フードライター浅野陽子の美食手帖

食の取材歴20年のフードライター(子育て中)がレシピ、レストラン、仕事話などを紹介するブログです。著書『フードライターになろう!』全国書店で発売中。

スウェーデンVIP「来日グルメツアー」をプロデュース_前編

ずっとブログ更新せずすみませんでした。


先週1週間、私がヨーロッパでのワイン取材で知り合った、

スウェーデン版・田崎真也さんのような、ソムリエ出身の超有名ワインコンサルタント+その友人で、食に造詣の深いVIPな方々計17名が来日し、

東京での夕食を私がすべてコーディネート、ベタ付きで解説するという仕事を受けておりました。


スウェーデン田崎さんが私に出した条件は以下の4つ。

「料理の金額はいくらでもいいので、とにかく全員が満足する場所&メニューを」

「神戸牛を必ず1回食べたい」

「NOBUに1回行きたい」

「居酒屋に行きたい」


スウェーデン田崎さんとは去年の8月からほぼ1年間、英語でメールをやりとりし、お店候補を提案して承認をもらい、お金を交渉し…と何十通とメールを出し合いながら準備してきたので、

彼らが日本に無事到着しただけでも感慨深いものがありましたが…


初日はリクエストの居酒屋にまず案内。


浅野陽子クッキングサロン-020 - コピー


靴を脱いで掘りごたつに座り、ジャケットをも脱いでまわりの人とくっつき合いながら

和気あいあいと日本式に飲むのは、とても新鮮だったようです。

「イッツベリー リラクシング!」と喜ぶ人多し。


しかし最後に出てきたザルそばは、ほとんどの人が残していた…。さらにそば湯が出てきたときには

「なんじゃこら」という反応。

我々日本人にとってはお酒のシメの冷たいそばなんて最高ですが、

味が薄すぎて噛みごたえもなく、よくわからない、とのこと。


翌日は六本木の、ハリウッドのVIPも使うという鉄板焼きへ。

これは、前日のそばへの反応と真逆で、全員大興奮!

彼らリクエストの神戸牛ももちろん焼きまっせー

(前もって追加フィー一人3500円を払い、神戸牛に変えておいた)。

浅野陽子クッキングサロン-037


食べながらスウェーデン田崎さんが選んだ

高級カリフォルニアワイン、続いて1本16,000円(!)の高級山梨ワイン(赤)を、

皆さんものすごい勢いで飲みまくります。


前菜2品の後、鉄板焼き前半は真っ二つに梨割りにされた伊勢海老を、

アスパラガスと一緒にバター焼きしたものが出される。

半分に割られてもまだピクピク動いている海老、なかなかインパクトがありました。


これを美しく下処理されたアスパラとともに、日本のシェフが丁寧にワタを取り、

ワインを振って目の前で焼いていく様はたしかに見事で、言葉は不要。


食は、どんな国の人にも、アピールするんだなぁ…とますます興奮する我がゲストたちを

見ながら、私自身も感慨にふけっておりました。

浅野陽子クッキングサロン-026

お皿が半分鉄板の上にそっと置かれ、熱々の料理をサーブする前に

あらかじめ絶妙に温めてあるのも、またニクいところです。


そして焼かれた神戸牛、ガーリックチップ、また中がとろとろになるまでじっくり炭火焼してある丸ごと玉ねぎ。

一人分。

浅野陽子クッキングサロン-039

写真からはあまり見えないですが、この皿、実はめちゃくちゃ大きくて

神戸牛も一人1枚ちゃんと載ってます。


私の隣に座っていた、スウェーデン1予約が取れないというレストランの料理長が

出てくると即自分のお皿を完食し、

「ヨーコ、今日は素晴らしいけど、ただ一つマイナスポイントがあるとしたら

もうこれ以上自分の分の肉が食べられないことだ(笑)」と笑っていたので

喜んで私の分を手伝ってもらう。


神戸牛は本当に濃厚&リッチで、私のキャパシティーからはやや胸につかえそうな肉の量…

スウェーデンの男性はみんな体格がよく、

日本人でいうと175cmくらいある、普通に大きい男性のたぶん1.8倍くらいの体格の人が普通サイズ。


まだ時差ボケも残っているというのに、彼らはよく飲み、よく食べ、そしてこの鉄板焼きの後も

私が道案内だけした六本木の繁華街に消えていき…体力と、エネルギーに感服したのでありました。


続きは明日書きまーす!