フードライター浅野陽子の美食の便利帖

フードライター、食限定の取材歴20年。生パスタの専門家。執筆実績『dancyu』『おとなの週末』『日経MJ』『AERA』『NIKKEI STYLE』『TimeOutTOKYO』/書籍『おいしい無印良品』/TV出演『バイキング』『TVチャンピオン』ほか/東京都出身、青山学院大学国際政治経済学部卒、ダイヤモンド社を経て独立。ご連絡は asano.yoko[あっと]gmail.comへ

[ニュース解説]東京オリンピックの弁当廃棄問題、本当はどう解決すればよかった?

TOKYO2020の画像

2021年7月6日に撮影(東京・八重洲

こんにちは、フードライターの浅野陽子です。

今日で東京オリンピックも開催11日目。

日本勢のメダルラッシュや試合結果の引きこもごも、選手村でのできごとなどオリンピック関連のいろいろなニュースが飛び交っていますが、今回はオリンピックで起きた、この食の問題について書きます。

4000食分の弁当廃棄に批判殺到

オリンピック関連の報道で、最近特にセンセーショナルだったのがこちらの「東京五輪組織委員会の弁当廃棄問題」。

news.yahoo.co.jp

7月23日の開会式で大会ボランティアに用意された弁当4000食分が消費期限前に廃棄されたほか、各会場で大量の食品ロスが生じているそうです。

これには、

  • 単純にもったいない
  • ボランティアの数が減るのを前提に調整できなかったのか
  • オリンピック・パラリンピック大会中のミッションである「サステナブル(持続可能性)」と矛盾している
  • 廃棄する前に困窮する家庭など、必要としている人たちに配れなかったのか

 

などたくさんの意見が出ています。

先日も書きましたが、私は2016年から今回のオリ・パラを通じて食のサステナブルが進むと信じ、取材活動を進めてきました。

サステナブルとは真逆のこのニュースを聞いて、「あーあ」とは思いました。

ただ「貴重な食べ物をムダにして、大会組織委員会、けしからん!」とは思えませんでした。

文句より現場を想像するとパニック

 

私はある1セッション分(バドミントンの下位試合)だけ、観戦チケットに当選していました。

チケットに当選したのが2019年の秋。

そしてチケットを持っていた観戦日は7月28日でしたが、「最終的に無観客が決定しました。楽しみにしていたと当選者の方はすみません、今後順次払い戻しします」という

「おわびメール」が来たのが7月10日。

2年越しでチケットを取ったのに、無観客(&払い戻し)の正式決定が開会式の2週間前。

運営側で、実際にオペレーションを行う現場の方々の混乱と数々の調整……普通にオリンピックを成功させるだけでも大変なのに、このゴタゴタ、一体どれほどの混乱が起きているのか、現場の大変さを想像すると、もうこちらまで心身ともにおかしくなりそうです。

「決めてくれるリーダー」不在が根本的な問題

今回の東京2020大会では、153の国と地域が参加しました。

仕事で参加者20〜30人規模のイベントをやるのでさえ半年がかりで準備し、いろいろ大変だしロスも出てしまうというのに、この国際的一大イベントで開催2週間前まで最終方針が決まっていない、ということが、どれほど現場に負担がかかったかというのか。

誰も経験したことがない、この未曾有の事態。

結論はわからないのだから、有観客でボランティアも多数稼働する前提で、とりあえず発注した結果、余って行き場がなくなってしまったのでしょう。

しかし、前出の開会式当日に出た4000食のロスは、単なる「廃棄」ではなく飼料とバイオガス化処理をして、二次利用したそうです。

これ以上の理想策を求める方は、ご自分が担当者だった場合、方針を確定してくれるリーダー不在の中、さらなる良策を実現できたのでしょうか。

 

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