フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

完全栄養食※ベースパスタ(BASE PASTA)は本当にまずい?食の取材歴20年のフードライターが食べてみた

完全栄養食※の「BASE PASTA(ベースパスタ)」を知っていますか?1食で1日で成人に必要な栄養素の1/3が摂れるという世界初の商品(2019年に「BASE NOODLE(ベースヌードル)」と名称変更)。

しかし検索すると「ベースパスタ まずい」と出てきたり、フードライターとしても気になっていたのですが…実際に試食できる機会をいただいたので、今回は自分で作って食べてみた感想を本音でレポートします。

※「完全栄養食」とは「栄養素等表示基準値に基づき、脂質・飽和脂肪酸・n-6系脂肪酸・炭水化物・ナトリウム・熱量を除いて、すべての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む」を意味します。以下同じ。

完全栄養食「ベースパスタ(BASE PASTA)」とは

BASE PASTA(ベースパスタ)

ベースパスタ(BASE PASTA)とは、「1食で1日に必要な栄養素の1/3を摂取できる」というコンセプトで、2017年に発売された食品のこと。

2019年11月時点では100万食を売り上げ、大ヒットしているそうです(プレスリリースより)。

「健康にいい食事=いろいろな食べ物の栄養素をバランスよくとるのが大事」ということは誰でも知っています。

それをタンパク質、ビタミン、ミネラル(カルシム、亜鉛カリウムなど)など細かい栄養素にまで落とし込み、1食で1日の1/3量がカバーできるように作られたのがこのベースパスタ。

Amazonと販売元のベースフード株式会社のサイト(「完全栄養の主食 BASE FOOD スタートセット」)からも買えます。

 

これがベースパスタの基本セット

BASE PASTA(ベースパスタ)

こんな感じで冷凍で到着。麺を見ると日本のそばのような、ちょっと茶色がかったストレート麺。

BASE PASTA(ベースパスタ)

専用のソースやタレも、パスタと一緒に冷凍で付いてきます。

パスタ単体でもすでに栄養バランスは整っていますが、チーズやキャベツ、肉、卵など自由に具材を足してもよいそうで、これは料理好きとしては燃える!ということで、がっつり作って試食しました。

本当にまずいの??でもいくら体に良くても味が悪かったら100万食は売れていないはず。まずは自分で食べてみないと!

まずはベースパスタ&ポモドーロソースを試食

BASE PASTA(ベースパスタ)

イタリアンは得意なので、どんどん作ります。

付属のポモドーロ(トマト味のソース)に合わせてペスカトーレ風にすべく、冷蔵庫にあったエビ、パプリカ赤、マッシュルームを使用。

イタリアンの基本、「冷たいフライパンにつぶしたニンニクとオリーブオイル(1人前大さじ1.5杯目安)を入れて弱〜中火にかけ、ニンニクのいい香りがしてきたら具材を入れて火を強めて炒める」を順番にやっていきます。

BASE PASTA(ベースパスタ)

具材に火が通ったら、軽く塩・コショウして付属のポモドーロソースを入れて温め、ソースは完成。

この間にベースパスタをゆでます。

電子レンジを使ってもできるようですが(ゆで方のレシピも添付)、初回なのでゆでてみました。ゆで湯の塩は入れても入れなくてもOK。通常のパスタと違って熱湯で3分ゆでるだけ。早い!

BASE PASTA(ベースパスタ)

ゆで上がったパスタとソースをからめて完成。見た目は手打ちパスタのようですが…食べてみます。

BASE PASTA(ベースパスタ)

パスタの味が濃い!塩気が強い、のではなく「麺そのものの味(胚芽パンのような味で、もっと甘みがある)」を強く感じる。食感もパスタより噛みごたえがあります。

しかしパスタって、単体ではそんなに味を感じないですよね?パスタの味が濃いという経験はまずないので、この違和感を「まずい」ととらえてしまう人が多いのでは。

決してまずくはないです。トマトソースと一緒に、胚芽パンを食べているような感じです。

続いて豚骨醤油ラーメンを試食

BASE PASTA(ベースパスタ)

次は付属の「豚骨醤油」のタレを使ってラーメン風に作ります。

BASE PASTA(ベースパスタ)

家の冷蔵庫にあったホウレン草、モヤシ、チャーシュー(市販)、写ってないけどエビをトッピング具材に使用。

これはパスタより簡単。

具材をそれぞれ準備し(ホウレン草とモヤシをそれぞれ下ゆで、エビは殻をむいて背ワタを取って塩ゆで)、熱湯でタレを溶かしてスープを作り、ベースパスタをゆでて最後に合わせるだけ。

BASE PASTA(ベースパスタ)

