フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

[レシピ]魚介をぐっとおいしくするバーベキュー用の下ごしらえ

日が暮れても暖かくなり、バーベキューにぴったりの季節がやってきました!バーベキューでは、肉と一緒に「魚介」も焼くと華やかになりますが、バーベキュー用に魚介を下ごしらえするやり方、ご存知ですか?

誰でも簡単にできて、おいしくなるレシピと、さらに前もって準備できる方法も紹介します。

BBQの分担は、肉より「魚介担当」になる方がお得

先日、10人くらいの大人数でBBQをやりました。食材は、「メインのBBQ用食材+つまみやおにぎり」を各自分担することに。

肉の方が手軽なので、「牛(や鶏)焼きます!」「ソーセージ持参します!」とみんな肉担当に希望が集中していたので、私は魚介を受け持ちました。

魚介のいいところは、他の人とかぶりにくいことと、スーパーでそのとき安くなっているものや、旬のものを買えば肉よりも手頃でお得なのです。しかもめずらしいので、「おいしい!」と参加者に喜んでもらえます。

以前、友人宅のBBQでイワシをいただいたことがあり、ホスト役の友人は「旬のイワシは安くていいよね!」と言っていたのですが、めずらしいし、庭で食べたイワシの塩焼きがまたおいしくて、感激しました。

下ごしらえする日はBBQ当日の何日前?

さて、魚介担当になったところで‥下ごしらえをするのはバーベキュー当日の何日前でしょうか?ここ大事なポイントです。

今回紹介するのは「バーベキュー当日に下ごしらえできない人が、前もってやっておける(しかも時間をかけることでよりおいしくなる)レシピ」です。

バーベキュー当日中や焼く直前に仕込むなら、好きな魚介類を洗って、普通におろしたり、貝類なら洗って砂吐きしておくだけでOK。

でも開催日以前、特に前々日に下ごしらえするなら、エビ・イカ・ホタテ貝柱を選んで、以下のレシピでやってみてください。

鮮魚担当の人に聞いた、「消費期限」のとらえ方

エビ、イカ、ホタテ貝柱は、パッケージを見ると消費期限はだいたい翌日になっています。でもどうしてもあとプラス1日がほしい!

魚介のバーベキューの下ごしらえ

いつも行っているスーパーの鮮魚売り場のベテランぽいお兄さんに、「よく洗って水気取って下処理して、オイルと薬味につけ込んでおいたら、あさってまで持ちますか?」と聞いたら「うちとしては『翌日』と指定してますが、調理するなら大丈夫です」と教えてもらいました。

にんにく、塩、オリーブオイル、唐辛子、タイムの王道レシピ

前置きが長くなりましたが‥レシピです。

《魚介をぐっとおいしくするバーベキュー用下ごしらえ》

魚介のバーベキューの下ごしらえ

材料(作りやすい分量) *無頭エビ 10尾くらい(中サイズ以上のブラックタイガーなど大きめのもの) *刺身用イカげそ 1パック分(130g) *にんにく 1片(薄切りに) *オリーブオイル(安いものでOK)・レモン汁1/3個分・塩・唐辛子・タイム(乾燥) ※魚介は今回はこれを使いましたが、イカ丸ごとや、刺身用ホタテ貝柱でもOK。

作り方

魚介のバーベキューの下ごしらえ

1)オリーブオイル大6、塩小1/2強、レモン汁、タイムひとつまみ、にんにく、唐辛子1本をボウルに入れてよくまぜる。

魚介のバーベキューの下ごしらえ

2)刺身用イカげそを洗い、ペーパータオルでよく水気をふき(これ保存用にとても大事!)

魚介のバーベキューの下ごしらえ

3)1の液につけ込む。今回少量なのでエビとイカを同じ液につけ込みますが、エビの下処理はやや難易度が上がります。

昔、料理誌の取材でイタリアンのシェフに習った安全に食べるやり方を紹介。

エビの安全な下処理、徹底解説します!

エビの下ごしらえ

4)エビを下処理する。エビの表面を水道水でざっと洗い、

エビの下ごしらえ

5)尾を少し落とす(ここに汚れがたまる。「日本以外の国ではエビの尾は絶対食べちゃだめ」と、別の水産業界のプロにも聞きました)

エビの下ごしらえ

6)キッチンバサミで背中に少し切れ目を入れ、

エビの下ごしらえ

7)竹串で優しく引っぱって、背わたを抜く。

エビの下ごしらえ

8)ボウルに入れて片栗粉少量をまぶし、

エビの下ごしらえ

9)軽くもみながら流水で洗う。こうするとばっちり汚れが取れます。一度習って、エビを使うレシピのときは、必ずやっています。水がすごくにごるので、毎回「やってよかった」と思います。

エビの下ごしらえ

10)そしてペーパーできっちり水気をふき、マリネ液につける。

魚介のバーベキューの下ごしらえ

11)ガラス容器に入れ、なるべく空気にふれないようにして「落としラップ」(食材の表面に触れるように、ぴたっとラップを貼りつける)

魚介のバーベキューの下ごしらえ

魚介のバーベキューの下ごしらえ

12)さらに容器の上からもラップをかけて二重にして、容器のふたをして冷蔵庫保存。これだけやればばっちり!

焼く時間はそんなに神経質にならなくてもOK

魚介のバーベキュー

この容器に保冷剤をつけて、保冷バッグに入れBBQ会場に運び、鉄板で焼きました。

エビ・イカは「焼きすぎると固くなるので焼く時間に注意」と言いますが、火が入ってないのも怖いです。あまり神経質にならず、表面がこんがりにおいしそうになれば、まずOK。

ハーブ・スパイスの効果は偉大

魚介のバーベキュー

そして焼き上がったのがこれ。にんにくの香りと魚介の旨味が両方凝縮されて、グリルの香ばしさも加わって、本当においしいです!!

魚介のバーベキュー

タイムの風味がつくと、「家で作ったとは思えない感」がすごく出ます。BBQでは、「レストランの味みたい〜!」と喜んでもらえました。

エビはきちんと掃除してあるので、焼けた殻ごとバリバリ食べられます。殻もおいしいのです!

白ワインが進むなー(っていつのまに飲んでるし)

マリネ液の唐辛子は、腐敗防止用なのでほとんど辛味は付きません。なので、辛いもの好きの大人は、カイエンペッパー(粉末状の唐辛子)をふってどうぞ。これもおいしいの。タイムもそうだし、ハーブとスパイスの効果は絶大です。

 

魚介バーベキューレシピ、いかがでしたか?肉以外やったことがないという人、ぜひ挑戦してみてください!このレシピ通りやれば、絶対うまくいって、BBQ仲間にも喜んでもらえますよ〜!