシピがなく、検索できる情報が少なかったので、迷ったら参考にしてみてください。