フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

人生初のフラメンコ鑑賞と外パエリアと家パエリア【レシピ】

先月、人生初のフラメンコ鑑賞をしてきました。新宿の伊勢丹会館にあるスパニッシュレストラン「ガルロチ」にて。

そして脳内がスペインいっぱいになり、また別の日にパエリアをランチで2回食べて、さらに家でも久しぶりに作ってしまいました。パエリアのレシピも最後にあります。

店内に舞台も!「フラメンコ鑑賞専用」のスパニッシュレストラン

場所は、新宿伊勢丹の裏にある伊勢丹会館の6階。紀伊国屋書店からも近く、昔からときどき行っているけど、ここにこんなお店があるなんて!知らなかったです。

ガルロチ

店内に入るとびっくりするくらい広く、中央には舞台が。

ガルロチ

舞台を囲むように客席がならび、すでに入っているお客さんは女性率高し。40代前後の方が一番多いでしょうか。

そして、舞台以外の照明が落ちて…始まりましたー!ガルロチ

日によって出演者が変わります。この日は、ヨーロッパや北米、中東など世界中の劇場に出演し、フラメンコの国家芸術コンクールほか受賞歴多数のパストーラ・ガルバンさんと、

ガルロチ

舞踏家歴42年、スペインのフラメンコ界では有名なホセ・ガルバンさん(パストーラさんの父)の親子セッション、計1時間40分。

激しいダンスと足のタップが、たえず続くのがフランメンコ

ガルロチ

フラメンコの踊りは本当にド迫力。

ガルロチ

ガルロチ

顔、腕、腰と体全体を使った激しい動きがエンドレスで続き、

ガルロチ

上半身の振りが大きく速いのですが、足も止まってないのです。♪タンタタン、ダダダダーン!という激しい音とリズムが、出演している間じゅう、たえずたえず、続いているのです。力強いタップが印象的でした。

後で聞いたら、音が鳴る専用の靴を履くそうで。

ダンサーは1公演やるだけで疲れるだろうなー。日頃から訓練していないと、とてもできない激しさです。

踊りの背景には、振りしぼるような生歌と生ギター

ダンサーが踊るための旋律は、生手拍子と生歌と生ギター!「Cante(カンテ)=歌担当」と2人と、ギター演奏者1名がまた激しく演奏!

ガルロチ

写真だといまいち迫力が伝わらないですが…ギターの演奏に合わせて、歌い手さんの男性二人が力強い手拍子(とてもスピーディーで激しい)でベースを取り、歌い、一緒に足も激しくタップし続けます。手・右足・左足のリズムが全部ちがうのがすごい!

ガルロチ

陽気な曲もあれば、心の底から振りしぼるようなときもあり…フラメンコギターのもの悲しいメロディに合わせて、切なく叫ぶように歌うときは、胸がちょっときゅっとしめつけられます。

ガルロチ

いやー、時間を忘れました。映画館でどっぷり2時間入り込んだあとのような。脳内異空間体験です。

お客さんは踊りと歌が一番盛り上がる見せ場で「オーレイッ!(OLE!!)」と合いの手の声をかけるのがマナーだそうで…ひんぱんにオレー!オレー!と声が上がっていましたが、私たち初心者テーブルは最後まで勇気が出ず(笑)

ガルロチ

ガルロチ

ちなみに料理はフラメンコ鑑賞とセット。この日は前菜(冷菜)とメイン(肉・魚から選べる)のコース(3,200円)をいただきました。

通常は約2時間のショーチャージ(3,800円)+最低1ドリンク&1フードのオーダーからが基本。あと舞台に近いいい席は、シートチャージ(800円)がプラス。

●タブラオ フラメンコ ガルロチ新宿駅徒歩8分、新宿三丁目駅徒歩2分) ランチ 11:00-15:00 ディナー 18:00-22:30 ※フラメンコショーはディナータイムのみ http://garlochi.net/

