フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

アウェーで家ごはん:「鶏ささみと生ハムのチーズロール」

■最近いろいろあって、実家で両親のためによくごはんを作っています。結婚前は長年住み慣れた実家だけど、毎回とにかく思うのは、自宅以外の場所で料理をするとまあやりにくいということ(^-^;

■調味料、道具、乾物、皿とグラスの収納場所…多少場所を覚え出しても、それでもやりにくい。普段自分の思っている感じで作業を進めようとすると、とてつもなく大変。要は、サッカーに例えれば「アウェー」なんですね。

■いま、自分のキッチンではとにかく「動線を考慮したうえでのモノの置き場所」にこだわっているので、実家ではよく使う平皿の前に、あまり取り出さない背の高いグラスが置いてあったりするとイライラ(-_-X)

Photo ■そんな環境なのになぜか先日、「鶏ささみと生ハムのチーズロール」というおそろしくめんどうな料理に挑んでしまいました。両親のリクエストで「いただきもので中途半端に残った生ハムを使い切りたい」&「とにかく濃厚な料理は×」という2条件があったため。

■鶏のささみを薄く開き、たたいて伸ばして塩こしょう、そして生ハム→青じそ→チーズを順にのせてのり巻きのように巻き、小麦粉→卵→パン粉の衣を付けてじっくり20分くらい揚げ焼きする、というメニュー。「挑んだ」と言っても自分の家では作っていたので、実際は3度目くらい。しかし工程が多く、実家ではどうなることかと思いながらもトライ。衣をつけるあたりが一番じたばたしたけど、結果的にまあまあうまくできた。

■実家のいいところはガス火なところ。我が家はIHです。IH草創期に早くも導入したけど、IHと作り比べると、やっぱりガスの方が「素早く」「むらなく」火が入り、料理ジャンルを問わずおいしく作れると個人的には思う。この料理も、IHで20分焼いてもこのカリッと揚げ焼き風の風味にはならない。衣がどこかべたっとしてしまう。

■逆にIHがガスより圧倒的に勝っているところは安全性。IHなら調理中、レシピ本をコンロ間近においても、燃える心配ゼロです。安全性かおいしさか、とても迷う要素…どっちの重要と考えて取るか、これがガスとIHに悩む場合の、明確な選択ポイントだと思っています。