こんにちは、フードライターの浅野陽子です。
今日はあの「無印良品」が、団地のリノベを手がけたというこのニュースについて、ひと言解説します。
築47年の団地(横浜・府中)の一室を無印流にリノベし販売開始
無印良品(住宅事業を展開するMUJI HOUSE)が、築47年(1974年に建設)の団地をリノベし、今月2021年7月から販売開始したそうです。
無印は今後もこの団地リノベ事業に力を入れ、年間100軒ベースで販売していくとのこと。
無印良品が「築47年の団地」をリノベーション。価格1990万円の物件を現地取材 | Business Insider Japan
こちらの記事には、リノベ完了後の各部屋の写真付きで、詳細が書かれています。
私は2年前に出た「おいしい無印良品。」という書籍を部分的に執筆担当したことがあり、このニュースを大変興味深く読みました。
シンク下が“がらんどう”のキッチンがめちゃくちゃ実用的
この書籍の取材で知りましたが、日本国内での無印ブランドの一番の支持層は40代女性ですが、無印には年代問わず一定の強いファンがいるので、この団地もすぐ買い手がつきそうです。
ただこのキッチンは、非常に面白いと思いました。
特に無印ファンでなくても、料理好きな人にとって最高に使い勝手がよいのではと。
記事内の写真を見ていただきたいのですが、シンクのあるキッチン台の下が「がらんどう」状態なのです。
日本でリノベをして、システムキッチンを入れたらシンク下は大体ビルトインの食洗機やオーブンレンジ、食器を入れる可動棚などが最初から勝手に入っているのが基本です。
ある程度オプションで好きに変えられるメーカーもありますが、基本的には固定です。
つまり、使い始めて「この棚いらない」「この場所にはごみ箱を置くのが一番便利なのに、なんでこの位置に食洗機入っちゃってるんだろう」とか、いろいろ不満が出てきます。
でもこんながらんどうだったら、カスタマイズ自由自在。
しかも家族が増えたり減ったりして生活が変わったら、その変化に合わせたカスタマイズもどんどんできるわけです。
また、キッチンの収納に無印の収納ボックスが便利なので使っている人も多いですが、そのモジュールも、きっと無印のいろんな整理グッズがぴったり収まるように設計されているはず。
無印では細かいグッズだけでなく「棚」も売っているので、そういった大型の商品もがちっと収まるのでしょう。
それを、入居後に暮らしながら、自分が一番使いやすいように、自由に設計しているのです。
うらやましいです。
家は「キッチンがうまく収まるとそれだけで8割成功」
私も今住んでいる家のリノベで経験済みですが、家って「キッチンが自分好みでうまく収まると、それだけで8割くらい成功、生活が快適になる」のですよねー。
他にも間取りをなくしたり、寝室にも取り外し可能な棚を設置してあったり、いろいろアレンジが聞いて使いやすそうです。
無印の家なら、将来売りたいと思った時もきっと買い手がつくでしょう。
何よりアレンジ自在のこの形態、20代の若い世代がここを一軒目の家として住むなら、「家を自分が住みやすいようにセッティングする力」がめちゃくちゃ付きそうです。
20代で何もわからず親が勧めるままに建売住宅を買い、「あー、もうここが使いづらい!」「なんでここにここが固定されているんだ!」とイライラしながら20年以上過ごした身としては、いろいろトライアンドエラーが気軽にできるのがとても素晴らしいと思います。
この圏内で家を探し中の方は、見てみてはいかがでしょうか。