ガルロチ_rafael amargo 公演の後にいただいたチラシ。クリスマスから来月末までのこのラファエル・アマルゴさん公演、見たい…舞台から放たれるフェロモンすごそうです(笑)

外パエリアに、家パエリアとハマりまくる

この日以降、なんだか「脳内スペインモード」になり…フラメンコではパエリアを食べなかったのでちょっと不完全燃焼感があり、打ち合わせや取材前に、ランチでパエリアを2回も食べちゃいました。

パエリア

これは都内某所のある有名スペイン料理店。見た目はおいしそうで、具材も豪華なんだけど、食べるとどうも塩の決め方が甘い…調べて行ったのになー。

パエリア

こちらはおいしくて満足でした。赤坂Bizタワー内にあるスパイン料理店「Bikini(ビキニ)」の「魚介と鶏肉のミックスパエリア」。さすがミシュラン・ビブグルマン(食事料5000円以下のおすすめ店部門)取得。

塩分もちゃんと濃すぎず薄すぎず、米の食感が「固やわらかい」というのか、煮えているのに表面がゴリっとしておいしかった。

そして、家でも作りました。パエリア鍋がなくてもできる、省略しまくり(でもおいしい)レシピです。

フライパンで、オーブン不要で作れる「あさりと鶏肉のパエリア」

パエリア

★材料 4〜5人分 ・鶏もも肉…1枚(塩ひとつまみ、こしょう・酒少々をもみこみ、耐熱容器に入れラップして電子レンジ600W6分) ・あさり…1パック(砂ぬきする) ・にんにく…2片分(みじん切り) ・玉ねぎ…1/2個分(みじん切りしてラップで包み、電子レンジ600W2分) ・パプリカ(赤)…1/2個分(種とワタを取って細切り) いんげん…10本(半分の長さに切る) ・市販のトマトソース…1/2カップ(パスタソース用で売っているもの) ・米…2カップ(研がないでそのまま使う) ・オリーブオイル、コンソメの素、塩、こしょう、カレー粉、パプリカパウダー(あれば)、水 ※メモ:白ワインかビール(発泡酒でもOK)があるとなおよい。白ワイン1/4カップ+残りを水、またはビールと水各1カップでも。

★作り方 材料をすべてカッコの通り下準備し、鶏もも肉は粗熱がとれたら6〜8等分に切るフライパン(26cm以上の大きめ)にオリーブオイル(大3)を熱し、いんげんを3分いためる。玉ねぎを入れて軽く色づくまでいため、にんにく、米を入れて3分いためる。パプリカ、トマトソース、コンソメの素1個、水2カップ(上記メモ※の通りでも)、塩小さじ1/2、カレー粉ひとつまみ、パプリカパウダー少々を入れて強火にかけ、沸騰したら火を弱火にしてあさりと鶏もも肉をならべてふたをして20分蒸す。

パエリア

本当に省略レシピです(^^; 絶対に省略できないのはあさりとトマトソースとにんにく。鶏肉も少しでも入れるとぐっとおいしくなる。それ以外は、いんげんの代わりにエリンギ使ったり、そんなにガチガチにしなくてもだいじょうぶ。

サフランの代わりに、私の実家ではカレー粉でいつも作っていました。厳密には風味がちがうんだけど、おもてなしのときお客さんはみんな喜んでいたので、家レシピならいいかなーと。サフランは少ししか入ってなくて高くて、パエリアとブイヤベースで少量しか使わないので、いつも長期保存になっちゃうので…

*スペインに行きたい*

イタリア、フランス、イギリス、ドイツ、ギリシャ、スイス…ヨーロッパは結構、同じ国も複数回行ってますが、こんな記事を書きつつも、スペインにはまだ行ったことがなく…あー、行きたい! 以前「スペインを旅行して、お腹がはちきれるほど毎日おいしいもの食べていたのに、帰国して体重計に乗ったら自分も、一緒に行った仲間も全員やせていた」という話を知人から聞いて仰天し…魔法の国じゃないですか!そんなミラクルは起きないだろうけど…行きたい!