フードライター浅野陽子の美食手帖

“食べることがもっと楽しくなる”をお届けします(火木土に更新)。 食の取材歴25年のフードライター浅野陽子がレシピから名店レストラン、旅グルメや取材の裏話までつづるブログ。 著書『フードライターになろう!』発売中

【読書評】 無印の食はなぜヒット連発?フードライターが“中から見た”話も『おいしい無印食品』

食限定の取材歴25年、フードライターの浅野陽子です。

今日は土曜なので本の話を書きます。

今回はちょっと特別な一冊。

あの無印良品のすべての食(ドリンク含む)が一冊にまとまったユニークな本です。実は私も制作に関わっています(著者ではないので本が売れても印税は入りません)。でもムジラーでなくても、面白い本なのでご紹介。

おいしい無印良品。

無印の“食(ドリンク含む)”が一冊にまとまった本

文字通り、無印で売っている食べる・飲む商品のことが全部ここで紹介されています。

無印良品と言えば文房具や収納、オフィス用品、衣類が有名ですが食品もいっぱい。

しかもグリーンカレーやバターチキンカレー、毎日かき混ぜなくていい「ぬか床」、不揃いバウム(高品質の高級バウムクーヘンの端切れだけを片手で食べられるようにしたお菓子)、「チョコがけいちご」など。食のヒット商品も多いんですよねー。

これらの開発秘話と、また著名な料理研究家たちや無印の社員によるアレンジレシピなども載った、「無印の食に関する情報もりもり」な一冊。

実は私が1章分取材&執筆担当しました。取材大変だったー

この本、実は私も一部、制作を担当させていただきました。全5章のうちの1章分だけ取材&執筆しています。

著者じゃないので原稿料だけいただく形の仕事。なので安心してください。本が売れても私に印税は1円も入りません(笑)

1章分だけ書いてます

当時は無印良品の本社は池袋にあって。食の商品開発担当者(全社で5人しかいない)にほぼ半日・数時間、がっつり取材して大変だったー。

無印は一切マーケティングをしてない、なのにヒット商品連発

取材してすごいな、と驚いたのは、無印は普通のメーカーなら必ずやる市場調査やマーケティングをしないで、あのヒット商品を毎年連発していることです。

本にも私、しっかりそのことを書いています。

「今、世の中で何が流行っているから」「こういうものがきっとウケるから」という考え方に、社内の人は一切興味がない。

「こういうものを作ったら無印らしい・私たちっぽい」という直感だけで新商品を開発し、世に出して日本だけじゃなく海外でも爆売れする商品を量産しているのです。小さなメーカーならまだわかるけど、あの世界のムジがそれやっちゃって、地球規模で売れているんですよ。すごくないですか?

なんでそれで成功する?(完全に個人的意見です)

なぜ、それであそこまで成功しちゃうのか?日本の食品業界最大ミステリの一つではあります。

当時はインタビュー中、社員の方々が商品を「あの子」「この子たち」と呼び、「〇〇(商品名)は19××年にこういう意外ないきさつで生まれた」など各商品への細かい記憶力と思い入れに若干引き気味ではあったのですが(笑)だんだん、無印の社員一人一人が強烈なユーザーであり、プロデューサーという高い熱量がブランドの一貫性を生み出し、ヒットにつながっているんだと気づいたのです。

りえママが大女優・宮沢りえを生み出したように、ヅカファンが1世紀以上続く不動の宝塚ブランドを支えているように、強い愛というものは強烈なブランドになり、ヒットを世に出すのだと。

私も銀座の無印や自宅近くの大型店舗に何度も通って研究するうち、本が校了(版下作業が完成)する頃、立派なムジラーになりましたよ。

今じゃあ「MUJI HOTEL」もあるし、過疎地の道の駅まで進出している無印。

2019年発行の本で若干アップデートが必要な部分もありますが、もし興味ある方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。書店だけじゃなく、無印の店舗に置いてありますよ。

それでは、今日も最高においしい1日を!

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