フードライター浅野陽子の美食手帖

“食べることがもっと楽しくなる”をお届けします(火木土に更新)。 食の取材歴25年のフードライター浅野陽子がレシピから名店レストラン、旅グルメや取材の裏話までつづるブログ。 著書『フードライターになろう!』発売中

【映画評】 『プラダを着た悪魔2』は私の四半世紀!フードライターが号泣した理由

食限定の取材歴25年、フードライターの浅野陽子です。

土曜なので読書レビューの日ですが、今日は話題の映画『プラダを着た悪魔2』を観てきたばかりなのでその感想を書きます。

SNSで話題、20年ぶりの続編

ちなみに『プラダを着た悪魔』の1はみなさんご覧になっていますか?1は2006年公開なのでもう20年前の作品なんですね。

当時はSATC(『セックス・アンド・ザ・シティ』)を筆頭に、こういうアメリカのおしゃれお仕事ドラマや作品が日本で大人気だった時代。

『プラダを着た悪魔』1も、NYの最先端ファッション誌を出す出版社の、キラキラな仕事風景とそこで働く女子たちの葛藤を描いてヒットしていました。今回の『プラダを着た悪魔2』は、その20年後の話です。

 

オールドメディアの凋落、でもメディア以外のどの業界でも起きている

メリル・ストリープの「老けなさっぷり」もスゴい

20年前、NYのおしゃれな出版業界ではキラキラした世界の反面、パワハラ・モラハラ・激務は当たり前。

それについて来られない奴はここで働かなくてオッケー、という雰囲気。でもスマホとSNSの台頭や、時代の変化で大手メディアはそこまでの力が無くなり、パワハラなんかも全部NGになった。

日本で起きているのと同じことが、NYでも起きていました。

私は大学卒業後、新卒から出版社に入社しました。それ以来ずっと出版業界なので、2006年よりもっと前、1990年代からメディア業界の空気を知っている。もう観ていていろんなことを思い出し、エンドロールが流れる頃は号泣。

まるで「私の四半世紀」を見せつけられているようでした。

職人 vs 商売人

パワハラや健康を損ねるような過重労働はもちろんいけないし現代に合っていない。

でもそうやって、自分のすべてを賭けて素晴らしいものを作っている人たちはいて。彼らは、もうやり方を変えられないんですよね。職人なのです。

そして一方、商売なのだから、どれだけ時間をかけて素晴らしいものを作っても、雑誌が買われない、読まれなければ意味がない。続ける意味がない。

20年前は、「いいものを作れば誰かが見つけて熱烈に支持してくれる」流れがありましたが、今はそうではない。もう時代に合っていないんですよね。全部わかりすぎて、切なかったです。

メディア業界以外でも響いている

私が見たのは渋谷で、平日午前中だったのですが、大劇場だったのにほぼ満席。女性が多かったです。いろんな世代がいました。

私はまさに出版業界なのでドンピシャでしたが、周りでも「自分の仕事人生を見ているようだった」と私と同じ感想を言っている人が結構いて。いろんな人に響く作品なのだなーと思いました。

ちなみに「食」がいろいろな演出の小道具として各シーンで使われていたのも、フードライターとしては興味深かったです。

細かくはスタンドエフエムの音声配信でも解説しているので、ぜひ(無料で聴けます→「#13 フードライター、エンタメを食から語る|『プラダを着た悪魔2』私の四半世紀」)。

華やかなファッションショーの場面は映画館の大スクリーンで観るのがおすすめですよ!

それでは、今日も最高においしい1日を!

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