試食します。

BASE PASTA(ベースパスタ)

オオオ…ひと口食べてわかりました。

おいしいんだけど、ラーメンの場合は、日本人はパスタよりさらに強烈に「ラーメンの麺はこういうものだ」という先入観を持って食べようとするので、より違和感を感じてしまうのかもしれない。

また、スープと一緒にこのパスタを味わうと、ラーメン独特の「ツルツル」「シュルシュルッ」とした食感がないので、「なんかボソボソだなあ」というネガティブに感じてしまうのです。麺単体では決してまずくないのですが。

 

BASE PASTA→「BASE NOODLE(ベースヌードル)」へ名称変更。もう一回試食。

BASE PASTA(ベースパスタ)

実は上のベースパスタ二種を試したのは2019年3月。

その後、2019年7月に「BASE PASTA(ベースパスタ)」からBASE NOODLE(ベースヌードル) に名称変更したそうで、もう一回試食してみることに。

今度はボロネーゼソースと中華あんかけソースが付いてきたので、また作ってみます。

ボロネーゼを試食

BASE PASTA(ベースパスタ)

ボロネーゼとは、イタリア語でミートソースのことです。

ひき肉が入ってソースはこれだけでも完成形なのだろうけど、普通のミートソーススパゲッティを作るときでもトッピングをいろいろ足すとよりおいしいので、家の冷蔵庫にあったナス、ピーマン、マッシュルーム、そして卵を温泉卵にしてトッピング。

温泉卵は2年前に買った我が家のオーブンレンジ「パナソニック ビストロ 」で作るとあっという間にできます!

こちらの過去記事も参考に↓↓ 「まさに時短革命!すごすぎる2018年の電子レンジ比較まとめ(ビストロ/ヘルシオ/石窯ドーム)

BASE PASTA(ベースパスタ)

野菜を炒めている横でボロネーゼソースの袋を温め(このお湯をまた使うので、袋は水道水できれいに洗う)、

BASE PASTA(ベースパスタ)

その後、同じお湯で3分ベースヌードルをゆでる。

BASE PASTA(ベースパスタ)

ベースヌードルを皿に盛り、ソースをかけ、炒めた野菜と温泉卵を乗せて…完成!

パスタの味はまたも濃厚ですが、普通においしい。こういものだと思えば、嫌ではない。ポモドーロを食べたときと同じ印象でした。

中華あんかけそばも試してみた

BASE PASTA(ベースパスタ)

最後に「中華あんかけ」も作ってみました。

BASE PASTA(ベースパスタ)

五目あんかけ焼きそばを作る要領で、チンゲン菜、タケノコ水煮(市販)、シイタケ、イカ、生キクラゲ、ニンニク・ショウガ(みじん切り)、豚ひき肉少々を使用。

BASE PASTA(ベースパスタ)

フライパンに油(大さじ2)を入れて加熱し、ニンニク・ショウガを炒め、香りが出たらひき肉を入れて塩・コショウ。イカ、タケノコ、シイタケ、チンゲン菜(茎→葉の順)、生キクラゲを入れてさっと炒め合わせる。

最後にソースを入れる。

BASE PASTA(ベースパスタ)

お湯で3分ベースヌードルをゆでて、皿に盛り、合わせたソースをかけて完成。

BASE PASTA(ベースパスタ)

4つのソースの中で、これが一番おいしかったです!

あんかけソースのとろみがベースヌードルのボソボソ感(実際はそんなボソボソしてないんですが、中華麺を先にイメージすると、どうしても乾燥感を感じがち)をカバー。

また中華風のこってりした味付けが、麺自体の味の濃厚さとも合ってました。

結論:従来のパスタを想像するとすごく違和感があるが、「別の食べ物」と考えるとイケる。しかも腹持ちが抜群

BASE NOODLE(ベースヌードル)

というわけでベースパスタあらためベースヌードル、しっかり4回食べてみました。

結論は、味が「まずい」のではなくて、従来、日本人が食べ慣れてきた「パスタ」や「ラーメンの麺」を想像しながら食べると、味や食感にたしかに違和感を感じます。

でも商品名にとらわれず「食事できちんと栄養を摂るための、別の食べ物」と考えて食べると、決して味は悪くない。

しかも驚いたのは満足感や腹持ちのよさでした。しっかりお腹にたまり、そのあと外で遊んで動いて4〜5時間経っても、まだすっきりと満たされている感じ

完全栄養食なので、これだけ食べ続けても痩せません。しかし満足感で余分なおやつや完食も食べる気分にならないので、長期的に過食防止にはなるんじゃないでしょうか(あくまで私個人の感想ですが)。

気になった方はまずおためしセットを食べてみては。